風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

Blue Jasmine, Augusut:Osage County(ブルー・ジャスミン、8月の家族たち)

2014年09月23日 | 映画
Blue Jasmine(ブルージャスミン)

宣伝文句には、「ジャスミンの夫は裕福なビジネスマン」とあるが、実は詐欺師。
そんな彼が捕まらずに超金持ちの生活をしているのが何とも作り話的で全くリアリティがありません。
彼女の夫は度重なる浮気の果てに彼女と離婚し、10代の女子学生と結婚したいと言い出した夫に切れた彼女は、
FBIに夫の詐欺を通報、彼女は一文無しになってしまいます。
過去の虚栄と嘘にちりばめられた生活を忘れられない彼女は、益々泥沼に陥ってしまうと言うお話。
アレンは、相変わらず無意味な修飾語をたくさん含む長過ぎる台詞を早口で役者に言わせます。
私は台詞の余韻や意味などを味わう余裕もなく、忙しく字幕を追って行きます。
その上、画面が過去と現実を頻繁に行ったり来たりするので筋を追って行くのも一苦労です。
さて、ジャスミンは妹に誘われて偶々参加したパーティで、金持ちの野心家に好かれ、結婚直前まで行くのですが、
彼女の前歴と嘘がばれ、破談となり、彼女はもうほとんど立ち上がれないほどの打撃を受けます。
この最後のエピソードは何とも薄っぺらで嘘っぽく映画はもうすっかり中だるみです。
結末の精神・心の病の重篤化は深刻で、この後の彼女はどうなるのでしょう。
結婚詐欺にあって身ぐるみを剥がされ、ぼろぼろになる方がよっぽど良いのに。
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原題の、Osage countyとは、オクラホマ州の田舎の群の名
メリル・ストリープの相変わらずの大袈裟な演技が嫌みな上、ジュリア・ロバーツはすっかりおばさんです。
8月の暑い日父親が失踪します。
オクラホマの実家へ集まった三姉妹。長女バーバラは、反抗期の娘がおり、夫とは別居中。
次女アイビーは地元に残っています。三女カレンは婚約者同伴です。
ストリープ演じる母バイオレットは、口腔がんを患っていて、すっかり薬の中毒状態です。
老いた親の面倒を誰が見るのかは今日かなり一般的テーマですが、この家族はその問題を直視せず、
本音を言い合って居るようですが、実はわがままを言い合って大事なことを隠し、誤魔化しているのです。
実は彼らには、お互い言えないほとんどあり得ない「隠しごと」があり、それらが次々と明るみに…。
仲の良い夫婦を演じている長女は、実は別居中で、
次女アイビーが結婚しようとしている従兄弟は、実は母親の妹と父との子どもで、
三女の婚約者は、バーバラの14歳の娘にマリファナを吸わせて関係を持とうとしたり、
これはもう、わざと面白くするためとしか言いようがなく、はちゃめちゃな作り話過ぎで、
リアリティは限りなくゼロ、こうなるともうほとんどウンザリ状態です。
三人の姉妹は結局、別々に去って行き、母のみがこの田舎に残されます。
結局、家族なんて虚構・幻想に過ぎないと言いたいのでしょうか、
残された二人、お手伝いのネイティブと母親は他人同士、この田舎でひっそり暮らして行くのでしょうか。
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ブルージャスミンは、期待外れでした。
今日の二本の映画は、男女関係が浮気やセックス、人間関係がおおざっぱでいかにもアメリカって感じで、
しかも後味がとても悪い映画でした。                  【9月22日鑑賞】

埼玉県、川島町~吉見町を歩く

2014年09月17日 | ウォーキング

9月15日、埼玉県のほぼ中央にある川島(かわじま)町と吉見町を歩きました。

ここは、鉄道の便が良くありません。バスで、桶川、鴻巣、川越、東松山の各駅に出るしかありません。
バスは、ほぼ1時間に1本です。
私は、まずJR高崎線の桶川駅から10:30発のバス(東武バス・桶川~川越線)で「新堀」バス停に出、
そこから歩き出し、吉見町の「久保田」バス停まで歩き、そこから17:23発のバス(朝日自動車・東松山~
鴻巣免許センター線)でJR高崎線の鴻巣駅に戻りました。


養竹院・臨済宗円覚寺派  太田道灌の陣屋跡とありました。
  
  
 
実は、私は、小さな田舎のお寺しかないのではと内心侮っていたのですが、最初のお寺から立派な板碑があり、
鐘楼を備えたお寺で驚きました。
広徳寺・真言宗豊山派
  
大御堂には二基の放水銃が備えられていました。(手前左)
   
本堂(金堂)
  
御影堂、北条政子が建て、室町時代に再建されたという。
 
広徳寺も立派な境内を持ち、私はこの地域決して馬鹿に出来ないぞと思いました。
法恩寺                                 諏訪神社
 
南向院阿弥陀堂                            春林寺
 
春林寺境内                              円通寺・真言宗
 
円通寺太子堂                            遠山記念館、日興證券創立者・遠山元一の屋敷跡と美術館(700円、入らず)
 
遠山元一の屋敷跡                         遠山記念館前の堀の蓮
  
善福寺
  
薬師堂(旧・本威徳寺)                       薬師堂の隣に天神社
 
長福寺・臨済宗円覚寺派
  
氷川神社、鐘がありました。                     即売所でイチジクが売られていました。
  
写真を撮っていると、イチジクを補充しに来た農婦が、「川島町はイチジクの名産地です。宣伝して下さい。あちらにイチジクの畑があります。」と、
教えてくれました。(1パック300円でした。)
極楽寺
 
                     地蔵院
  
西見寺・真言宗智山派                       阿弥陀如来座像
 
ふもん寺                                氷川神社
 
医音寺・真言宗智山派
 
牛舎がいくつもありました。多くは、感染症を防ぐためか、道から離れていましたが、
ここは道路に面していました。カメラを向けると牛が寄ってきました。
また、使われなくなった牛舎もいくつかありました。                            小川の土手で、黄金色の稲穂を見る人がいました。
  
潮音寺・真言宗 正直・幸福観音
  

道ばたに                          光善寺・真言宗
  
 
安楽寺・曹洞宗
 
法鈴寺
 
氷川神社                                松永稲荷神社
 
八枝神社                                大安寺・曹洞宗
 
大安寺境内
  
道端に牛頭天王の碑が          市野川
 
市野川に架かる長い徒歩橋を渡ると吉見町です。
金蔵院
  
  
観音寺・真言宗智山派
 
 
氷川神社                                                日吉神社
  
最勝寺
  
無量寺・真言宗智山派 薬師堂
 
無量寺本堂
  
  
久保田バス停に着いたのは5時ちょっと前でした。タッチの差で16:53のバスが出てしまいました。
次のバスまで少し時間がありましたが、疲れたので吉見町役場周辺は散策しませんでした。
バス停の台座に座ってお八つのオニギリを食べ、次のバスを待ちました。
17:23のバスに乗って、JR鴻巣駅に向かいました。
冒頭にも書きましたが、出かける前は「大したことない」と侮っていたのですが、お寺はみな立派で驚きました。
特に、多くのお寺に石塔婆、板碑、法篋印塔などが保存・安置されていたことです。
それらが残っているのは、お寺がかなり古い時代からあったことの証しでもあります。
真言宗のお寺が多かったことも、この一帯が古い集落であったことを裏付けているのでは無いでしょうか。
曹洞宗、臨済宗のお寺もありましたが、浄土宗や浄土真宗などのお寺はありませんでした。
一帯は、水田と畑が混在する農村です。荒川からの水路がたくさん入り組んでいました。
農家の建物は昔風ではなく、コロニアル屋根の新しい都会的建物で、建物だけを見ると農家とは想像がつかないほどです。
敷地が広く、納屋やトラクターなどがあって、農家だなと想像できます。
どの家も、庭の手入れが行き届き、たくさんの花や身近な野菜が植えられていました。
水田を抜けると、・集落が現れます。
○○集落センターという公民館風の建物と放送塔のような物があり、近年になって統合・整備されたと思われる共同墓地がありました。
住職の居る寺では無いのですが、観音堂などの小さなお堂があり、地蔵なども祀られて、集落の共同性・一体性が強く感じられました。
庚申塔は少なかった様ですが観音塔や無縁墓石なども大事に祀られていました。
しかし、集落の中心に鎮守のような神社が少なかったように思い、それはちょっと不思議でした。
晩夏・初秋、花々もたくさん咲き、栗・柿・ミカン・ブドウ・キュウイ・イチジクなども実り、たくさんの野菜も実っていました。
道ばたの野生の柿やイチジクは、思わず手を出して食べたいくらいでした。
もちろん、稲もたわわに実り、稲刈りの真っ最中でした。
水路や小川では、私の足音に驚いてカエルや魚やドジョウ(おそらく)などが飛び跳ねていました。
「あぁ、豊かだなぁ」と感じました。

たくさんの花が咲いていましたが、多くは撮りませんでした。
オクラが成っているのを初めて見ましたが、白く大きな花で背が高く伸びていました。
昨今、子どもが誘拐される事件が起きているので、こうして街歩きするにも不審者と思われないように神経を使います。
今日の天気は、薄曇りで陽はほとんど差しませんでしたが、気温は高く暑かったです。
リュックを背負うと背中は汗びっしょりでした。
自動販売機もあり、飲み物にも困りませんでした。
虫除けを忘れたので、お寺では腰を下ろして休憩出来なかったのは大失敗でした。
計画通りの行程をすべて歩きましたが、距離が長いので、脇道に入っての散策は禁欲しました。
そんなわけで、いくつかのお寺や神社は寄らずに素通りしました。
今日は、足の指は痛くなりませんでしたが、腰にだいぶ来ました。
思っていた以上に楽しいウォーキングでした。          【終わり】

飯田橋~神楽坂を歩く

2014年09月11日 | ウォーキング
 宗圓寺境内
9月8日、久し振りにウォーキングに出かけました。
この夏は、猛暑でしたし、8月下旬からは雨の日が多く、ウォーキングの気候ではありませんでした。
この日も曇りで、いつ雨が降ってもおかしくない空模様でしたが、出かけました。
暑くも無く寒くも無く気持ち良かったです。降られても良いように交通の便の良い、東京を選びました。
飯田橋から神楽坂方向に歩きました。この周辺は歩いたことがあるのですが、英会話のニュージーランド人の先生が
ニュージーランドコーヒーを飲ませてくれる"MOJO" というお店を以前紹介してくれたので選びました。



地下鉄南北線飯田橋駅B4aの出口を出るとすぐ左に行きつけの映画館、「ギンレイホール」があります。
 
今回初めて気がついたのですが、1階がギンレイホールで、地下はポルノ映画館、2階が麻雀屋などのようでした。
神楽坂(早稲田通り)を上っていくと、
善国寺・日蓮宗                            石虎
  
安養寺・天台宗                            大仏
 
清隆寺・日蓮宗
 
真清浄寺・法華宗 [インド東京寺務局の看板が]         田中寺・曹洞宗
 
伝久寺・真言宗大谷派
  
Mojo [ニュージーランドコーヒーが飲める喫茶店]
 
看板が小さく、気がつきにくかったです。
店内は、シンプルなインテリアで、店員さんの服装はもちろんニュージーランドカラーの黒、気さくな人でした。
カプチーノの名前が出てこなくてエスプレッソにしました。
赤城神社
 
赤城、八耳神社・稲荷神社
 
珍しい名前の八耳神社は、あらゆることを聞くと言う聖徳太子由来だそうです。
正蔵院・天台宗                            龍門禅寺・曹洞宗
   
圓福寺・日蓮宗
 
長源寺・曹洞宗
 
大信寺・浄土宗                            寶国寺・浄土宗
 
繁栄稲荷                               法正寺・浄土宗
 
カンボジアレストランが             別のお店・パン屋の看板
 
光照寺・浄土宗、牛込城跡(戦国時代)だそうです。
  



宮城道雄記念館                            常敬寺・浄土真宗
  
常敬寺境内                             禄雲寺・真宗大谷派
   
宗圓寺・浄土宗
 
長昌寺・曹洞宗                             浄栄寺・浄土真宗 甘露門(江戸時代のもの)
 
浄栄寺本堂と梵鐘(江戸時代のもの)               長巌寺・真宗大谷派
 
蓮秀寺                                月桂寺
 
月桂寺、キリシタン灯籠     鐘楼
 
経王寺・日蓮宗                             経王寺大黒天堂
 
常楽寺・法華宗(総本山・妙満寺)                
 
瑞光寺・日蓮宗                            法身寺・曹洞宗
 
幸国寺・日蓮宗                            幸国寺瑠璃殿 
  
 
専行寺・真宗大谷派                         積徳寺・浄土真宗
 
常立寺                                 専念寺・浄土宗
 
大龍寺・曹洞宗                             阿弥陀仏と弥勒仏
 
常泉寺・日蓮宗                                                 寶祥寺・曹洞宗
  
感通寺・日蓮宗
 
妙泉寺・日蓮宗                             本松寺・日蓮
 
清源寺・浄土宗                             来迎寺・浄土宗
  
来迎寺の庚申塔(江戸時代)
  
誓閑寺・浄土宗                             誓閑寺梵鐘(江戸時代)       夏目漱石生誕地の碑 
   
正法寺・日蓮宗                             宗清寺
 
龍善寺・真宗大谷派                           宗源寺・浄土宗
 
宗参寺・曹洞宗                             山鹿素行墓
  
雲居山宗参寺・曹洞宗                          南春寺・真宗大谷派
 
南春寺エントランス                南春寺本堂
 
多聞院・真言宗豊山派                          吉川湊一(江戸時代の琵琶法師)
  
大願寺・浄土宗                             宗柏寺・日蓮宗
 
宗柏寺内                ペット供養塔                             
  
松禅寺・臨済宗妙心寺派                      町内会の掲示板、少なからず目にしました。
    
デング熱騒動は、過剰の域を越して「異常」です。
70年振りに感染者が見つかったと言うことですが、
これまでは仮に感染しても見過ごされ、単なる風邪として処置されて来たのではないでしょうか。
それが埼玉県の医師がなぜデング熱と疑い、わかったのか、どの病院なのか、また詳しい症状などは明らかにされていません。
感染率・致死率・危険性もそれほど高くもないのに、まるで「エボラ出血熱」かのように大騒ぎし、
蚊の駆除のために広大な地域に薬剤を散布、閉鎖・立ち入り禁止にするなんて…。
貴重な昆虫などがいるかも知れないのにです。
さて、神楽坂・早稲田界隈は何回は歩いたことがあります。
戦国時代、赤城神社一帯に牛込一族が城を構えていたことは初めて知りました。
江戸城の堀から少し丘になり、坂が入り組んでいます。
昔は、神楽坂芸者の町としても有名でした。道路も狭く、道は入り組んでいます。
人一人がやっと通れるような路地が今なお残っています。
場所が良くわからず、あっちうろうろこっちうろうろしました。
この一帯は、防衛省があるように、「帝都」の北を守る軍事施設も多くあって
空襲で一帯はほとんど焼けたそうですが、このような町並みが残っているのも不思議です。
梵鐘や門や庚申塔などが残ったのは奇跡的です。
大きい寺社はなく、小さいお寺が住宅地の中に点在している感じです。
日蓮宗のお寺が多かったですが、その他たくさんの宗派がありました。
南春寺は間口2間ほどなのですが、奥に入ると本堂は2階にあり、広い境内です。
住職がいないお寺の一方、上を超高層マンションにしたお寺など色々です。
今年の夏は、気温が高く街歩きどころではありませんでした。
8月末になると涼しくなりましたが、雨が多く、これまた街歩きには適しませんでした。

スポーツジムは、快適ですが機械的過ぎて、脈拍や時間などが気になってしまいます。
外歩きはやはり良いです。お店や看板や人の装いや、「こんなモノが」と少し驚いたり…。
久し振りなのでゆっくり歩いたせいか、結構な距離歩いたのですが、腰は痛くなりませんでした。
最近チョット体力の低下を感じていただけに、少し自信を取り戻しました。
しかし足の指先に豆が出来そうになりました。
4時近く雨がほんの少しポツリとしました。          【終わり】

映画/The Past、Labor day

2014年09月03日 | 映画


原題は、The Past、「過去」と言うことですか?
今はテヘランに住むイラン人のアーマドは、離婚手続きのため4年ぶりにパリに戻ります。
妻のマリー=アンヌは、すでに新しい恋人サミールや彼の子どもたちと新たな生活をはじめていました。
物語の導入のアーマドとマリーの離婚騒動がストーリーのテーマかと観客はすっかり惑わされてしまいます。
イラン人のサミールの妻はフランス人で鬱病です。
自殺未遂した彼女は、植物状態です。
彼女はどうして自殺しようとしたのか、その「真相」を巡る「すれ違い・勘違い」が物語の中心です。 
年頃の娘リュシーは、家の寄りつきません。
サミールは、リュシーは自分を嫌っていると思っています。
リュシーは、重大な過ちをし、その解決出来ないことに深刻なのです。
妻達と恋人達、その家族が背負う過去が次第に明らかにされます。
お互いの葛藤や反発・相互の不審が意思疎通を欠き、その行き違いが互いの溝を広げています。
細かいストーリーは明かしませんが、その互いの溝を広げているのは、各人の「思い込み」にあります。
私たちは、自分の感情や思いは「自分自身の真実・確実なもの」と思っていますが、
実はそれらは私たちが単にそう思っているという「思い込み」・「錯覚」から成り立っています。
人の心の中、感情・思いは本当は誰にもわかりません。
それは自分でも本当はわからず、実はそう「錯覚」、「思っている」に過ぎないのです。
ですからコミュニケーションをしたとしても、心の真実は本来は共有できないものなのです。
わかり合えるというのは実は「幻想」に過ぎないのです。
だからこそ人は安心してつきあうことが出来るのではないでしょうか。
互いが、お互いの真実の感情や心の思いを知り、共有したら息苦しすぎて生活できませんもの。
さて、映画は、「本当のことは誰にもわからない」で終わりした方がよかったのですが、
そうとは行かず、
安易な結末で、尻切れトンボ、息切れという感じでした。
悪い人を誰も出さずに終わらせるには、ありふれた所に落ち着かせるしかなかったのかもしれませんが。
この映画の出色は、サミールの男の子役で、どうしてこんなに上手く芝居できるのだろうかと思いました。
監督は、映画『彼女が消えた浜辺』などを送ったイラン人のA・ファルハディ。
フランスの多民族国家・移民事情や結婚・離婚事情、子どものしつけなども垣間見られます。
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原題は、Labor day は労働者の日(9月の第一月曜日で祝日)。でも、これでは意味がわからないですかね。
フランクは殺人犯です。妻を突き飛ばして殺してしまい、殺人罪で服役中です。
盲腸の手術中に病院を脱走し、スーパーで偶然出会ったアデルとその息子を拉致し、彼女の家に隠れます。
この二人が恋愛関係になってしまうストーリー。
どんな特殊な事情があろうともこれは陳腐としか言いようがないのですが、
こうした題材は、題名は忘れましたが、映画では良く取り上げられます。
実際には起こりえない話なので全く期待しなかったのですが、結構楽しめました。
それは、悲劇がどのような形で訪れるのかにあります。
アデルは元夫との間に数回の流産の経験があり、神経過敏になった彼女は夫に捨てられ、鬱病を病んでします。
大工仕事や料理など、またアメリカの中学生になろうとする男の子がキャッチボールの手ほどきを受けるなど、
陳腐を通り越したアホらしい「優しさ」に彼らは心を奪われ、わずか1週間の間に、すっかりフランクの虜に
なってしまい、彼のカナダへの逃亡を助けるだけでなく、行動を共にしようとするなんて。
計画は失敗し、フランクは捕まり収監されますが、数年後仮釈放後されます。
そして、息子の仲立ちでアデルと再会し、無事結ばれるという何とも無理筋ストーリーです。
「この愛は罪ですか?」とこれまた陳腐な宣伝文句が踊っています。
当然ストーリーにはリアリティは皆無なのですが、「悪人」が出てこないのが味噌です。
徹底してリアリティを排除して、期待した悲劇は起きず、「純愛」のハッピーエンドものに仕上げたのです。
しかし、私としては、フランクは根っからの悪人で、善人を徹底的に演じ、
色仕掛けを含めあの手この手の手管で鬱病の女性を手玉に取り、
カナダへの脱走が成功した後、即座に彼女を捨てさるのですが、
アデルは戻らない彼を信じてうつろな日々を過ごす、と言う方が面白いと思うのですが、…。
今日の二つの映画には、二人の「鬱病」患者が出ましたが、その病に特別な意味があるのかは
私にはわかりません。          【9月1日鑑賞】