ハボマイ・シコタン・クナシリ・エトロフ・・・という4点セットで学校で習う北方領土。ネット記事によれば、国土地理院がこのほど「歯舞諸島」の名称を「歯舞群島」と変更したという。
何でも、これまで国土地理院発行の地図や教育現場などでは「歯舞諸島」という表記だったのだが、このほど地元・根室市や北方領土返還運動に携わる北海道の団体からの要望を受けて、彼らが普段使用している「群島」に改めたのだとか。根室市では「現場で混乱している」「名称の統一で返還運動を盛り上げたい」ということで要望書を提出したそうだが・・・。
ただ、この期に及んで「諸島」から「群島」と言われてもね・・・。だいたい、この二つは用語としてどう違うのだろうか。実体を指すものとして大して違いがあるわけでもないのだし、そもそも、「諸島」と「群島」の違いで何か混乱が生じているとでもいうのか。先日根室を訪れた時も、「群島」という表記は見かけなかったけどなあ・・・。
仮に「群島」と表記されていたとして私が気づかなかったということは、一般人が気づかない程度の差でしかないということで、国土地理院に要望書を提出して、地図帳から何から変えさせるほどのことではないのではないか。何か裏がありそうな話だ。
根室市の要望ももっともなのかもしれないが、島の呼び方以前に、現在「北方領土」というものに対する世間(特に、北海道人が本州人をあえて区別していうところの「内地人」たち)の関心というのはいかばかりだろうか。日本の都道府県を地図上で正確に指すことのできない人が3分の1以上を占める国民、ましてや北方領土の島々の名前を言われても「何それ、生まれてこのかたエトロフちゅうのは食べたことないわ」というくらいの国民である(これはオーバーかな?)。本気で返還運動を行うのであれば、歯舞諸島の呼称変更以前にもっと先に国民に啓蒙しなければならないこと、関係機関に真剣に働きかけねばならないことがあるのではないだろうか・・・・?