5月11日~12日の九州八十八ヶ所百八霊場めぐり、初日は指宿・宮ヶ浜にある第47番・光明寺を訪ね、この日の札所めぐりは終了。この後は指宿での砂蒸し風呂、そして鹿児島に戻っての一献。翌12日は鹿児島市内の第45番・大歓寺などを訪ねて、午後からは平和リース球場で行われるホークス対バファローズ戦の観戦である。私流で鹿児島を楽しむ2日間になる・・・はずだったが、その辺りは追々書くことに。
指宿駅からテクテク歩き、「砂むし会館 砂楽」に到着。他にも砂蒸し風呂を楽しめるスポットはあるが、指宿で代表的なのが「砂楽」である。海岸線にも近いところ。久しぶりの訪問だが、その時は5月の大型連休中で、「砂楽」にも長い列ができていた。今年の大型連休もおそらく待ち時間が長かっただろうが、連休後の週末ということもあってか、待ち時間なしでそのまま受付完了。
「砂楽」の入り方だが、更衣室で下着も全て脱いで専用の浴衣を着用して、タオルだけ持って外に出る。そして階段を下りて砂浜に向かう。砂浜までの道はパブリックスペースで、行き交う男女の浴衣の下は何もないのかというと変なことを想像してしまいそうだが・・。
来た人順に屋根付きの浴場に通され、ここで横になるよう案内される。タオルを頭の後ろに敷いて、そりゃそりゃと砂をかけられる。温泉成分を含んだ砂に埋もれ、全身に圧力がかかることや温泉の熱で血管が拡張され、血液循環が促進されるという。効能は盛りだくさん。体がドクドクいうのを感じる。
入浴は約10分。起き上がる・・というより這い上がるといった感じで出る。ちょうど海からの風が涼しく感じられる。建物に戻り、砂を落とした後で液体の?温泉に入浴。砂蒸し風呂の後の入浴でいわゆる「整った」感じになる。
ちょうど鹿児島方面のバスが来たので乗り込み、指宿駅で下車する。帰りも15時07分発の「指宿のたまて箱6号」を予約している。列車の発車まで結構時間があるので食事としよう。駅近くに「麺屋二郎」という、どこかで聞いたことがあるような名前のラーメン店があるが、指宿近辺で展開する豚骨ラーメンの店である。ここで遅めの昼食としたが、ラーメンは普通に美味かった。
指宿駅前には足湯もある。2019年にリニューアルされ、夜もライトアップされて最終列車まで利用可能とある。ここでもしばらくくつろいだ。
さて駅に戻ると待合室は団体客であふれていた。これから「指宿のたまて箱6号」に乗るようで、添乗員から注意事項の説明を受けているところ。こちらも満員御礼のようだ。
折り返しとなる「指宿のたまて箱6号」が入線すると、団体客も一斉にカメラ、スマホを向ける。顔ぶれからして鉄道ファン向けのツアーというわけではないようだが、指宿近辺をいろいろ回り、砂蒸し風呂にも入り、最後は観光特急に乗って・・という盛りだくさんのコースなのかな。
主に1号車はこのツアー客で埋まっているようで、私が乗ったのは2号車。往路では海側のカウンター席に陣取ったが、復路で空いていたのは山側のみ。ただ、この席は面白いことにソファー型となっていて、席の両側は本棚である。私の跡にあったのは「たまて箱」にちなんでか、童話や民話、昔話の本が並ぶ。活字が並ぶ本から絵本まであり、子ども連れも退屈せず過ごせそうだ。
また、座席の周りには魚が泳ぐ・・。鯛や平目の舞い踊り・・ここにも竜宮城がある。
指宿を発車した列車は鹿児島中央を目指す。途中、錦江湾や桜島の景色も楽しむが、往路と同様ということでそのまま流す。帰りの車窓があっという間だったのは、これも「たまて箱」効果なのかな・・。
鹿児島中央に到着。下車後、隣のホームに向かう。ここまで見ることのなかった「指宿のたまて箱」の黒いほうの姿。いや、まるっきり印象が異なる。「たまて箱」の伝説からすれば、黒がオリジナルで白が「その後」の姿なのだが、乗った時の印象として、白いままのほうがよかったと思う。こうやって見ると、「腹黒さ」というか、裏の顔に出会ったかのようにも思える。まあ、この対比もJR九州があえて狙ったことなのだろうが・・。
さてこの後は鹿児島にて宿泊・・・。