第16回九州八十八ヶ所百八霊場めぐりは鹿児島市内。第45番・大歓寺から城山公園、黎明館と回り、そのまま天文館までやってきた。そして少し遅めの昼食として、鹿児島王将・中町店に向かう。
前回5月に鹿児島を訪ねた時は、夜の天文館で一献の後、ひとり二次会として入ったのだが今回は昼食、いや、町中華での一献である。公共交通機関での札所めぐりならではの楽しみである。
全国チェーンの「餃子の王将」(いわゆる「京都王将」)から、あの稲盛和夫の仲介によりのれん分けが許された「鹿児島王将」。その1号店は繁華街から1本入ったところで、町中華の風情がある。「餃子の王将」だが、ある意味郷土料理の店といえる。
テーブル上の伝票に鉛筆で数字を入れて注文する独特のスタイル。厨房から対応するスタッフはすべて男性で、「鹿児島=男性社会」というのを体現しているように思う(別にジェンダーどうのこうのいうのではないが)。
やはり、餃子である。そして瓶ビール。餃子にビールのどこが郷土料理やねんというところだが、遅めのランチタイムとはいえ客が次々やってくる地元の人気店。そこにちょっとだけ溶け込んだ気分である。
からあげもいきましょう・・・今回は「小」だが、それでもボリューム感ある。
鹿児島王将の人気メニューは天津飯。鹿児島らしく黒酢ベースの餡がかかる一品だが、前回いただいた時は(二次会だったこともあり)ちょっときつく感じた。同じものをいただいてリベンジも考えたが、あえて変化球をということで目に留まった塩ダレ天津飯を選択。シンプルな味で、中のご飯ともよく合っていた。黒酢ベースだとメイン料理、塩ダレだと締め料理の味がする。それぞれのよさ。
王将を後にしてアーケード街を歩くうち、人の動き、そしてテレビクルーの姿が見える。7月7日投開票の鹿児島県知事の候補者が天文館に来たようで、候補者本人と支持者が沿道に向けて手を振る。スタッフの人から候補者のビラを向けられたが、鹿児島県民でない私が受け取っても仕方ないことである。
直前に鹿児島県全体の歴史文化を紹介する黎明館を訪ねた時の印象の一つに「鹿児島県は南北に長い」というのがあった。その距離は鹿児島~大阪間に相当する。距離が長いのは種子島・屋久島~奄美大島~与論島といった島嶼部によるものだが、そうした地域も含めて投票を訴える候補者も大変だろう。とはいえ、人口バランスからして鹿児島市内を制した候補者が当選するだろうから、週末の天文館では力が入ることだろう。7日の「鹿児島の七夕決戦」はどうなるかな・・。
アーケード街を抜け、照国神社に向かう。その鳥居前の交差点は国道3号線、国道10号線の終点であるとともに、沖縄に向かう国道58号線の起点である。
照国神社はかつては鶴丸城の一角で、祭神は島津斉彬。この人物も明治維新に多大に貢献したとして鹿児島のあちらこちらで顕彰されている。照国神社に向かったのは、ホテルにチェックインする前に立ち寄ろうという程度のことだったが(最初から目的地にしていれば、鶴丸城~西郷隆盛像を経てそのまま直進)・・。
境内は工事中、そして水たまりがあちこちできている中、拝殿に向かう。拝殿の前に茅の輪くぐりが設けられていたのだが、ちょうど拝殿を前にした瞬間、雨粒が強くなった。この状態で照国神社に手を合わせた時の私の願いは・・「この豪雨を鎮めてください」という、何とも場当たり的なものだった・・。
この豪雨のままアーケード街まで戻り、路面電車で鹿児島中央駅前に戻った。まだ16時にもなっていないが、この日はもういいでしょう、ゆっくりしましょう・・・。
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