タイソンがやはり、3月のいつか、カリフォルニアに引っ越すことに決めたようです。
75%カリフォルニア、25%ニューヨークと言っていますが、荷物の搬出などをすでに計画していて、ほぼ確定しているように思えます。
ああ残念!
今日は今週末のコンサートで演奏するフランクのヴァイオリンソナタの1楽章の合わせをしました。
ページ毎にお互いのタイミングや音色、それから気持ちの持っていき具合を確かめたり練ったり、たまにぶつかることはあるけれど、やっぱり納得できることの方が多くて、それが余計に喪失感が大きくなってしまう原因になりそうです。あぁ~あ……。
わたしのために、彼が良いと思うヴァイオリン奏者に問い合わせてくれたのですが、意欲を失ったり、演奏する時間が無くなったりして、全員もう演奏していないらしく、それを聞いてド~ンとがっかりしてしまったわたしを見て、「チェロと一緒に弾けるかどうか調べてみよう!」と言い出したタイソン。
早速ふたりでパソコンの前に走って行き、ユーチューブでヨー・ヨー・マが演奏する同曲の4楽章を聞いてみました。
よしっ!同じ調だ!ヴァイオリンと比べると2オクターブ低いメロディ音になりますが、ピアノとの絡みもきれいでほとんど気になりません。
「チェロなら、ボクなんかよりもっといい演奏者を知ってる」とタイソン。
いい悪いじゃなくて、音楽的に合うかどうか、なんやけどなあ……と内緒でわたし。
「彼はすごいよ。日本にもコンクールを受けに行ったりしてる、けっこう有名なヤツだよ」
「そんな人がわたしと演奏してもいいって思うかなあ」
「そんなの、演奏してみないと、向こうがどう思うかなんかわからないじゃないか!」
「けど、プロじゃないの?」
「う~ん、アマチュアでは無いことは明白。ジュリアードの生徒でね、これから多分プロになろうとしてるはず」
「……」
とりあえず連絡だけ取って、彼の都合とオーディションなどの日取りが合えば、そしてなによりも彼がそんなことに付き合ってくれる気持ちがあれば、まずは合わせをしてもらって、彼の意見を聞く、ということになりました。
↓Sang Yheeという名前の若きチェリストさんです。曲はフランクではなく、メンデルスゾーンのピアノトリオです。
ユーチューブで見る限り、そんなに意地悪そうではないし、勝手にガンガン好きなように演奏するタイプでもなさそうです。
けれどもやはり、とてもうまい演奏家なので、パートナーとして充分な演奏ができない者にはかなり厳しい言葉が飛んでくると聞き、ちょっぴり心配ではありますが……。
まあ、合わせの時間を取ってもらえるかどうかもまだ全く未定。あまり期待せずに連絡を待とうと思います。
そんなわけで、タイソンとの演奏はこれで終わり、という寂しい結果となってしまいました。
もう合わせても仕方が無いのだけれど……と思いながら、それでも彼と演奏したかった4楽章、まだちゃんと仕上がってもいないのに、どうしても演奏してみたくておねだりしてしまいました。
初めての合わせの時は、わたしの楽譜を読みながら演奏するタイソン。
彼はまず、わたしのすぐ左横に立ち、だんだんと右側に移動しながら演奏します。なので、彼のヴァイオリンの音色が、耳のすぐそばで響くのです。
その音にうっとりしたり緊張したりしながら、そして思っていた以上に彼との掛け合いが心地良くて、思わず涙ぐんでしまいました。もちろんバレないように。
タイソンのバカ!まうみのアホ!
「やあ、よく弾けてるじゃん!」
彼にとっても思っていた以上に楽しかったのか、「これを3月の演奏ミーティングで弾こうか?」と聞いてきました。
わたしはこの曲を3月末にあるオーディションで弾くのだけれど(もしパートナーが見つかれば)、「もちろんやるやる!」と即答しました。
「じゃあ、3月の6日までは絶対にマンハッタンに居てよ!」
「うん。それまでは居る!もし引っ越ししてしまってたら、最終的に荷物を整理しに来る日を演奏会に合わせる!」
フランクのヴァイオリンソナタ4楽章。タイソンとわたしの別れの曲です。
2009 | Soyoung Yoon | Franck Violin Sonata | 4th Mvt | Queen Elisabeth Violin Competition
75%カリフォルニア、25%ニューヨークと言っていますが、荷物の搬出などをすでに計画していて、ほぼ確定しているように思えます。
ああ残念!
今日は今週末のコンサートで演奏するフランクのヴァイオリンソナタの1楽章の合わせをしました。
ページ毎にお互いのタイミングや音色、それから気持ちの持っていき具合を確かめたり練ったり、たまにぶつかることはあるけれど、やっぱり納得できることの方が多くて、それが余計に喪失感が大きくなってしまう原因になりそうです。あぁ~あ……。
わたしのために、彼が良いと思うヴァイオリン奏者に問い合わせてくれたのですが、意欲を失ったり、演奏する時間が無くなったりして、全員もう演奏していないらしく、それを聞いてド~ンとがっかりしてしまったわたしを見て、「チェロと一緒に弾けるかどうか調べてみよう!」と言い出したタイソン。
早速ふたりでパソコンの前に走って行き、ユーチューブでヨー・ヨー・マが演奏する同曲の4楽章を聞いてみました。
よしっ!同じ調だ!ヴァイオリンと比べると2オクターブ低いメロディ音になりますが、ピアノとの絡みもきれいでほとんど気になりません。
「チェロなら、ボクなんかよりもっといい演奏者を知ってる」とタイソン。
いい悪いじゃなくて、音楽的に合うかどうか、なんやけどなあ……と内緒でわたし。
「彼はすごいよ。日本にもコンクールを受けに行ったりしてる、けっこう有名なヤツだよ」
「そんな人がわたしと演奏してもいいって思うかなあ」
「そんなの、演奏してみないと、向こうがどう思うかなんかわからないじゃないか!」
「けど、プロじゃないの?」
「う~ん、アマチュアでは無いことは明白。ジュリアードの生徒でね、これから多分プロになろうとしてるはず」
「……」
とりあえず連絡だけ取って、彼の都合とオーディションなどの日取りが合えば、そしてなによりも彼がそんなことに付き合ってくれる気持ちがあれば、まずは合わせをしてもらって、彼の意見を聞く、ということになりました。
↓Sang Yheeという名前の若きチェリストさんです。曲はフランクではなく、メンデルスゾーンのピアノトリオです。
ユーチューブで見る限り、そんなに意地悪そうではないし、勝手にガンガン好きなように演奏するタイプでもなさそうです。
けれどもやはり、とてもうまい演奏家なので、パートナーとして充分な演奏ができない者にはかなり厳しい言葉が飛んでくると聞き、ちょっぴり心配ではありますが……。
まあ、合わせの時間を取ってもらえるかどうかもまだ全く未定。あまり期待せずに連絡を待とうと思います。
そんなわけで、タイソンとの演奏はこれで終わり、という寂しい結果となってしまいました。
もう合わせても仕方が無いのだけれど……と思いながら、それでも彼と演奏したかった4楽章、まだちゃんと仕上がってもいないのに、どうしても演奏してみたくておねだりしてしまいました。
初めての合わせの時は、わたしの楽譜を読みながら演奏するタイソン。
彼はまず、わたしのすぐ左横に立ち、だんだんと右側に移動しながら演奏します。なので、彼のヴァイオリンの音色が、耳のすぐそばで響くのです。
その音にうっとりしたり緊張したりしながら、そして思っていた以上に彼との掛け合いが心地良くて、思わず涙ぐんでしまいました。もちろんバレないように。
タイソンのバカ!まうみのアホ!
「やあ、よく弾けてるじゃん!」
彼にとっても思っていた以上に楽しかったのか、「これを3月の演奏ミーティングで弾こうか?」と聞いてきました。
わたしはこの曲を3月末にあるオーディションで弾くのだけれど(もしパートナーが見つかれば)、「もちろんやるやる!」と即答しました。
「じゃあ、3月の6日までは絶対にマンハッタンに居てよ!」
「うん。それまでは居る!もし引っ越ししてしまってたら、最終的に荷物を整理しに来る日を演奏会に合わせる!」
フランクのヴァイオリンソナタ4楽章。タイソンとわたしの別れの曲です。
2009 | Soyoung Yoon | Franck Violin Sonata | 4th Mvt | Queen Elisabeth Violin Competition