昨日一日、ほんとにひとりでいたら、顔がお面のように強張ってしまった。
誰とも話さないで、だから感情もさほど動かないまま過ごすと、こんなふうになるんだと、確か遠い昔の自分がこうだったことを思い出したりした。
手洗いに行くたびに、目の前の鏡に映る自分の顔を見て、それが時間が経つにつれ、元気が無くなっていくのがわかる。
家猫の名前を呼ぶと、とんとんと小さな足音を響かせて階段を下りて来る気配がする。それで少し安心した頬がキシキシと音をたてて緩んだ。
家猫は早起きする旦那の、ベッドから抜け出る気配を察知できるよう、朝は必ずわたし達の寝室のドアの真ん前で待っている。
昨日もきっとそうしていたのだろうけれど、一向に誰も起きてこない。どうしたものか……ちょっとひと鳴きして、諦めて一階に下りて行った。
今朝はとうとう、寝坊のわたしだけしかいないと悟った彼女は、わたしがいつも起きるぐらいの時間まで待ち(←ここがナニゲにケナゲ)、ドアを頭でグイと押し開け、わたしの顔のすぐ前まで来て、「にゃ~!」と大声でひと鳴きした。「いつまで寝とんにゃ~!」とでも言うように。
目の前に(ベッドのスプリングマットだけを直接床に置いているので、猫の立ち位置と同じぐらいの高さなのです)家猫ショーティの顔のどアップ!
仰天して飛び起きたわたしに、「腹減った~寒かった~」と愚痴りまくりながらついてくるショーティ。
朝起きて、台所に入って一番にすること。それはお湯を沸かすこと。
かれこれもう5年はお世話になっているこのやかん。アウトレットで見つけた安売りだったけれど、どこもかしこも丸っちいのが気に入っている。
お湯が沸き始めると、文句でも言っているような小さな唸り声を出し、それでも放っておくと突然炸裂したような叫び声を上げる。
それはもう二階に居ようが三階に居ようが、うわっ!とびっくりするぐらいの声なのだ。
毎日、誰かが何かを飲みたくなると、せっせとお湯を沸かしてくれるやかん。
こんなに毎日、何回も何回も働いてくれて、それなのにいつだってコンロの上に置いてけぼり。気がつくと、油まみれになっている。
いつもお茶やコーヒーや白湯を入れてくれる旦那がいなかったので、久々に、さしで、やかんと何回か付き合った。
あらまあ、こんなばっちくなって……。
お皿洗いの最後に、やかんをていねいに洗った。
一風呂浴びた後のように、「あ~すっきりした、おおきに!」と、やかんが言ってくれたような気がした。
誰とも話さないで、だから感情もさほど動かないまま過ごすと、こんなふうになるんだと、確か遠い昔の自分がこうだったことを思い出したりした。
手洗いに行くたびに、目の前の鏡に映る自分の顔を見て、それが時間が経つにつれ、元気が無くなっていくのがわかる。
家猫の名前を呼ぶと、とんとんと小さな足音を響かせて階段を下りて来る気配がする。それで少し安心した頬がキシキシと音をたてて緩んだ。
家猫は早起きする旦那の、ベッドから抜け出る気配を察知できるよう、朝は必ずわたし達の寝室のドアの真ん前で待っている。
昨日もきっとそうしていたのだろうけれど、一向に誰も起きてこない。どうしたものか……ちょっとひと鳴きして、諦めて一階に下りて行った。
今朝はとうとう、寝坊のわたしだけしかいないと悟った彼女は、わたしがいつも起きるぐらいの時間まで待ち(←ここがナニゲにケナゲ)、ドアを頭でグイと押し開け、わたしの顔のすぐ前まで来て、「にゃ~!」と大声でひと鳴きした。「いつまで寝とんにゃ~!」とでも言うように。
目の前に(ベッドのスプリングマットだけを直接床に置いているので、猫の立ち位置と同じぐらいの高さなのです)家猫ショーティの顔のどアップ!
仰天して飛び起きたわたしに、「腹減った~寒かった~」と愚痴りまくりながらついてくるショーティ。
朝起きて、台所に入って一番にすること。それはお湯を沸かすこと。
かれこれもう5年はお世話になっているこのやかん。アウトレットで見つけた安売りだったけれど、どこもかしこも丸っちいのが気に入っている。
お湯が沸き始めると、文句でも言っているような小さな唸り声を出し、それでも放っておくと突然炸裂したような叫び声を上げる。
それはもう二階に居ようが三階に居ようが、うわっ!とびっくりするぐらいの声なのだ。
毎日、誰かが何かを飲みたくなると、せっせとお湯を沸かしてくれるやかん。
こんなに毎日、何回も何回も働いてくれて、それなのにいつだってコンロの上に置いてけぼり。気がつくと、油まみれになっている。
いつもお茶やコーヒーや白湯を入れてくれる旦那がいなかったので、久々に、さしで、やかんと何回か付き合った。
あらまあ、こんなばっちくなって……。
お皿洗いの最後に、やかんをていねいに洗った。
一風呂浴びた後のように、「あ~すっきりした、おおきに!」と、やかんが言ってくれたような気がした。