ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国ティーンの携帯メール事情

2010年04月21日 | 米国○○事情
練習と仕事とリハーサルと家事、練習と仕事とリハーサルと家事、練習と仕事とリハーサルと家事……これらの事がぐるぐると続く毎日。

今はただただ、抱えている何種類かのコンサートの最終にあたる、5月14日の高校のコンサートを終えて、翌日JFK空港から飛び立つ時(ただ寝て食べるだけ!)を楽しみに、ひとつひとつの事柄をギリギリの状態で終えていっている。

だんだん楽しみになってきた日本。
この10年の間に、たった3回しか行けてない日本。
行くといつも、よぉ~し、毎年行けるようにするぞぉ~!と盛り上がるけど、やっぱり遠い祖国日本。

ほぼ3年毎に行っているのだけれど、毎回新しくびっくりさせられることがある。
それは、車の種類だったり、電車の中の無言の親指運動だったり、標識の韓国語だったり、若い女の子達の全然似合わないロングブーツだったり。

あさちゃんがポツリとこぼしていた。
「今年の、教えた生徒達の合格のお知らせ、とうとう一人も電話で直接言ってこなかったよ」
「そういう報告をしてこない子もいる中で、携帯メールで報告してくるのはまだマシなのかもしれないけれど、『先生、合格しました。ありがとうございました』って、本人の嬉しい声を聞きたい、と思うのはもう古い時代になってしまったのかなあ」

先日のCNNのニュースに、アメリカのティーン達の75%が携帯電話を持っていて、それは6年前の45%に比べると驚異的に増えた、と書いてあった。
そのうち女子は、一日に平均80通、男子は平均30通、携帯メールを送受信しているのだそうな。
直接会話するのは親との連絡のみ、という子が多く、携帯電話はもはや電話ではなく、どこでもいつでもメールができる携帯器具と化しているそうだ。

前回行った日本の、あちらこちらの公共の場で、うつむいて親指を素早く動かしている人達がどれだけ多かったか。
それがレストランなどの、向かえ合わせに座っている4人組の、わたしと同い年ぐらいの女性達の間でも見られた現象だったのが一番ショックだった。
楽し気におしゃべりしているのだけれど、突然「あ、ちょっとごめん」と言って、携帯の画面に目を通し、素早く一言返事を打ち、また会話に戻る。
「なあ、こういう時ぐらい、携帯やめよ~な」と言い出す人などいない。

CNNの記事の終わりに、この無言の、機械仕立ての、無制限のコミュニケーションは、携帯電話業界の無制限メールサービスが原因だと書いてあった。
起きている間中、誰かとつながっている。
いったいいつ、独りになって、自分の心の中を覗いたり考えたりする時間があるのだろう。
目の前に居る人の目の中に宿る気持ちを読んで、それを思いやれる言葉を探して応えるチャンスが作れるのだろう。

隣や、隣の部屋に居る人とぐらい、直接息と喉を使って話そうよ。
目の前に話せる人が居る時ぐらい、携帯電話を携帯しないか、電源をオフにしようよ。

なぁ~んて、日本で言っちゃった日にゃ~、まるで宇宙人に遭遇したような目でしげしげと見られてしまうんだろうか……。




コメント (22)
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