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花のいのちはみじかくて
苦しきことのみ多かれど
風も吹くなり
雲も光るなり
林芙美子さんのことを少し調べてみました。長くなるので、興味のおありの方だけどうぞ。
『昭和5年に、浮き草のように寄る辺のない自分の人生を語った日記体の小説 『放浪記』を発表したが、これが記録的なベストセラーとなった。
その『放浪記』の冒頭に、芙美子は「私は宿命的に放浪者である。私は古里を持たない」と書いている。
身を刻むような辛苦の末、一躍流行作家になった芙美子は、かねてより切望していた家つくりをはじめた。
行商をしていた親に連れられて幼いころから各地を転々としていた芙美子にとって、自分の城をもつのは最大の夢だったのだろう。
東京・新宿区落合の高台に300坪の地所を入手した芙美子は、やがてそこに純日本式の住居を建てたが、現在それが「林芙美子記念館」となっている。
その記念館の入口に、芙美子がその住居を建てたいきさつを記したプレートが置れている。
「家をつくるにあたって……林芙美子
私の生涯で家を建てるなぞとは考えてもみなかったのだけれども、(中略)幸ひ300坪の地所を求めることができた。
私はまず家を建てるについての参考書を200冊近く求めておよその見当をつけるようになり、材木や瓦や大工についての知識を得た。
東西南北風の吹き抜ける家というのが私の家に対する最も重要な信念であった。客間には金をかけないことと、茶の間と風呂と厠と台所には十二分に金をかけることというのが私の考えであった。
生涯を住む家となれば、何よりも愛らしい家を造りたいと思った」
その落合の旧宅を、芙美子は、上記のように大変な熱意で家つくりに取り組み、建築家や大工と一緒に京都などに行って方々の住宅を見て参考にしたり、建材を入手したりした。
居宅の一部には、画家であった夫のためのアトリエも造られた。
若いころ男性関係で辛い思いをした芙美子は、優しいこの男性にめぐりあったことで精神の安定を得て、創作に打ち込むことができるようになった。
この間の事情は、初期に書かれた短編の随所から読み取ることができる。
芙美子がこの家を建てたのは、1940年のことと思われる。
その後この家に住んで多忙な作家活動を行ったが、当時盛んだった婦人雑誌など向けの小説も多く、芸術的価値としては玉石混交といえるかもしれない。
1949年から1951年にかけて、「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」で有名な長編小説『浮雲』を執筆した。
脱稿後まもなく芙美子は亡くなっているので、この小説がまさに芙美子の創作の締めくくりになった。
内容からいっても、またスケールの大きさから見ても、『浮雲』は芙美子の作品の中でずば抜けており、昭和文学史に残る傑作といえる。
芙美子は、昭和26(1951)年に、47歳の若さで自宅で亡くなった。
夜遅く家に帰ってきてから自らお汁粉を作り、皆にふるまったその夜のことだったそうだ。新居を建築してからわずか6年後のことだった。
また、自作の『放浪記』、『浮雲』が、舞台や映画で日本文化の財産になったといえるほどの成功を収めたのを知る前だった。
芙美子は、新聞小説などメジャーな小説の依頼を獲得するのに執念を燃やした。幼少時からどん底の生活を送ってきた人生が、そうさせたのかと思われる。
そのため、自分のライバルの作家が台頭してくると、ありとあらゆる手段で追い落としを図ったといわれている。
そのためか、葬儀に訪れた弔問客の中には芙美子への悪口を漏らす人もいたそうだ。
葬儀では、故人と家族ぐるみの親交があった川端康成が葬儀委員長を務めたが、弔辞の中で川端康成は「死は一切の罪悪を消滅させますから、どうか故人をゆるしてもらいたいと思います」と述べたということだ。
現在芙美子は、高台にあるこの旧宅から望める落合火葬場の近くにあるお寺の墓所に眠っている』
風がひと吹きするたびに、ポンちゃんの花びらが少なくなっていきます。
でも、そのかわりに、こんなにみずみずしい黄緑色した若葉が姿を見せ始めています。
花の命は短いけれど、この世から消えていくのではなくて、姿を変えて引き継がれていくんですね。
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アスファルトの道にピンクの絨毯を敷いてくれたポンちゃん。さよならポンちゃん、また来年遊ぼうね。
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お隣の、まるで桜餅カラーの桜さんは満開を迎えました。
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