マンハッタンに出かけた。
10月のカーネギーのコンサートのチケットが、おかげさまで52枚売れた。
そのチケットを取りに来てくださいというメールがアルベルトから送られてきたので、待ち合わせ場所のペン・ステーション駅前のカフェまで取りに行った。
もちろん『週末はなんかしたいねん』男の旦那も一緒。
あまりにも気持ちのいい天気なので、電車で行くことも考えたけど、二人だと往復25ドルかかるので、それだとトンネルの通行料8ドルとガソリン代だけで済む車の方がなんぼか安い。なので車で行くことにした。
但し、路上駐車のスポットがうまく見つかったら、の話だけど……。
とりあえずムチャクチャ混むこともなく、カフェに到着。わたしだけ降りてカフェに、旦那は駐車スポット探し。
……10分……20分……30分……天気がいいだけに混み方が半端じゃないようだ。
旦那もわたしもカフェで食べるつもりだったので、お腹がペコペコ過ぎて、互いに物事がうまく決められない。
何も注文できないまま時間が過ぎ、そこに居たACMAのメンバーも一人消え二人消えていく。
もう用事も終わったことだし、駐車するのはあきらめて、わたしが店から出ようと思った時、「いいとこが見つかった」と旦那。
でもまあ、どこか違う所で食べようということで、通りで待ち合わせてウロウロ歩き、無印良品の店の真向かいにある麺専門店に入った。
もうその頃にはふたりとも意識朦朧&機嫌最悪。血糖値が下がるってほんとに恐ろしい……というより、ガキそのものという方が正しいのかも。
お腹が落ち着くと気持ちも落ち着き、少しはマシな会話もできるようになった。
「今日はスタバじゃなくて、A子のアパートの近くにある、ほら、めっちゃ美味しいペイストリーのある店に行きたいなあ。ここらへんにもあったりして」
「ここらへんにあるかどうかわからんし、わざわざその店って決めんでも、この町にはアホほど店があるから、その望みは却下」
とにかく、せっかくこんなにいい天気なんだし、ブライアント・パークに行こう!
ちょっとふくれっ面をしつつも、そのアイディアには賛成。行こ行こ!
いつも前を通り過ぎるだけで、ちゃんと行ったことがなかったその公園は、市立図書館のすぐ前にあるすごく広々とした憩いの場なのだ。
公園の入り口がもうすぐそこ、という時に、旦那が「あっ!」と叫んだ。
なんてこった。わたしが行きたかったカフェが、公園の真ん前にあるではないか!
もちろん入って行って、小さなおやつとカフェオレを頼み、それを持って公園に入った。
がっかりしてたから、余計に嬉しかった。
今日はカメラを持って行かなかったので、少し季節が違うが、ここがまさしく我々が座った場所からの景色。
公園内には、たくさんの緑色の簡易椅子とテーブルが置かれていて、人々は好きな場所を選んで好きなことをして過ごす。
目の前には回転木馬が。チビッ子達が周りに立って観ているパパやママを見つけては手を振る。音楽はとても静かで全く気にならない。
芝生の周りにもぎっしりと椅子が並んでいる。水着姿の女性達もいた。
こちらは日よけの傘付き。
さて、これからすぐに帰る?それとも、すぐ近くにブックオフがあるから、そこに寄ってく?
そりゃまあせっかくだしね、来週末にカナダの湖畔に行くしね。そこはテレビもコンピューターも電話も無い、まさに読書三昧の家なんだしね。
1ドル均一の単行本狙いで行ってみよぉ~!
歩き始めると、サンダルを選び間違えたのか、足の裏の上半分が少し痛み出しているのに気がついた。
店の通りに入ると、なんだか様子がおかしい。こんなとこに大学なんかあったっけ?
←店の前に立ち尽くすふたり……。
撤退?電子本ができて本屋業界がかなり厳しいって聞いてるもんなあ……こんなとこにも影響が出たのかなあ、哀しいなあ。
でもまあ、無いもんは無い。しょうがない。家に帰ろう。
車のある46ストリートまで上がり、その通りを東に向かって歩いていると、今度は旦那とわたしが同時に「あっ!」と叫んだ。
ブックオフが移転していた。それも偶然46ストリート上に。
これまたがっかりした後だったので、余計に嬉しかった。
1冊1ドルの本を熟慮?の末に10冊ゲット。ほんでもって、ちょっと贅沢して、1冊10ドルもするのを1冊。
単行本ばかり11冊なのでかなり重い。でもまあ、もう帰るだけなのでなんとか頑張ろう!旦那がもしかしたら助けてくれるかもしれない。
店から出た途端に、足の裏の痛みが急激に増した。ヤバい!あとアベニューを4通り歩かなあかんのに……。
こういう時「足が痛い」などと言うと、「マンハッタンに来たら歩くってわかってるのに」と、旦那は必ず怒ってくる。言おうかな~どうしようかな~。
「あのぉ~、足がだいぶ痛いねんけど……」
重い方の本(わたしが買った方)を持ってくれてる旦那に怖ず怖ずと言うと、思った通りのお小言が返ってきた。
スピードを少し落として歩いてもらう。6thアベニュー、7thアベニュー、8thアベニュー、おぉ~とうとう9thアベニューじゃ~!!
ところが……←再び通りで立ち尽くすふたりの図。
無いやんか、わたしらの車……。
近くを行ったり来たり、一応思い違いの可能性もあるってことで、通りを二往復してみたけれどやっぱり無し。
標識を見直した旦那、「あっ……」し~ん……。
車があっただろう場所の道路上には、なんの記入もされていない。どこに取りに行ったらええねん……。
とにかく気を落ち着けて対策を練ろうと(わたしの足も限界だったし)、すぐ横にあったバーに行き、外に置かれたテーブルに座りビールを頼んだ。
「前にKが持ってかれた時、取りに行くのに何時間もかかったし、めっちゃ不便なとこやったし、向こうでアホほど待たされたって言うてへんかった?」
「そんなこと言うてたな」
「けどさあ、ボクらラッキーやで」
「???」
「だって、どんだけ待たされても平気なぐらい、今日は本持ってるやん」
なんたるポジティブシンキング……恐るべしアメリカ~ナ。
「とにかく、どこに連絡したらええのか、誰か友達にネットで検索してもらえるように頼んでみたら?」
「そうやな」
そんなことをブツブツと話し合ってるわたし達の横を、奇妙な形をしたデカい車が横切った。
それはまさしく、町中のあちこちに出没しては、情け容赦なく車を引っ張ってくにっくきレッカー車!
運のいいことに、バーのすぐそばに信号があり、その信号が赤。
「早よ早よ!あそこの書いてあるあの番号覚えよ!」
「書くもん無いっ!」
「そんなん、わたしが半分覚えるから、あんたが後の半分覚えたらええやん!」
番号を携帯に打ち込み、そこから牽引場所の事務所まで連絡をつなげてもらった。
わたし達のテーブルのウェイトレスに、牽引されたことを言うと、「ああ、わたしも1週間前にやられちゃった。けど、こっからすぐ近くだし、手続きもすぐだったよ。大丈夫、簡単だから。お金はしこたま取られるけどね」と慰めのような励ましのような情報を教えてくれた。
マンハッタンの道路標識の駐車編は、そりゃもうトリッキーでなぞなぞのような代物。一枚で安心したら大間違い!すぐ下に全く反対のようなサインがあって、その下にもう一枚、さらに頭がこんがらがるような表示が書かれてあったりする。
なので、その三枚を、いったいどう理解したらいいのか、標識を見上げながらしばらく放心している人の姿は、この町では全然珍しくもなんともない。
こんな感じ。この謎解きのような標識については、また改めて書きたいわたしなのであ~る。
旦那はいつも、その三枚をじっくりと読む人なのに、今日に限ってどうしたわけか一番上の真っ赤な看板を読み落とした。
それで$185也
足の裏はもう限界を超えていた。けれど、これからどんなことになるか予想がつかないので、一緒に行動したかった。
そうだ!いつも持ち歩いている生理用ナプキン、あれを足の裏に貼ってみよう。
更年期に突入し、生理がすっかり不順になってしまったので、念のためにいつも持ち歩くようになった生理用品。
面倒なことになったなあ……なんてクサッていたけど、これがうまくいったらもう万々歳。
大正解!歩けるではないか!なんて賢いの、わたしったら更年期バンザイ
歩いて行ける所に牽引所があるのはありがたかった。しかも、彼女の言う通り、行くとほんの少ししか人が居なくて、すぐに手続きをしてもらえた。
最後の出口前でサインをする時、その帳面がとんでもなく分厚くてデカいのにビックリしていると、
「こんなんでビックリしちゃいけん。今日の朝8時から今までで、こんだけの人がサインしたんだから」と、6ページに渡ってぎっしりと書き込まれた名前を見せてくれた。
どんだけ儲けてまんねん?
がっかりした後だけに、なんだか嬉しい、もちろん罰金はかなり痛い。けっこう泣ける。
旦那よ、また月曜からお互い頑張って稼ごうね。
10月のカーネギーのコンサートのチケットが、おかげさまで52枚売れた。
そのチケットを取りに来てくださいというメールがアルベルトから送られてきたので、待ち合わせ場所のペン・ステーション駅前のカフェまで取りに行った。
もちろん『週末はなんかしたいねん』男の旦那も一緒。
あまりにも気持ちのいい天気なので、電車で行くことも考えたけど、二人だと往復25ドルかかるので、それだとトンネルの通行料8ドルとガソリン代だけで済む車の方がなんぼか安い。なので車で行くことにした。
但し、路上駐車のスポットがうまく見つかったら、の話だけど……。
とりあえずムチャクチャ混むこともなく、カフェに到着。わたしだけ降りてカフェに、旦那は駐車スポット探し。
……10分……20分……30分……天気がいいだけに混み方が半端じゃないようだ。
旦那もわたしもカフェで食べるつもりだったので、お腹がペコペコ過ぎて、互いに物事がうまく決められない。
何も注文できないまま時間が過ぎ、そこに居たACMAのメンバーも一人消え二人消えていく。
もう用事も終わったことだし、駐車するのはあきらめて、わたしが店から出ようと思った時、「いいとこが見つかった」と旦那。
でもまあ、どこか違う所で食べようということで、通りで待ち合わせてウロウロ歩き、無印良品の店の真向かいにある麺専門店に入った。
もうその頃にはふたりとも意識朦朧&機嫌最悪。血糖値が下がるってほんとに恐ろしい……というより、ガキそのものという方が正しいのかも。
お腹が落ち着くと気持ちも落ち着き、少しはマシな会話もできるようになった。
「今日はスタバじゃなくて、A子のアパートの近くにある、ほら、めっちゃ美味しいペイストリーのある店に行きたいなあ。ここらへんにもあったりして」
「ここらへんにあるかどうかわからんし、わざわざその店って決めんでも、この町にはアホほど店があるから、その望みは却下」
とにかく、せっかくこんなにいい天気なんだし、ブライアント・パークに行こう!
ちょっとふくれっ面をしつつも、そのアイディアには賛成。行こ行こ!
いつも前を通り過ぎるだけで、ちゃんと行ったことがなかったその公園は、市立図書館のすぐ前にあるすごく広々とした憩いの場なのだ。
公園の入り口がもうすぐそこ、という時に、旦那が「あっ!」と叫んだ。
なんてこった。わたしが行きたかったカフェが、公園の真ん前にあるではないか!
もちろん入って行って、小さなおやつとカフェオレを頼み、それを持って公園に入った。
がっかりしてたから、余計に嬉しかった。
今日はカメラを持って行かなかったので、少し季節が違うが、ここがまさしく我々が座った場所からの景色。
公園内には、たくさんの緑色の簡易椅子とテーブルが置かれていて、人々は好きな場所を選んで好きなことをして過ごす。
目の前には回転木馬が。チビッ子達が周りに立って観ているパパやママを見つけては手を振る。音楽はとても静かで全く気にならない。
芝生の周りにもぎっしりと椅子が並んでいる。水着姿の女性達もいた。
こちらは日よけの傘付き。
さて、これからすぐに帰る?それとも、すぐ近くにブックオフがあるから、そこに寄ってく?
そりゃまあせっかくだしね、来週末にカナダの湖畔に行くしね。そこはテレビもコンピューターも電話も無い、まさに読書三昧の家なんだしね。
1ドル均一の単行本狙いで行ってみよぉ~!
歩き始めると、サンダルを選び間違えたのか、足の裏の上半分が少し痛み出しているのに気がついた。
店の通りに入ると、なんだか様子がおかしい。こんなとこに大学なんかあったっけ?
←店の前に立ち尽くすふたり……。
撤退?電子本ができて本屋業界がかなり厳しいって聞いてるもんなあ……こんなとこにも影響が出たのかなあ、哀しいなあ。
でもまあ、無いもんは無い。しょうがない。家に帰ろう。
車のある46ストリートまで上がり、その通りを東に向かって歩いていると、今度は旦那とわたしが同時に「あっ!」と叫んだ。
ブックオフが移転していた。それも偶然46ストリート上に。
これまたがっかりした後だったので、余計に嬉しかった。
1冊1ドルの本を熟慮?の末に10冊ゲット。ほんでもって、ちょっと贅沢して、1冊10ドルもするのを1冊。
単行本ばかり11冊なのでかなり重い。でもまあ、もう帰るだけなのでなんとか頑張ろう!旦那がもしかしたら助けてくれるかもしれない。
店から出た途端に、足の裏の痛みが急激に増した。ヤバい!あとアベニューを4通り歩かなあかんのに……。
こういう時「足が痛い」などと言うと、「マンハッタンに来たら歩くってわかってるのに」と、旦那は必ず怒ってくる。言おうかな~どうしようかな~。
「あのぉ~、足がだいぶ痛いねんけど……」
重い方の本(わたしが買った方)を持ってくれてる旦那に怖ず怖ずと言うと、思った通りのお小言が返ってきた。
スピードを少し落として歩いてもらう。6thアベニュー、7thアベニュー、8thアベニュー、おぉ~とうとう9thアベニューじゃ~!!
ところが……←再び通りで立ち尽くすふたりの図。
無いやんか、わたしらの車……。
近くを行ったり来たり、一応思い違いの可能性もあるってことで、通りを二往復してみたけれどやっぱり無し。
標識を見直した旦那、「あっ……」し~ん……。
車があっただろう場所の道路上には、なんの記入もされていない。どこに取りに行ったらええねん……。
とにかく気を落ち着けて対策を練ろうと(わたしの足も限界だったし)、すぐ横にあったバーに行き、外に置かれたテーブルに座りビールを頼んだ。
「前にKが持ってかれた時、取りに行くのに何時間もかかったし、めっちゃ不便なとこやったし、向こうでアホほど待たされたって言うてへんかった?」
「そんなこと言うてたな」
「けどさあ、ボクらラッキーやで」
「???」
「だって、どんだけ待たされても平気なぐらい、今日は本持ってるやん」
なんたるポジティブシンキング……恐るべしアメリカ~ナ。
「とにかく、どこに連絡したらええのか、誰か友達にネットで検索してもらえるように頼んでみたら?」
「そうやな」
そんなことをブツブツと話し合ってるわたし達の横を、奇妙な形をしたデカい車が横切った。
それはまさしく、町中のあちこちに出没しては、情け容赦なく車を引っ張ってくにっくきレッカー車!
運のいいことに、バーのすぐそばに信号があり、その信号が赤。
「早よ早よ!あそこの書いてあるあの番号覚えよ!」
「書くもん無いっ!」
「そんなん、わたしが半分覚えるから、あんたが後の半分覚えたらええやん!」
番号を携帯に打ち込み、そこから牽引場所の事務所まで連絡をつなげてもらった。
わたし達のテーブルのウェイトレスに、牽引されたことを言うと、「ああ、わたしも1週間前にやられちゃった。けど、こっからすぐ近くだし、手続きもすぐだったよ。大丈夫、簡単だから。お金はしこたま取られるけどね」と慰めのような励ましのような情報を教えてくれた。
マンハッタンの道路標識の駐車編は、そりゃもうトリッキーでなぞなぞのような代物。一枚で安心したら大間違い!すぐ下に全く反対のようなサインがあって、その下にもう一枚、さらに頭がこんがらがるような表示が書かれてあったりする。
なので、その三枚を、いったいどう理解したらいいのか、標識を見上げながらしばらく放心している人の姿は、この町では全然珍しくもなんともない。
こんな感じ。この謎解きのような標識については、また改めて書きたいわたしなのであ~る。
旦那はいつも、その三枚をじっくりと読む人なのに、今日に限ってどうしたわけか一番上の真っ赤な看板を読み落とした。
それで$185也
足の裏はもう限界を超えていた。けれど、これからどんなことになるか予想がつかないので、一緒に行動したかった。
そうだ!いつも持ち歩いている生理用ナプキン、あれを足の裏に貼ってみよう。
更年期に突入し、生理がすっかり不順になってしまったので、念のためにいつも持ち歩くようになった生理用品。
面倒なことになったなあ……なんてクサッていたけど、これがうまくいったらもう万々歳。
大正解!歩けるではないか!なんて賢いの、わたしったら更年期バンザイ
歩いて行ける所に牽引所があるのはありがたかった。しかも、彼女の言う通り、行くとほんの少ししか人が居なくて、すぐに手続きをしてもらえた。
最後の出口前でサインをする時、その帳面がとんでもなく分厚くてデカいのにビックリしていると、
「こんなんでビックリしちゃいけん。今日の朝8時から今までで、こんだけの人がサインしたんだから」と、6ページに渡ってぎっしりと書き込まれた名前を見せてくれた。
どんだけ儲けてまんねん?
がっかりした後だけに、なんだか嬉しい、もちろん罰金はかなり痛い。けっこう泣ける。
旦那よ、また月曜からお互い頑張って稼ごうね。