ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

『お』の話

2010年08月25日 | アホな小話


酒飲みの家系だからか、小さい頃から奈良漬けがだぁ~い好きなわたし。
こちらに来てからは高価な食べ物なので、薄ぅ~く薄ぅ~く切って食べるのだけど、今回だけは豪快に、いつもの3倍は厚めに切った。


日本食、ほぼなんでも大好きな旦那が、珍しく苦手なのがこの奈良漬け。
今朝もポリポリ、満足気に食べてるわたしをじぃ~っと見ながら、旦那はポツリとこう言った。

「おならづけか……」

「奈良漬けに『お』はつけへん!」ポリポリ、ポリポリ(←食べながら文句を言うわたし)
「けど、お漬け物って言うやん」
「言うけど……ポリポリ……カブラの漬け物もキュウリの漬け物もおカブラとかおキュウリとか言わへんやん……ポリポリ」
「けど、しんこのこと、おしんこって言うやん」

「おしんこ……」
「おならづけ……」

そう言った自分の声を聞いた瞬間、なぜだか笑いのツボにハマってしまった旦那とわたし。

食卓を挟んだ両側で、互いに涙を流しながらヒィヒィ笑ったのでした。
コメント (10)
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なんたって歌だからね~!

2010年08月25日 | 音楽とわたし
昨日の夜、わたしはもう眠ってしまっている間に、A子からこんなメールが送られていた。


『金曜日だとちょっとぎりぎりなので、練習してて思った事と私のまうみとしたい事、打ち合わせ代わりに書きますね。

まず、今回はもう時間がないから「音色」と「雰囲気」だけに焦点を絞ってみてください。
音の「強弱」じゃなくて、「どんな色が欲しいか」です。
上手く出来なくても全くかまいません。欲しい音を探してみて!

ノーマンが良く言うのだけど、全部音を弾かなくてもいいんだよ~雰囲気さえ掴んであったら。
特に沢山音があるところは出したい音だけ出す。
で、あとは「ざわざわ」とか「ぶるぶる」とか「さやさや」とか、擬態語みたいな感じで欲しいです。
まうみがどんな擬態語を思っているかの方が、音をキチンと弾いてくれるより100倍嬉しいです。
今は「風」、「森のざわめき」、「空を駆け抜ける鳥」、「晴れ渡る空」、ピアノが何を担当してくれているのかを想像してください。

練習しなきゃ焦ってそれどころじゃない、って言われるかも知れないけど、
逆に客観的に、「音を弾くこと」からすこし離れて、曲のイメージをまうみなりにも掴んで欲しいです。

歌詞書いて送りますので、音源いろいろ聞いてみて場面を目に浮かべてみてください。
私のイメージは先日伝えたので、まうみのイメージと融合させていきたいです。

まだリハだから全く焦らなくていいよ。
でもどうか土曜日は「どんな曲なのか」、その具体的な雰囲気が浮かび上がって来るのを目標にしましょう。
音は外れても私は全く気にしませ~~~ん。
ピアニスティックなことはこれ終わってからとことんテクニックに焦点合わせて、納得いくまでどうぞ~。

何たって「歌」だからね~!
どうぞよろしくお願い致します。
私も頑張る』



イメージすること。
わたしが練習している時に、すっかりすっぽ抜けていたこと。
以前はこの、イメージすることが大好きで、それだけは欠かさずに喜んでやっていたのに、いったいどうしちゃってたんだろう……。

先日の、あまりに悲惨過ぎてむしろ爽快でさえあった頭打ちの後、慌ててネットで歌詞を検索した。


『ジプシーの歌』Op.55より ドヴォルザーク作曲 へイドゥク・詩  


『おれの歌が響き出す』 

おれの歌が、愛の賛歌が響き出すのは
日が沈み始めるころ
それから苔やしおれた茎が
露の珠をひっそりと吸うころ

おれの歌は流浪の喜び一杯に響き出す
緑の森の広間で
そしてプスタの広大な広場に
おれの陽気な歌を響かせるのさ

おれの歌は愛にもあふれて響き出す
荒野に嵐が吹き荒れるときに
最期の命の息を吸おうと
兄の胸がふくらんだときに
(ドイツ語詞訳)


わが歌は再び愛を響かせる
古い日が死に絶えたとき
しなびた苔が 自らに纏わせようと
ひそやかに露を集めているときには

わが歌はあまねく憧れを響かせる
世界をこの足で歩き回るときに
だが故郷のプスタにあれば
歌声はわが胸より豊かにあふれ出る

わが歌は高らかに愛を響かせる
嵐が平原を駆け抜けるとき
われが見送るときに、貧しさより逃れ
兄弟たちが死に行くのを
(チェコ語詞訳)



『母が教えたまいし歌』

年老いた母が 
あたしに歌うことを教えてくれたとき
涙がまつ毛に 
いつも掛かっていた

今 あたしが小さい子に
自ら歌を教えると
私の目からもそれがしたたり落ちるの 
したたりおちるの 日焼けした頬の上を
(ドイツ語詞訳)


私の年老いた母が歌を
歌を教えてくれたとき
不思議なことにいつも
いつも涙を浮かべてた

そして今 この日に焼けた頬にも涙が落ちる
私がジプシーの子供たちに遊びや歌を教える時には!
(チェコ語詞訳)



『鷹の翼は』

鷹の翼は
タトラの峰をざわめかせるが
彼は岩山の巣を
鳥かごと交換したいと思うだろうか

野生の馬は
荒野を駆け抜けるが
彼は轡や手綱に
喜びを見出せるだろうか

ジプシー気質が
お前に与えたもの
そう!自由を目指すことを私は定められたのだ
この一生涯
(ドイツ語詞訳)


純金でできた鳥かごをタカが与えられても
それを岩山の巣と交換することなどない
野生の馬が、自由に駆け巡れるのに
轡や手綱を求めることはない
そしてジプシーの気質がお前に与えたのは
自由に向けての永遠の束縛だ、自由への執着だ
(チェコ語詞訳)


何も知らずに、だいたいで弾いていた自分がとても恥ずかしい。でももうそれは過去のこと。
ジプシーが暮らす大自然、愛してやまない歌、自由を求める熱情と執着、そして哀しみ。
どこまで表現できるかわからない。
けれども求めて求めて求めまくるっきゃない。

わたしも頑張る!
コメント (2)
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