丁度今から一年前、それも同じような雨模様の日に、スコット&ヴァーニース一家に会いにプリンストンに行ったのでした。
スコットはベルギーで一大電話会社を起業し大成功を収めた人。奥さんのヴァーニースとともに、旦那の大学時代からの友達です。
一年前の記事には、スコットの頭の右側面に発生した非常に厄介な癌のこと、病気と闘う彼と彼の家族のこと、彼自身の直感は癌の原因が携帯電話の電磁波であると言っていて、そのことを一冊の本にまとめて世の中に警鐘を鳴らそうとしていることなどを書きました。
あれから一年、
娘のゾーイは10才に、息子のギャヴィン12才に、それぞれわたしの背を越して大きくなっていました。
ゾーイは最近ピアノを習い始めた(ヴァイオリンを6年習っています)そうで、早速臨時レッスンの始まり始まり!
一回しかできないので、彼女が譜読みをし易くなるようなヒントを書けるだけ書いてみました。
彼女はとても好奇心旺盛で根気も良く、上手になりたいという気持ちも強いので、きっといいピアノ弾きさんになると思います。近くに住んでいたらなあ……。
スコットの本は200冊近く売れ、読者の方からの評価も良く、最近ではランス・アームストロング(精巣腫瘍との闘病の後、ツール・ド・フランスで前人未到の7年連続総合優勝(1999年から2005年)を達成した選手)が財団長としてガン撲滅研究を進めているLivestrong財団からも、推奨本として認定を受けたそうです。
スコットの精密検査は今年で4年目。5年生存率というハードルをほぼ越えられそうな今、それでもやはり、とても癖の悪いガンだということで、彼の心の内側に巣食う恐怖の大きさなど、わたし達に想像できるはずがありません。
彼はとても冷静で、ユーモアに満ち、賢くて勇気がある人です。
来年はきっとわたし達がベルギーに行って、ハードル越えを祝おう!と約束して帰ってきました。
今日はこの夫婦の出迎えが無かったので、ちょっと寂しかったなあ。(去年の写真から)
そして、やっぱり今回も、プールパーティとはいきませんでした。残念!
この庭には、バトミントンのネットが張られていました。雨に濡れた緑がとてもきれいでした。
今日は近くに住んでおられる、ヴァーニースのおかあさんが、我々に会いに来てくださいました。
彼女は台湾人で、4才の頃まで日本語で話さなければならなかったこと、その後環境が変わったけれども、なにかと日本人との関わりが続き、そして今も勉強しておられることなどから、とても流暢な日本語を話されます。
終戦時に10才だったおかあさん。こちらに移ってからも積極的に英語を学び、司書の仕事を長い間勤め、数年前に夫と死別した今はゆっくりされています。
戦争の話や家族の昔話、そしてわたしの書いた小説のことなどを話しているうち、今度マンハッタンでピアノを弾く話につながっていき、今練習をしている曲を皆の前で弾いてきました。(脂汗をかきまくりながらでしたが……)
一年前のお家訪問のことを書いたブログの記事を、スコット達はグーグルの翻訳システムを使って読んでくれたのだけど、旦那→master(マスター)と訳されたのを知ったおかあさん、慌てて「違う違う!旦那はただのhusbandのことよ!」と正しく訂正してくださったのでした。
スコットは「ボクはmasterの方が気に入ってたんだけどなあ~マスター……う~ん、いいねえ」とふざけていましたが……。
そんなこんなで、日本語の本が読めるおかあさんに、小説を送って読んでいただくことになりました。ええんだろうか……。
家に戻ると、こちらも一日静かに雨が降り続いたようで、前庭の花が生き生きと咲いていました。
花だけではなく、葉っぱもぎゅうぎゅうと元気そうです。