中下大樹さんとおっしゃる、超宗派寺院ネットワーク「寺ネット・サンガ」の代表であり、
「いのち」をキーワードにした、様々な活動を行い、現在、在宅ホスピスケアに関わりつつ、
自殺問題や貧困問題にも関わり、さらに明治大学等、幾つかの大学や学校で非常勤講師も兼務しておられる、超多忙なお坊さまのブログ、
中下大樹のブログに、福島の方々の生の声が載せられていました。
中下さんは、普段から、福島の方々の生の声を聞き、それを140文字にまとめて、ツィートで流してくださっています。
ここに、紹介させていただきます。
↓以下、転載はじめ
福島で必死に生きる人々の生の声を、了承を得た方のみですが、ツィッターで呟いています。
福島県民200万人の中のごくわずかに過ぎませんが……。
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福島市の仮設・80代の女性
除染なんて、私達が若いころ(戦時中)、強制的に竹やりを持たされて、鬼畜米兵と言わされていたのと本質的には同じ。
小手先だけの対応で、何の意味もないことは皆、分かっている。
でもそれを声に出すと、非難される。
同調圧力だよ。
----------------------------------------------------
南相馬市60代男性
自宅一軒、竹中工務店に、560万円で除染を依頼し、現場の下請けはピンハネされまくって、70万円で作業をする。
末端の作業員は、日当約8千円。
除染が終了したら、仕事がなくなるから、皆、いい加減な仕事しかしない。
それで雇用が確保され、経済が回る。
それが除染ビジネスの実態。
----------------------------------------------------
いわき市仮設60代男性
原発で、30年働いてきた。
でも今は、被曝して働けない体。
人は、目の前の現実が辛いと、現実逃避するんだ。
将来の事なんて、意図的に考えないようにしている。
酒を飲んで、カラオケを歌って、気晴らしをするけど、いい年したオヤジが何やっているんだろう?と思って、情けなくなる。
------------------------------------------------------
いわき市仮設60代男性
どうしたら原発が止められるかって?
そんなこと簡単だ。
もう一回、どっかの原発が爆発して、土地が汚染され、人が住めなくならない、と原発を止めることは無理じゃないのか?
アメリカ・財界・官僚が、政治家に圧力をかけている構造も、問題だがな。
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大熊出身・福島の仮設入っている70代Aさん
冬に出稼ぎに行かずに、安定した暮らしを得る為、子供や孫と、同じ場所でずっと暮らすために、俺たちは原発を受け入れた。
豊かな暮らし、安定成長を求めて、原発を受け入れた。
そして、そこで俺は、ずっと働いてきた。
それがこんな事になるなんて……。
---------------------------------------------------------
いわき市仮設70代男性
被災者と言っても、状況は皆、違う。
家族が死んだ・家族が生きている人、仕事を失った人・仕事がある人、家を流された人・家がある人、帰る場所がある人・帰る場所がない人、カネがある人・カネがない人……。
確かな事は、震災前からあった格差が今、露呈しているという事。
---------------------------------------------------------
南相馬市50代女性
私は最近、放射能より、人間の方が怖い、と思う時がたくさんあります。
ここ福島では、放射能の話をするだけで、圧力がかかる雰囲気が、一部に蔓延しています。
命がけで、放射能の問題を、意図的に考えないようにしている人がいっぱいいる。
一種の思考停止状態。
それは、自分を守るため?
---------------------------------------------------------
福島の仮設・70代男性
原発で、ずっと働いてきた。
しかし、危険な仕事は、下請けに回していた。
山谷や釜ヶ崎のような寄せ場から、労働者が連れてこられていることを、俺達は知っていながら、見て見ぬふりをしていた。
事故が起こった今、改めて考えると、俺も東電と一緒で、加害者なのかもしれない。
----------------------------------------------------------
福島・中通り60代男性
ラジオを聞いて、ひっくり返ったよ。
放射能に負けない子供になろう!って、福島県教育委員会が、ラジオで呼びかけているんだもの。
中通りの住民は、被害者、という意識が薄い。
だから教育委員会は、県外に避難した人を、非難するんだ。
もうマスクをしている人も、ほとんどいないよ。
------------------------------------------------------------
南相馬市・20代女性
今まで、原発の勉強とか、したことない。
でも、東電の下請け会社で働いている旦那が被曝して、入院してから、やっと目が覚めた。
3.11以降、<誰かが何とかしてくれるだろう・安全だ>と、放射能を浴びまくっても、他人事のように考えていた。
無関心は身を滅ぼすことに、やっと気がついた。
-------------------------------------------------------------
いわき市仮設・40代女性
仮設で、中高年の男性の自殺が起きた。
明日は我が身……。
でも、生きていればいいことがあるなんて、口が裂けても、子供達には言えない。
明るい未来なんて、ここ福島では、絶対にありえない。
普通に生きて、当たり前に暮らせることが、こんなにも難しいことなんて、思わなかった。
-----------------------------------------------------------
南相馬市・20代女性
友達の女の子が、中絶をしたという話を聞くたびに、私も、子供はムリって思ってしまう。
旦那や姑は、子供が欲しいみたいだけど、もう福島では、子供を育てられない。
線量計で自宅周辺を図ると、ビックリするよ。
子供を産んでも、どうせ外で遊ばせられないから、子供も可哀想だよね。
--------------------------------------------------------------
南相馬市・20代女性
原発事故以来、国・政治・東電は最悪と、ずっと他者を批判してきた。
でも、良く考えてみると、私は、選挙に一度も行った事はないし、新聞も読まないし、テレビはお笑いだけしか見ないし。
原発近くに住んでいながら、原発の事なんて、全く知ろうとも思わなかった。
今思うと恥ずかしい。
--------------------------------------------------------------
(大熊出身)会津若松仮設住宅・60代男性
さあ考えてみて。
仕事もカネも産業も、何もないただの田舎町が、原発を誘致することによって、莫大な恩恵が手に入るんだよ。
目の前にニンジンをぶら下げられて、それを断れる人が、どれだけいると思う?
カネで動かない人間もいると思うけど、全体の中の一握りだろ。
---------------------------------------------------------------
福島の仮設住宅・50代男性
仙台に行った。
全国から、建築関係者が集まり、復興バブルのような状態になっている。
儲かってしょうがないって、飲み屋で言っている、経営者のような人がいたけど、
心ではそう思っていても、言葉に出してほしくないね。
だって、ここ東北では、相当な数の人間が、死んでいるんだよ。
--------------------------------------------------------------
福島の仮設・50代男性
知人の男性が2名、ここ数カ月で自殺したよ。
男は、仕事や家族を失うと、本当に弱い。
今まで、名刺の肩書きだけで勝負してきたのに、3.11を機に、ゼロになってしまった。
俺も、今は無職。
仮設の集会所で、サロンとかをやっているけど、大の男が、一人で参加できると思うか?
--------------------------------------------------------------
福島の仮設・20代女性
子どもがいるので、被ばくについて勉強したいと思い、県内の講演会等に行くようにしている。
しかし、偉い先生の講演会は、「放射線量はほとんどゼロ」「内部被ばくなどない」「福島は大丈夫」ばかり。
正確な情報が、手に入らない。
それを声に出すと、さらに非難される。
---------------------------------------------------------------
(大熊出身)会津の仮設・60代男性
もう覚悟はできている。
瓦礫の処分場は、原発周辺の地域にするしかないだろ。
だって、もう人が住めないんだから。
除染なんかする金があるんだったら、原発周辺の土地を買い上げて、そこに瓦礫処分場を作ったらいい。
地元住民は、誰も、大熊に帰れると思っていないもの。
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南相馬市・50代男性
東電や国のやり方は、最低だ。
人を人とも思っていない。
でも、俺も、今までずっと、東電にぶら下がり、国に依存して生きてきた。
一番悪いのは、俺の主体性のない生き方だ。
思考停止に陥り、今さえ良ければいい、自分さえ儲かればそれでいいと、臭いものには蓋をしてずっと生きてきた。
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福島の仮設・70代男性
若い世代にとっては、福島から逃げるのが、一番の選択肢じゃないか?
未来のある若者には、是非逃げてほしい。
しかし、俺達のような年寄りは、今更逃げてもねぇ。
生まれ育った故郷で、死ぬまで暮らしたい。
でも、それは自分で決めたこと。
どうなっても、覚悟を決めているよ。
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福島・新潟(柏崎)・栃木を訪れる中で、私はたくさんの方からお話を聞かせていただきました。
了解を得た方のみですが、その切実な声を、ツイッターで呟いています。
福島・新潟(柏崎)・栃木の限られた方の限られた声に過ぎません。
私は、福島や柏崎、栃木で、数百名の人々と出会いましたが、
その声を聞いたぐらいで、原発問題を語るなんて、「おこがましい」と私は考えています。
しかし、原発で働く人、放射線量の高い地域で生活せざるをえない方々、そして、原発を推進する側の方々など、
原発に関係する当事者の声を聞かずして、自分の頭であれこれ原発について考えていても、現状は何も変わりません。
まずは、「当事者」の話を、丁寧に聞いていく。
そして、その言葉を、真摯にしっかりと受け止めた上で、自分に何が出来るか?
それを考えることが、今、一番大事なことのように、私は思っています。
以下、少し長いですが、ご興味のある方は、どうぞご覧ください。
ツイッターでの呟きは、今、改めて読み返すと、表現としてどうかな?と思う個所もあります。
しかし、当事者から、リアルなお話をお聞きした「その時の私の感情」を表現するものとして、見ていただければ幸いです。
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福島の仮設・中学生男子の言葉が忘れがたい。
津波が引いて、母親と自宅に戻った。
一階部分はほぼ壊滅。
二階の自分の部屋のベットの下に、エロ本を隠してあったけど、部屋中に散乱していた。
それを母親に咎められ、思わず「俺のじゃない!」と言ってしまった。
エロ本を回収できなかった事は、二次被害だ!
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福島に行って、いろいろな方々からお話をお聞きする。
「原発事故が起こったのだから、即刻、原発は廃炉にすべき!」という声もある一方、
「原発を動かしてもらわないと困る・生活できない!」という声も一定数ある。
かつて、福島第一原発だけで、1万人を超える雇用が発生していたと聞く。
問題は、非常に根深い。
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いわき市の仮設60代女性
原発事故が起こってしまった以上、もう原発は廃炉にすべきでしょう。
だが、旦那も息子も、ずっと原発で働いてきたから、急に他の仕事をすることは出来ない。
原発に代わる産業があればいいいけど、現実は難しい。
結局、原発に依存している、と言われれば、それまでなんだけど。
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いわき市仮設60代男性
国は、国策として、原子力を推進してきたんだから、事故が起こってしまった以上、その責任をどう取るか?を議論する必要がある。
でも、自民党の総裁選挙でも、原発問題は、ほとんど議論されなかったでしょう。
尖閣や竹島問題も大事だけど。
結局、日本は、本質的に何も変わっていない。
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いわき市40代男性
結局、人間は、自分さえよければそれで良い、という我がままな生き物。
原発をゼロにするのは、事故が起こった今、正論だと思うよ。
でもね、福島県内の田舎に、住んでみたらいい。
仕事なんてないから。
柏崎刈羽原発でもどこでも、俺は家族を養うため、原発で働くよ。
それしかできないから。
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いわき市仮設60代男性
何十年も、ずっと原発で働いてきた。
俺は、ただ家族と、一緒に幸せに、暮らしたかっただけなんだ。
事故が起こった今でも、原発の仕事で、俺は飯を食っている。
でも、他の仕事がないもの。
原発がゼロになったら、俺みたいな連中は、どうなるんだろ?
他の仕事なんて、したことないし。
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福島の仮設住宅に住む20代女性
マスクをしていると、お前は神経質だ、気にし過ぎだ、と周囲の人たちに言われる。
それが嫌で、マスクを意図的に外している。
でも、内心は、不安で不安で仕方がない。
でも、それを声に出すと、批判される。
私はどうすればいいの?
同調圧力が、ここ福島では蔓延している。
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福島の原発作業員
原発反対と言う人は、福島に来て、一度は、原発作業員として働いてみたらいい。
日本中の原発を、全て無くすにしても、莫大な労力が必要なんだよ。
原発廃炉を希望する人達は、自分がその作業をやる!だから廃炉!と言う人はいるの?
結局、俺達、末端の作業員にやらせるんだろ。
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新潟県柏崎市の、お寺のご門徒(原発作業員)
ここ柏崎・刈羽原発が爆発する時は、日本が終わる時。
その時は、皆死ぬ。
中越沖地震の時は、煙が出てヤバかったけど。
私
よくそんなこと言えますね。
ご門徒
だって、もう何十年もずっと、原発をやってきたんだよ。今更、やめられる訳がない。
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新潟県柏崎市(柏崎・刈羽原発から8キロの地点)のお寺のご門徒さん
本音を言えば、柏崎・刈羽原発を、早く動かしてほしんだよね。
この地域は、もともと過疎で、数十年後には、人がもう誰も住んでいないのでは?
稼げるうちに稼いでおきたい、と言うのが本音。
先の事なんて、誰も分からないしね。
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福島在住の方
福島での学校生活は、二者択一の連続です。
歩いて登校する⇔車で登校する、マスクをつける⇔つけない、給食を食べる⇔食べない、プールに入る⇔入らない……。
こうした選択を、いつも迫られます。
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福島の方
国が、住民を避難させないor住民が避難しないことを、出発点にして検討される<安全基準>、各種政策……。
結果・結論ありきで、逆算される事柄は、科学的でも何でもない。
モニタニングポスト周辺を、意図的に除染し、汚染の数値を操作していることを、日本中の人に、もっと知ってほしい。
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福島で起こっている対立は、まさに日本社会の象徴。
「放射能汚染は克服できる」⇔「放射能は人間の手に負えない」
「除染すれば……我慢すれば住める程度の汚染」⇔「取り返しのつかないほど汚染されてしまっている」
「頑張ろう」「負けない」「応援」⇔それらの言語に対する違和感の言語化。
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福島県在住の方
福島県全体を俯瞰的にみると、県民の7~8割程度は、既に諦めムード。
今更、考えても無駄だし、気にしてもしょうがないよ……。
そして、無関心層が、どんどん増加している。
<分断><対立>を作っているのは、福島県民の2~3割程度か。
選挙の無党派層と、構造は似ている。
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福島在住の方
原発事故が起きて、急に国が、1ミリシーベルト→20ミリシーベルトまで浴びても大丈夫、と言い出したのは、
福島の子供を県外に避難させれば、親も付いていく→福島の人口が減ることを恐れた→福島の親を足止めさせるために、子供の被曝線量限度を引き上げた。
これが、分断に繋がった。
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福島在住の方
福島では、<避難した子供たち>と<そうでない子供たち>、さらに、それぞれ内部での<分断>が起こっている。
問題は、単なる分断ではなく、その分断を前提に、<対立>させられていること=つながれない福島。
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福島大学の教員
去年5月に、除染を開始した頃には、<市民の不安を煽るからやめろ>と言われた。
去年11月に、除染の限界を語った時には、<復興の流れに水を差すな>と言われた。
反応の違いは、原発事故による汚染・健康被害の程度をめぐる、評価の違いを背景としている。
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「何故、福島の問題に、無関心でいられるのでしょうか?」と、福島在住の方が、涙ながらに、東京在住の私に訴える。
皆、自分の生活を守るだけで精一杯。
福島の問題は、大変な問題だと分かっていても、なかなか、「自分の問題」として認識することは難しい。
しかし、東京も既に、かなり汚染されている……。
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南相馬から福島に避難中の主婦
東電が、水素爆発の時の映像を、公開したでしょ。
テレビで見ていて、涙が止まらない。
空は今でも、こんなに綺麗なのに、原発が爆発してから、放射性物質が飛びかっている空になってしまった。
私が生きている間は、もう二度と、元の綺麗な福島の空にはならない。
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福島県郡山市在住・主婦
郡山で、線量を気にする人は、既に、県外に避難している。
避難したくても出来ない、私のような人達は、大きく2つに分けられる。
子供を、体育の授業(校庭で行う)に参加させる人・させない人。
私の子供のクラスでは、去年、5名が体育を欠席。
今年は、3名が欠席。
徐々に、前者(参加させる人)が増えてきている。
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栃木(那須塩原)在住・主婦
栃木県は、年間5ミリまでは浴びてもOK、と決まった。
結局は、賠償のお金の問題。
被曝は、偉い先生次第で、どうにでも操作できる。
栃木でも線量は高いけど、人々によって、全く対応が違う。
気にしすぎだ⇔イヤ、かなりやばいよ、という二つの声が、互いに批判を繰り返している。
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郡山市・主婦
市内の学校は、その学校の校長判断で、全く環境が異なる。
我が子が通う学校は、除染しても0.4。
夏のプールに入る・入らないは、親と子供の判断で選択。
別の学校では、除染自体が間に合わず、まだプール開きさえ出来ていない。
給食を食べる食べない、体育に参加・不参加も、全て自己判断。
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郡山市・主婦
ここでは、福島県産の野菜と県外の野菜が、同じスーパーで、別々の場所で売られている。
県外の野菜は、県内の野菜の約2倍。
放射能の影響を気にする人は、県外の野菜を買うが、経済的に余裕がないと、買い続けることはムリ。
県内のタケノコは、問題ないと言われていたが、100ベクレル検出された。
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「いのち」をキーワードにした、様々な活動を行い、現在、在宅ホスピスケアに関わりつつ、
自殺問題や貧困問題にも関わり、さらに明治大学等、幾つかの大学や学校で非常勤講師も兼務しておられる、超多忙なお坊さまのブログ、
中下大樹のブログに、福島の方々の生の声が載せられていました。
中下さんは、普段から、福島の方々の生の声を聞き、それを140文字にまとめて、ツィートで流してくださっています。
ここに、紹介させていただきます。
↓以下、転載はじめ
福島で必死に生きる人々の生の声を、了承を得た方のみですが、ツィッターで呟いています。
福島県民200万人の中のごくわずかに過ぎませんが……。
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福島市の仮設・80代の女性
除染なんて、私達が若いころ(戦時中)、強制的に竹やりを持たされて、鬼畜米兵と言わされていたのと本質的には同じ。
小手先だけの対応で、何の意味もないことは皆、分かっている。
でもそれを声に出すと、非難される。
同調圧力だよ。
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南相馬市60代男性
自宅一軒、竹中工務店に、560万円で除染を依頼し、現場の下請けはピンハネされまくって、70万円で作業をする。
末端の作業員は、日当約8千円。
除染が終了したら、仕事がなくなるから、皆、いい加減な仕事しかしない。
それで雇用が確保され、経済が回る。
それが除染ビジネスの実態。
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いわき市仮設60代男性
原発で、30年働いてきた。
でも今は、被曝して働けない体。
人は、目の前の現実が辛いと、現実逃避するんだ。
将来の事なんて、意図的に考えないようにしている。
酒を飲んで、カラオケを歌って、気晴らしをするけど、いい年したオヤジが何やっているんだろう?と思って、情けなくなる。
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いわき市仮設60代男性
どうしたら原発が止められるかって?
そんなこと簡単だ。
もう一回、どっかの原発が爆発して、土地が汚染され、人が住めなくならない、と原発を止めることは無理じゃないのか?
アメリカ・財界・官僚が、政治家に圧力をかけている構造も、問題だがな。
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大熊出身・福島の仮設入っている70代Aさん
冬に出稼ぎに行かずに、安定した暮らしを得る為、子供や孫と、同じ場所でずっと暮らすために、俺たちは原発を受け入れた。
豊かな暮らし、安定成長を求めて、原発を受け入れた。
そして、そこで俺は、ずっと働いてきた。
それがこんな事になるなんて……。
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いわき市仮設70代男性
被災者と言っても、状況は皆、違う。
家族が死んだ・家族が生きている人、仕事を失った人・仕事がある人、家を流された人・家がある人、帰る場所がある人・帰る場所がない人、カネがある人・カネがない人……。
確かな事は、震災前からあった格差が今、露呈しているという事。
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南相馬市50代女性
私は最近、放射能より、人間の方が怖い、と思う時がたくさんあります。
ここ福島では、放射能の話をするだけで、圧力がかかる雰囲気が、一部に蔓延しています。
命がけで、放射能の問題を、意図的に考えないようにしている人がいっぱいいる。
一種の思考停止状態。
それは、自分を守るため?
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福島の仮設・70代男性
原発で、ずっと働いてきた。
しかし、危険な仕事は、下請けに回していた。
山谷や釜ヶ崎のような寄せ場から、労働者が連れてこられていることを、俺達は知っていながら、見て見ぬふりをしていた。
事故が起こった今、改めて考えると、俺も東電と一緒で、加害者なのかもしれない。
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福島・中通り60代男性
ラジオを聞いて、ひっくり返ったよ。
放射能に負けない子供になろう!って、福島県教育委員会が、ラジオで呼びかけているんだもの。
中通りの住民は、被害者、という意識が薄い。
だから教育委員会は、県外に避難した人を、非難するんだ。
もうマスクをしている人も、ほとんどいないよ。
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南相馬市・20代女性
今まで、原発の勉強とか、したことない。
でも、東電の下請け会社で働いている旦那が被曝して、入院してから、やっと目が覚めた。
3.11以降、<誰かが何とかしてくれるだろう・安全だ>と、放射能を浴びまくっても、他人事のように考えていた。
無関心は身を滅ぼすことに、やっと気がついた。
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いわき市仮設・40代女性
仮設で、中高年の男性の自殺が起きた。
明日は我が身……。
でも、生きていればいいことがあるなんて、口が裂けても、子供達には言えない。
明るい未来なんて、ここ福島では、絶対にありえない。
普通に生きて、当たり前に暮らせることが、こんなにも難しいことなんて、思わなかった。
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南相馬市・20代女性
友達の女の子が、中絶をしたという話を聞くたびに、私も、子供はムリって思ってしまう。
旦那や姑は、子供が欲しいみたいだけど、もう福島では、子供を育てられない。
線量計で自宅周辺を図ると、ビックリするよ。
子供を産んでも、どうせ外で遊ばせられないから、子供も可哀想だよね。
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南相馬市・20代女性
原発事故以来、国・政治・東電は最悪と、ずっと他者を批判してきた。
でも、良く考えてみると、私は、選挙に一度も行った事はないし、新聞も読まないし、テレビはお笑いだけしか見ないし。
原発近くに住んでいながら、原発の事なんて、全く知ろうとも思わなかった。
今思うと恥ずかしい。
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(大熊出身)会津若松仮設住宅・60代男性
さあ考えてみて。
仕事もカネも産業も、何もないただの田舎町が、原発を誘致することによって、莫大な恩恵が手に入るんだよ。
目の前にニンジンをぶら下げられて、それを断れる人が、どれだけいると思う?
カネで動かない人間もいると思うけど、全体の中の一握りだろ。
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福島の仮設住宅・50代男性
仙台に行った。
全国から、建築関係者が集まり、復興バブルのような状態になっている。
儲かってしょうがないって、飲み屋で言っている、経営者のような人がいたけど、
心ではそう思っていても、言葉に出してほしくないね。
だって、ここ東北では、相当な数の人間が、死んでいるんだよ。
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福島の仮設・50代男性
知人の男性が2名、ここ数カ月で自殺したよ。
男は、仕事や家族を失うと、本当に弱い。
今まで、名刺の肩書きだけで勝負してきたのに、3.11を機に、ゼロになってしまった。
俺も、今は無職。
仮設の集会所で、サロンとかをやっているけど、大の男が、一人で参加できると思うか?
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福島の仮設・20代女性
子どもがいるので、被ばくについて勉強したいと思い、県内の講演会等に行くようにしている。
しかし、偉い先生の講演会は、「放射線量はほとんどゼロ」「内部被ばくなどない」「福島は大丈夫」ばかり。
正確な情報が、手に入らない。
それを声に出すと、さらに非難される。
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(大熊出身)会津の仮設・60代男性
もう覚悟はできている。
瓦礫の処分場は、原発周辺の地域にするしかないだろ。
だって、もう人が住めないんだから。
除染なんかする金があるんだったら、原発周辺の土地を買い上げて、そこに瓦礫処分場を作ったらいい。
地元住民は、誰も、大熊に帰れると思っていないもの。
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南相馬市・50代男性
東電や国のやり方は、最低だ。
人を人とも思っていない。
でも、俺も、今までずっと、東電にぶら下がり、国に依存して生きてきた。
一番悪いのは、俺の主体性のない生き方だ。
思考停止に陥り、今さえ良ければいい、自分さえ儲かればそれでいいと、臭いものには蓋をしてずっと生きてきた。
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福島の仮設・70代男性
若い世代にとっては、福島から逃げるのが、一番の選択肢じゃないか?
未来のある若者には、是非逃げてほしい。
しかし、俺達のような年寄りは、今更逃げてもねぇ。
生まれ育った故郷で、死ぬまで暮らしたい。
でも、それは自分で決めたこと。
どうなっても、覚悟を決めているよ。
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福島・新潟(柏崎)・栃木を訪れる中で、私はたくさんの方からお話を聞かせていただきました。
了解を得た方のみですが、その切実な声を、ツイッターで呟いています。
福島・新潟(柏崎)・栃木の限られた方の限られた声に過ぎません。
私は、福島や柏崎、栃木で、数百名の人々と出会いましたが、
その声を聞いたぐらいで、原発問題を語るなんて、「おこがましい」と私は考えています。
しかし、原発で働く人、放射線量の高い地域で生活せざるをえない方々、そして、原発を推進する側の方々など、
原発に関係する当事者の声を聞かずして、自分の頭であれこれ原発について考えていても、現状は何も変わりません。
まずは、「当事者」の話を、丁寧に聞いていく。
そして、その言葉を、真摯にしっかりと受け止めた上で、自分に何が出来るか?
それを考えることが、今、一番大事なことのように、私は思っています。
以下、少し長いですが、ご興味のある方は、どうぞご覧ください。
ツイッターでの呟きは、今、改めて読み返すと、表現としてどうかな?と思う個所もあります。
しかし、当事者から、リアルなお話をお聞きした「その時の私の感情」を表現するものとして、見ていただければ幸いです。
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福島の仮設・中学生男子の言葉が忘れがたい。
津波が引いて、母親と自宅に戻った。
一階部分はほぼ壊滅。
二階の自分の部屋のベットの下に、エロ本を隠してあったけど、部屋中に散乱していた。
それを母親に咎められ、思わず「俺のじゃない!」と言ってしまった。
エロ本を回収できなかった事は、二次被害だ!
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福島に行って、いろいろな方々からお話をお聞きする。
「原発事故が起こったのだから、即刻、原発は廃炉にすべき!」という声もある一方、
「原発を動かしてもらわないと困る・生活できない!」という声も一定数ある。
かつて、福島第一原発だけで、1万人を超える雇用が発生していたと聞く。
問題は、非常に根深い。
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いわき市の仮設60代女性
原発事故が起こってしまった以上、もう原発は廃炉にすべきでしょう。
だが、旦那も息子も、ずっと原発で働いてきたから、急に他の仕事をすることは出来ない。
原発に代わる産業があればいいいけど、現実は難しい。
結局、原発に依存している、と言われれば、それまでなんだけど。
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いわき市仮設60代男性
国は、国策として、原子力を推進してきたんだから、事故が起こってしまった以上、その責任をどう取るか?を議論する必要がある。
でも、自民党の総裁選挙でも、原発問題は、ほとんど議論されなかったでしょう。
尖閣や竹島問題も大事だけど。
結局、日本は、本質的に何も変わっていない。
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いわき市40代男性
結局、人間は、自分さえよければそれで良い、という我がままな生き物。
原発をゼロにするのは、事故が起こった今、正論だと思うよ。
でもね、福島県内の田舎に、住んでみたらいい。
仕事なんてないから。
柏崎刈羽原発でもどこでも、俺は家族を養うため、原発で働くよ。
それしかできないから。
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いわき市仮設60代男性
何十年も、ずっと原発で働いてきた。
俺は、ただ家族と、一緒に幸せに、暮らしたかっただけなんだ。
事故が起こった今でも、原発の仕事で、俺は飯を食っている。
でも、他の仕事がないもの。
原発がゼロになったら、俺みたいな連中は、どうなるんだろ?
他の仕事なんて、したことないし。
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福島の仮設住宅に住む20代女性
マスクをしていると、お前は神経質だ、気にし過ぎだ、と周囲の人たちに言われる。
それが嫌で、マスクを意図的に外している。
でも、内心は、不安で不安で仕方がない。
でも、それを声に出すと、批判される。
私はどうすればいいの?
同調圧力が、ここ福島では蔓延している。
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福島の原発作業員
原発反対と言う人は、福島に来て、一度は、原発作業員として働いてみたらいい。
日本中の原発を、全て無くすにしても、莫大な労力が必要なんだよ。
原発廃炉を希望する人達は、自分がその作業をやる!だから廃炉!と言う人はいるの?
結局、俺達、末端の作業員にやらせるんだろ。
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新潟県柏崎市の、お寺のご門徒(原発作業員)
ここ柏崎・刈羽原発が爆発する時は、日本が終わる時。
その時は、皆死ぬ。
中越沖地震の時は、煙が出てヤバかったけど。
私
よくそんなこと言えますね。
ご門徒
だって、もう何十年もずっと、原発をやってきたんだよ。今更、やめられる訳がない。
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新潟県柏崎市(柏崎・刈羽原発から8キロの地点)のお寺のご門徒さん
本音を言えば、柏崎・刈羽原発を、早く動かしてほしんだよね。
この地域は、もともと過疎で、数十年後には、人がもう誰も住んでいないのでは?
稼げるうちに稼いでおきたい、と言うのが本音。
先の事なんて、誰も分からないしね。
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福島在住の方
福島での学校生活は、二者択一の連続です。
歩いて登校する⇔車で登校する、マスクをつける⇔つけない、給食を食べる⇔食べない、プールに入る⇔入らない……。
こうした選択を、いつも迫られます。
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福島の方
国が、住民を避難させないor住民が避難しないことを、出発点にして検討される<安全基準>、各種政策……。
結果・結論ありきで、逆算される事柄は、科学的でも何でもない。
モニタニングポスト周辺を、意図的に除染し、汚染の数値を操作していることを、日本中の人に、もっと知ってほしい。
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福島で起こっている対立は、まさに日本社会の象徴。
「放射能汚染は克服できる」⇔「放射能は人間の手に負えない」
「除染すれば……我慢すれば住める程度の汚染」⇔「取り返しのつかないほど汚染されてしまっている」
「頑張ろう」「負けない」「応援」⇔それらの言語に対する違和感の言語化。
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福島県在住の方
福島県全体を俯瞰的にみると、県民の7~8割程度は、既に諦めムード。
今更、考えても無駄だし、気にしてもしょうがないよ……。
そして、無関心層が、どんどん増加している。
<分断><対立>を作っているのは、福島県民の2~3割程度か。
選挙の無党派層と、構造は似ている。
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福島在住の方
原発事故が起きて、急に国が、1ミリシーベルト→20ミリシーベルトまで浴びても大丈夫、と言い出したのは、
福島の子供を県外に避難させれば、親も付いていく→福島の人口が減ることを恐れた→福島の親を足止めさせるために、子供の被曝線量限度を引き上げた。
これが、分断に繋がった。
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福島在住の方
福島では、<避難した子供たち>と<そうでない子供たち>、さらに、それぞれ内部での<分断>が起こっている。
問題は、単なる分断ではなく、その分断を前提に、<対立>させられていること=つながれない福島。
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福島大学の教員
去年5月に、除染を開始した頃には、<市民の不安を煽るからやめろ>と言われた。
去年11月に、除染の限界を語った時には、<復興の流れに水を差すな>と言われた。
反応の違いは、原発事故による汚染・健康被害の程度をめぐる、評価の違いを背景としている。
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「何故、福島の問題に、無関心でいられるのでしょうか?」と、福島在住の方が、涙ながらに、東京在住の私に訴える。
皆、自分の生活を守るだけで精一杯。
福島の問題は、大変な問題だと分かっていても、なかなか、「自分の問題」として認識することは難しい。
しかし、東京も既に、かなり汚染されている……。
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南相馬から福島に避難中の主婦
東電が、水素爆発の時の映像を、公開したでしょ。
テレビで見ていて、涙が止まらない。
空は今でも、こんなに綺麗なのに、原発が爆発してから、放射性物質が飛びかっている空になってしまった。
私が生きている間は、もう二度と、元の綺麗な福島の空にはならない。
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福島県郡山市在住・主婦
郡山で、線量を気にする人は、既に、県外に避難している。
避難したくても出来ない、私のような人達は、大きく2つに分けられる。
子供を、体育の授業(校庭で行う)に参加させる人・させない人。
私の子供のクラスでは、去年、5名が体育を欠席。
今年は、3名が欠席。
徐々に、前者(参加させる人)が増えてきている。
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栃木(那須塩原)在住・主婦
栃木県は、年間5ミリまでは浴びてもOK、と決まった。
結局は、賠償のお金の問題。
被曝は、偉い先生次第で、どうにでも操作できる。
栃木でも線量は高いけど、人々によって、全く対応が違う。
気にしすぎだ⇔イヤ、かなりやばいよ、という二つの声が、互いに批判を繰り返している。
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郡山市・主婦
市内の学校は、その学校の校長判断で、全く環境が異なる。
我が子が通う学校は、除染しても0.4。
夏のプールに入る・入らないは、親と子供の判断で選択。
別の学校では、除染自体が間に合わず、まだプール開きさえ出来ていない。
給食を食べる食べない、体育に参加・不参加も、全て自己判断。
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郡山市・主婦
ここでは、福島県産の野菜と県外の野菜が、同じスーパーで、別々の場所で売られている。
県外の野菜は、県内の野菜の約2倍。
放射能の影響を気にする人は、県外の野菜を買うが、経済的に余裕がないと、買い続けることはムリ。
県内のタケノコは、問題ないと言われていたが、100ベクレル検出された。
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