アンジュシュエット’24
兄は重賞戦線を賑わすヘリオス、純真な心が素敵な夢を叶える。
◇牝当歳 鹿毛 2024.05.02生 浦河産
◇父:キタサンブラック 母:アンジュシュエット (母の父:フレンチデピュティ)
◇栗東・友道康夫厩舎予定
◇販売総額 5,700万円 / 総口数 3000口
◇プラスビタールスピード遺伝子:CT
◇Point!:名繁殖牝馬シャンランの母系からまた一頭楽しみな女傑候補が登場。生まれながら骨格に恵まれ、4月初旬生まれの仔馬たちと比較しても遜色のない馬体は母や兄姉によく似てガッシリとした造り。落ち着きがあって寄り添うように甘えてくるような性格ゆえに放牧地でも泰然として構えており、動き出すと一歩一歩を踏みしめるような力強さで迫力のランニングフォームを見せてくれている。父にキタサンを迎えて守備範囲は広そうだが、現時点ではダートのマイルから中距離のイメージ。半兄ヘリオスのように重賞の舞台における華々しい活躍を期待したい。
◇最新近況(2024/10/22):北海道・浦河の桑田牧場在厩。日に17時間ほどの夜間放牧で管理されています。
「親仔3組での放牧中。生まれてすぐの頃は人への警戒心から母馬の陰に隠れている様子でしたが、ひとたび慣れると馬のほうからそっと寄り添ってくれるようになりました。大人しい性格で少し控え目なところがあったものの、他の当歳馬たちと過ごす時間が増えたおかげでしょうか、今は活発に動き回る姿を見せてくれていますよ。冷静で落ち着きがあり、周囲をよく観察している感じです」(桑田代表)
◇最新写真(2024/10/22更新:桑田牧場)
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今朝ほどキタサンブラック牝馬のパドックシアトル’23を取り上げましたが、24年産にもアンジュシュエット’24というキタサンブラック牝馬がいるんですよね。いやホント、スターオーストラル’23はすでに満口ではありますが、同時期にキタサン牝馬を3頭も揃えるなんて、一体、広尾さんはどうしてしまったのでしょうか??
と何となく書いてみましたが、冷静に考えると、24年産はイクイノックスの大覚醒後に種付された世代なワケで、つまり、24、25年産以降はキタサンブラック産駒のレベルがさらに一段上がっている可能性すらあるんですよね。(思い出すと今でも口惜しいですが、パンサラッサを差し切ったあの天皇賞・秋が2022年の10月でした…(^^;))
うーむ。。もしもそうだとしたら、キタサン牝馬シリーズの本命はスターオーストラル’23でもパドックシアトル’23でもなく、24年産のこの馬ではないのかと…。いやいや、現実がそんなに簡単な話なら苦労はないのでありまして、出資を検討するにあたっては、やはり馬ごとにアレコレ悩まないと決められません。(あくまで私の場合は…ですけれど)
では、本馬についての印象は?と言いますと、5月生まれの当歳なので、写真や動画での見た目は本当に可愛らしい仔馬そのもの。。逆に言えば、これで競馬が強いかどうかなんて、全然わからないのが正直なところです。ただ、当歳ながらもフレームの綺麗さ、品のある顔立ち、リズミカルにまっすぐ歩く姿など、総合的なレベルの高さは感じさせてくれますよね。
ちなみに重賞常連のヘリオス(父オルフェーヴル)を筆頭に、アンジュシュエットには6頭の兄姉がいるわけですが、正直、(全姉レヴィーアキングを含めて)ヘリオス以外に目覚ましい活躍をしている馬はまだ出ていません。
ただし、これから競争生活を本格化させるホウオウアンジュ(牡2歳、2戦0勝、3着2回)や一歳上の全兄の活躍次第でアンジュシュエットの評価はガラッと変わりそうですし、もしかしたら現時点での5700万円はすごくお買い得な可能性もありますからね。(実際、ホウオウアンジュはセレクトで5500万円、一歳上の兄は同じくセレクトで6820万円と、なかなかの評価を受けています)
血統面については竹内さんの血統診断と合田さんの解説にお任せするとして、あえて気になるところを挙げるとしたら、『友道康夫厩舎ってどうなんでしょうね?』という部分はあるんですよね。
いや、友道厩舎が超有名なのは知ってはいますが、広尾TCにはほとんどなじみがない厩舎ですし、必然的に私もまったくお世話になったことがありません。おそらく桑田牧場さんのラインで友道厩舎入りが決まっていたのだと思いますが、広尾にとって友道厩舎がどういう存在になり得るのか、もしも分かる方がいたら聞いてみたいくらいです(^^;)
合田直弘のWorld Standard! 広尾サラブレッド俱楽部 11月募集馬解説!
さて、どうしますかね。。
個人的にはキタサン牝馬をコレクションする気はないのですが、かと言って全部スルーするというのも大人げない(?)かなと。。スターオーストラル’23はもう満口なので仕方がないとして、キタサンブラック牝馬を試してみるという意味では、パドックシアトル’23かアンジュシュエット’24のどちらかを選ぶ…という作戦はあっても良い気はしています。
いやホント、いろいろな切り口のお悩みポイントがあって困ってしまいますねぇm(_ _)m
パドックシアトル’23
成功の運命を握る亜国の血、人気種牡馬の情熱が限界を突破する。
◇牝1歳 黒鹿毛 2023.03.13生 浦河産
◇父:キタサンブラック 母:パドックシアトル (母の父:Seattle Fitz)
◇美浦・蛯名正義厩舎予定
◇販売総額 7,200万円 / 総口数 3000口
◇プラスビタールスピード遺伝子:CC
◇Point!:2024年北海道セレクションセールにおいて多くのバイヤーから熱視線を集めた魅力たっぷりの募集本馬。ミドルサイズで肉付きが良く、バランスに優れた体つきをしており、性格は人に対して従順で手が掛からず扱いやすいタイプ。キビキビとしたアクションや身のこなしの柔らかい走りなど、良質なキタサンブラック産駒の特長が随所に表現されている。基本的には芝向きと見ているが、成長とともにパワーがついてくればダートもこなせそう。その性格の良さから距離の融通も利きそうで、活躍の場は幅広く、是が非でもクラシック戦線を歩ませたい一頭だ。
◇最新近況(2024/10/22):北海道・浦河のシュウジデイファーム在厩。週6日の騎乗運動が行われています。馬体重426kg、体高156cm、胸囲176cm、管囲19.5cm(10月上旬測定)
「たまにスイッチが入って元気が良すぎるところを見せますが、基本的には扱いやすく、初期馴致も問題なく終了。普段は場内にてハッキング、加えてBTC(軽種馬育成調教センター)にも通い始めており、屋内ダートトラックにて軽いキャンター3600mのメニューも取り入れています。すべてを順調にこなしてくれていますので、近いうちに坂路も併用して調教を進めていく予定です。多くの活躍馬を輩出するキタサンブラックの産駒ですからね。当然のこと期待は大きいです」(石川代表)
※本募集馬は倶楽部ポイントを利用しての出資申込はできません。
※本募集馬は新規入会・ステップアップ特典は利用できません。
◇最新写真(2024/10/18更新:シュウジデイファーム)
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先週は秋の追加募集馬のうち、外国産馬3頭についての感想を書きました。残る3頭はパドックシアトル’23、サダムノンノ’24、アンジュシュエット’24で、いずれも内国産の牝馬です。
今回はその中からパドックシアトル’23を取り上げますが、最初に書いてしまいますと、これまで広尾TCから募集されたセレクションセール出身馬って、正直、あまり結果が伴っていないという。。直近で言えば、エピファネイア牝馬で本馬と同じ蛯名厩舎だったピークブルームなども、結局未勝利のままファンド終了してしまいましたし…(^^;)
しかしですね、『広尾のセレクションセール馬は走らない』みたいな話は(母数が少なすぎて)科学的、統計的に説明するのが難しく、結局のところ個々の馬ごとに判断していくしかないんですよね( ・`ー・')キリッ
そう割り切ったうえで、改めてパドックシアトル’23を眺めてみると、これがやっぱりなかなか良いんじゃないのかなと。。実はこの馬、9月末の見学ツアー時にシュウジデイファームで見かけた気がするのですが、あの馬がそうだとすると、写真の印象以上にしっかりしていて、いかにもこれから良い筋肉が乗ってきそうな雰囲気がありました。
この世代には、スターオーストラル’23というキタサンブラック牝馬もいますが、馬体の印象だけで言えば、私はパドックシアトル’23の方が好みです。(尾関先生には再々申し訳ないものの、正直な感想なのでm(_ _)m)
まあ、スターオーストラル’23はすでに満口なので、現状で比較をするならパーフェクトラヴ’23、ストームハート’23、エレナレジーナ’23、エンパイアブルー’23といった牝馬たちが対象になりますが、その中に入っても、全く引けを取らない以上に目立つ一頭なのではと思います。ただですね、パドックシアトル’23は今名前を挙げた馬たちとはお値段がだいぶ違いますので…。
ちなみにこの馬は『倶楽部ポイントを利用しての出資申込み』『新規入会・ステップアップ特典』の対象外になっています。そのお陰で税抜5200万円で落札して7200万円で募集という、ピークブルームなどよりだいぶお得なお値段設定になっていますので、クラブの皆さんもいろいろ考えてくれているんだな…と感じたことは付け加えておきます。
あ、それが本当にお買い得なのかどうかは、あくまで個々人でご判断頂ければ。。ただ、ポイントでの出資と新規・ステップアップ特典を制限するだけでこんなに安くなるなら、今後のセール購入馬は全部それでOK…とか思ってしまいました(^^ゞ
それから、母パドックシアトルについては合田さんの解説に詳しく書かれているので参考に…
合田直弘のWorld Standard! 広尾サラブレッド俱楽部 11月募集馬解説!
うーむ。。合田さんの解説はさて置いて、竹内さんの血統診断にもあるように、アルゼンチン血統にキタサンブラックというのはひとつの成功パターンと言えなくもない…。ですが、本馬の場合はアルゼンチンどうこうよりもSeattle SlewやGulchといったところが利いてきそうですし、遺伝子型がCCであることも含めると、募集のポイントに書かれている『クラシウック云々』ではなく、意外にダートの短いところが主戦場になるかもしれません。
ということで、そんなこんなも考えつつ、あと数日間、あくまで沈着冷静に考えてみたいと思いますm(_ _)m