飛鉋の技法は、轆轤の回転力を利用し、専用の鉋を使い斑点状の削り痕を残す方法です。
色化粧土の塗り具合、作品の乾燥度合い、轆轤の回転方向、轆轤の回転速度、鉋の弾力性と
刃の形状、鉋を押し当てる力の強弱、作品と刃の向き合う角度、鉋の持ち方と持つ手の移動方向と
移動速度などの要素が、作品の良し悪しに関係してきます。
飛鉋の実作業時間は、ほんの数秒で終わってしまいますので、取り掛かる際には事前に構想を
練っておく事が大切です。
4) 飛鉋(とびかんな)模様の付け方。(前回の続きです)
) く いちがい線文: 斜め文が「くの字」と「逆くの字」のジクザクに縦方向に連なる様に、
付けられた鉋痕になります。 鉋の刃は四角い物を使います。
a) 先ず、鉋を一定の高さを保持して、上が右側下が左側に成る様な斜めに削ります。
完全に1週で終わらせる事は困難ですから、一部文様が重複します。
b) 逆方向の斜めの削りを入れるスペースを残し、その下をa)と同様に削ります。
同様に隙間を空けて、次々と斜めの線を入れ、最下段まで行きます。
c) 上が左側下が右側に成るような斜めの線を、上記隙間に入れて行きます。
鉋の刃の角度は、a)とは90度回転させた方向に成ります。
全体の模様は「くの字」と「逆くの字」が、交互に連続した文様となります。
d) バリエイションとして、「くの字」と「逆くの字」の間に、横線を入れ全体を引き締める方法も
有ります。この場合の鉋は普通の鉋を使います。
) 三角点文: 点状の三角文様は、轆轤が左回転であれば、三角形を寝かせた形になります。
即ち、三角の左側を頂点として略二等辺三角形で、右側が底辺となります。
刃の角度を変化する事で、直角三角形の様な模様にする事も出来ます。
刃の角度を一定に保つ方が、模様が整然として見栄えがします。
a) 四角い刃の飛鉋を用い、刃の角のみが作品当たる様に、刃を傾けて使います。
b) 刃の接触面積が小さいので、抵抗が少なくなります。それ故、鉋を長めに持ち弱い力が
刃に掛かる様にします。強い力が掛かると、穴が深くなり、鉋が轆轤に持っていかれます。
c) 刃を押し付ける力の強弱により、三角形の大きさと深さが変化します。
d) 袋物なら肩から腰へと移動させ、皿類であれば中心より外側へと刃先を移動させます。
この三角文を器全体又は、一部に施します。
) 渡り鳥文: 交差線文の線を太くした文様で、鳥が群れて飛ぶ感じの文様です。
この群れて飛ぶ状態を、渡り鳥が移動する文様に見立てた名称です。
a) 丸い刃 のやや角部分を使い、作品に強 く押し付け、削り痕を幅広にします。
b) 鉋の刃をやや斜めにして、上から下へ角度は保持したまま斜め文を入れます。
次に、この斜め文と直角方向に、新たな鉋痕をつけ交差させます。
c) 刃の角度と刃を押し当てる力により、細かい文様から太くて力強い文様にする事が
出来ます。
以上にて、飛鉋の話を終わります。