数種類の色土を適度に練りこむ方法に、マーブル(大理石)模様があります。
主に手捻りの場合が多いのですが、轆轤(手回し、電動)でもできます。又、手捻りと轆轤との併用も
可能です。
マーブル模様には、偶然に出来る模様を器などに加工する方法と、意図的にマーブル模様を作り、
作品に仕上げる方法がありうます。一般にマーブル模様を作るのは、前者の場合が多いです。
1) 偶然によるマーブル模様。
① 色土を作り、練り合わせる。
) 2種類以上の色土を作る場合、同じ土を元にして着色剤で色付けする事が理想的です。
土の種類が異なれば、土の収縮率が若干異なり、合わせ目に亀裂が発生し易いです。
) 着色剤を混入させた土は、色の種類によっては、どの色か判別できない場合も多いです。
即ち、着色剤の多くは1180~1250℃位で所定の色に発色する様に調整されていますので
生や素焼きの状態では色が出ず、判別不能に成り易いです。
それ故、生の状態で模様を確認したい場合には、濃淡や明暗に差のある色を選ぶ事です。
) 練り合わせる前に、各色土の塊の軟らかさを、均一にしておく事が大切です。
(乾燥度合いを揃える事)。 但し、作品の大きさに応じて、色数を決めた方が良いでしょう。
小さな作品では色数が多いと、スッキリせず「うるさい」感じに成り易いです。
尚、色数は組み合わせる色の種類にも関係しますので、適宜色数を選ぶ事です。
) 各々の色土の量を調整する。一般に等量の色土を使う事は少なく、一方が多く他方が少ない
方が、良いマーブル模様になります。模様にもよりますが、2~4:8~6が良い様です。
) 練る方法は以下の通りです。
練り合わせる前に各々の色土は良く練り、空気を抜いておきます。
a) 各色土を模様にしたい状態に、くっつけていきます。くっつける順序の違いや、くっつける
位置によっても、その後の紋様が変化します。
b) 手で握り締め、各色土の間に空気が入り込まない様にしたり、テーブルに叩き付けたり
して接合部の空気を抜きます。空気が入っていたり、乾燥度合いの異なる土を使うと、
その部分に「ひびや割れ」が発生します。
c) 他の方法に、色土を順番に重ね合わせるやり方があります。
この場合も、積み重ねる土の量に変化をもたせます。重ねたら軽く真上より叩き密着
させます。 この際、水は使いません。使うと色土同士が密着しません。
d) 全体を菊練する。
菊練する事によって混ざり合いますが、菊練の回数は5~6回程度にします。
練る回数が多くなるに従い、マーブル模様は細かくなります。
菊練した土は砲丸型に丸め、真上から真下に糸で二等分します。表面上はほとんど模様に
なっていませんが、切り口は綺麗な簿様になっているはずです。又四等分すれば、各々の
切り口は異なるマーブル模様になっています。
② 作品を作る。
) 綺麗な模様の面を使う。
偶然によるマーブル模様には、同じ模様の物はありません。それ故、気に入った部分が
表面や内側(又は外側)に成るように丸めたり伸ばしたりする必要があります。
a) タタラ板から作品を作る場合、上面に綺麗な文様がくる様にします。裏表とも綺麗な
文様を出したいときには、土を更にスライスし、背中同士をくっつければ、両面マーブル
模様に成ります。
b) 手轆轤を使って作る場合には、玉造り(塊造り)が向いています。
即ち、模様が連続します。紐造りですと、繋ぎ目で模様が途切れます。
但し、土を足すと言う行為は、模様が途切れますので出来ません。但し、マーブル模様を
一部分のみに留める場合には有効な方法です。
) 電動轆轤を使う方法。
以下次回に続きます。