3) 窖窯で備前を焼く。
一般に備前焼は登窯で焼成します。 窖窯で焼成すると、登窯とは違った面白さが出ると
言われています。
① 信楽の土と備前の土では焼成の温度が異なります。備前の土の焼成の場合の一例を、
以下に示します。
a) あぶり: 5~10℃/時間の温度上昇に抑えます。
b) 400℃程度からは、30℃/時間の割合で温度を上昇させ1000℃までに、約24時間
かけます。
c) 最高温度を1130℃程度になる様に抑え、数時間焚きます。
d) 焚き上げまでに、4~5日が目安です。
最後に強還元を掛けると、面白みのある作品になるそうです。
e) 温度上昇が早いと、表面が膨れてくると言われています。又、最高温度も他の土より低め
にします。それだけ、温度に対して弱い土と言えます。
4) 貸し窯(レンタル窯) 窖窯(薪窯)について。
ネット上に貸し窯の情報が数件掲載されています。(勿論それ以外で探す事も可能です。)
・ 単に、窖窯(薪窯)で作品を焼いてくれる所から、自分達で泊り込みで、窯詰めから焼成、窯出し
まで全てを行う事が出来る貸し窯まで多彩です。
興味があれば、貸し窯 レンタル窯 窖窯 薪窯などで「検索」して下さい。
国内の広い範囲に有りますので、都合の良い窯を選ぶ事もできます。
(勿論、予約制で半年~3ヵ月程度前までに、予約を取る必要があります。)
・ 窯の大きさ(作品の数)や、窯詰め、焼成などの指導の有無、焼成日数(必要な全日数)、休憩所
又は泊る場所(宿など)、おおよその費用(貸し窯代、薪代、指導代、その他の費用)を知る事が
出来ます。窯を借りられる日数にも制限があり、それをオーバーすると追加料金を取られる所も
ありますので、窯を借りる前にしっかり予定を立てておく必要があります。
・ 容量の違う窯も有りますので、身の丈に有った窯を選ぶ事が出来ます。
薪の調達等も貸して側で手配してくれますので、作品を持ち込む以外は、余り準備は
いりません。但し、何かと人手が必要ですから、人数は多い方が良いでしょう。
初めて薪窯を焚く場合には、指導付きの窯(若干費用が高くなりますが)の方が安心です。
尚、貸し窯の場合、ある程度の知識があれば、温度が上昇し無い等の失敗は少ない様です。
・ ちなみに、ネットで見ると、2立方米の容量の窯で40万円(指導量込み)とありました。
松の薪が一束800~1000円程度で、200束程度必要との事ですが、(勿論窯の焚き方に
よって大きく変化します。) あぶりを灯油など他の燃料を使えば、かなり薪の数を減らす事が
可能との事です。
◎ 薪窯での焼成は、電気や灯油、ガスなど他の燃料とは、まったく焼き上がりが違いますので、
興味のあ方は、グループで挑戦するのも良いのではないでしょうか。
次回(辻村史朗氏)に続きます。