わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

化粧土と色土37 色土の技法1 鳴海織部1

2013-11-15 21:46:03 | 陶芸入門(初級、中級編)

色土を使った技法は色々ありますが、ここでは2色以上の土を使った作品の作り方をお話します。

但し、色土を使う技法は、無駄になる土が多くなるのが欠点です。

1) 鳴海(なるみ)織部。

  白土と赤土をはぎ合わせ(接合)て作る方法に、美濃(岐阜県)の鳴海織部があります。

  手付き鉢や向付、茶碗などが代表的な作品です。

 ① 鳴海織部の特徴。

  a) 接合した赤土部分には筆などを使い、白化粧土(白絵土)で紋様を描き、その上に鬼板などで

   鉄絵を施します。白土部分には青織部釉を掛け、酸化焼成する事で緑色に発色させますので、

   華やかな器となります。

  b) 美濃では、木節粘土に五斗蒔(ごとまき)土を混ぜて織部用の土を作るとの事です。

    赤土と白土の割合は、半々又はやや赤土の方が少ない程度です。

    赤と白土を重ね合わせてしっかり叩き伸ばし、タタラにしますので、接着面は強固になります。

  c) 作品は素焼きした土型、又は石膏型を用いたタタラ作りです。

    土型は壊れ易いですが、補修も簡単にできます。壊れた場合には、接着剤で直す事も出来ます

    但し、昔より、生の状態(素焼きをしない、天日干し)の型も多く使われています。

    生の状態の方が柔らかい線が出るそうで、現在でも、好んで使う人も多い様です。

    作品に応じて、大小数種類の型を作っておきます。

 ② 鳴海織部の手付鉢の作り方。

  ) 赤白の土を密着させタタラを作る。

   a) 良く菊練りした赤土と白土をほぼ等量用意し、凹凸の無い様に丸めます。

     この二種類の土を叩き付け、お正月の鏡餅の様に、上下に二段重ねします。

     上から拳(こぶし)で中心から外側に叩き、空気を外に逃がしながら、更に密着させます。

   b) 土を垂直に立てて、赤白が手前と向こう側に成る様にします。

      この状態で真上から拳で土を叩き伸ばします。叩く事で密着度を上げ、「割れやひび」の

      発生を少なくします。伸ばす面積は、型よりやや大きくする事です。 

      赤土と白土は境界線でしっかり分かれる様にします。

   c) タタラを作る。

      上記叩いた状態では、表面が凸凹ですので、タタラ板を用いて、均等な肉厚に成る様に

      糸で切り取ります。表面をヘラ等で撫ぜ滑らかにします。 タタラの厚みは作品の大きさに

      より6~8mm程度にします。

  ) タタラを型に押し当てる。

   a) 型を手轆轤の上にセットし、水で濡らし硬く絞った蚊帳を型の上に被せます。その際蚊帳に

     皺が寄らない様に注意します。蚊帳以外に木綿の布を使う事もあります。

     これらの布類は、型離れを良くする為のものですが、布目が器に残る事も想定しています。

   b) タタラを型の上に載せる。

     赤白土の境界線が、型の中央部に来る様にタタラを型に載せます。赤白の中央線をどの様に

     配置するかによっても、作品の表情が変化しますので、十分効果を考えて載せる事です。

   c) タタラを型に合わせて切り取る。

     タタラは型よりも大きく取っている為、大き過ぎる部分は型に土を沿わせる際、余ってしまい

     拠れ(ギャザー)が出来て作業がし難いです。 そこで余分の土は弓を用いて切り取ります。

   d) 型にタタラを押し込み、角に土を盛る。

     型に沿わせる様に土を押し当てると、自然と土は薄く伸びます。特に角部は大きく伸びて

     肉が薄くなり易いですので、土を押し上げる様にして、土を押し込み肉厚に成る様にします。

     但し、このような作業でも角部は必要な肉厚になりません。そこで全ての角部に同じ色の土を

     外側より付ける必要があります。付けた部分は指で良く均しておきます。

    ・ 型に沿わせる際、蚊帳などの布が拠れてタタラに傷が付きますので、布を外側に引っ張り

       ながら、作業する必要があります。

    ) 型より外す。

以下次回に続きます。

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化粧土と色土36 色土を作る2

2013-11-14 22:16:27 | 陶芸入門(初級、中級編)

3) 色土を自作する。      

 ② 金属材料等を着色剤として使用する。  

   着色剤とは呼ばれない一般的な金属の中にも、土に色を付ける物も多く存在します。

   代表的な物が弁柄(酸化第二鉄)で、含有量により明るい褐色から黒に近い褐色にする事が出来

   ます。酸化コバルト(各種呉須)も少量で、青又は紺色に発色させる事ができます。

   酸化銅や酸化クロムは、添加量によって、深緑や草緑、褐色掛かった緑などの色になります。

   酸化チタンは黄色に、酸化ウランは紫色になります。色釉に添加する場合と同じ様に発色します

 ・ 但し、金属類を使用した場合、滲み(にじみ)易くなりますので、単独で使用する分には良いの

   ですが、他の色土と併用する場合注意が必要です。特に酸化銅は顕著で、還元焼成すると赤く

   変化しますので、注意して下さい。 当然、どの様な土に添加するかによって、発色の仕方は

   変化します。

 ③ 混ぜ合わせて、中間色を作る。   

   市販の多くの着色剤で作った色土は、お互い混ぜる事が可能です。混ぜた色はその中間色に

   なりますので、基本的な三原色(赤、青、黄)粘土を作り、適度に混ぜ合わせる事で、緑色や

   紫色を作る事もできます。

 ④ 色粘土の制作方法。

  ) 元になる土を選ぶ。各種の色土を使い作品を作る場合には、鉄分を含まない、白い粘土

     一種類を選びます。同じ土を使う事で、異なる色の着色剤を添加し、成形又は乾燥、焼成で

     起こる「割れやひび」の危険を少なくします。

  ) 土の量を測る。着色剤を加えたからと言って、元の体積はほとんど変わらないと思って

     下さい。又、着色剤の量を計測しながら、添加したとしても常に同じ発色になる訳ではありま

     せん。それ故、必要量より多目に作っおき追加が無い様に準備する事が大事です。

  ) 着色剤の量を計測する。

      1g単位以下で計測可能な秤(はかり)が有れば良いのですが、最悪5g単位程度が測れる

      秤が必要です。着色剤の種類や濃淡など予め決めておき、色別に計測します。

      計測後、やや広めの皿に移します。

  ) 粉末状の着色原料を霧吹きなどで、霧を吹き濡らします。その際、水分は控えめにし、原料が

      「ベタツク」事の無い程度の軟らかさにします。

     次に良く掻き混ぜ、「だま」が無い様にし、均一な軟らかさにします。

  ) 粘土に着色原料を混ぜる。

    a) 粘土全体を上記皿に押し当て、着色剤を土に付けます。

      その際、土は若干軟らかい方が良くくっつきます。

      その後に、全体を菊練して濃度を調整します。粘土の量が1kgと多くなると、一度に均一の

      濃度にする事は難しくなりますので、時間が掛かっても次のb)の方法で行う事を薦めます。

    b) 他の方法に、粘土を細かく千切り、その土を上記皿の中の着色剤に押し当て、くっつけ、

      更に、指で土を捏ね(こね)て、次々と土を積み上げます。全ての土に着色剤を付けたら、

      全体を一塊にしてから、良く菊練りを施し均一の色付けにします。練った粘土を適当な位置で

      切断し、切り口で混ざり具合を確認します。

    c) 着色した土には、色名を書いたメモを付けて下さい。

      着色したからと言って、見た目で直ぐに何色であるかを判断する事は難しいです。

      即ち、どの色も似たり寄ったりの色土になりますので、注意書き(メモ)が無ければ判断

      出来ない場合も珍しくありません。特に着色剤の混合が少ない場合は判別不能になります。

   ) 色土を混ぜ合わせて中間色を作る。

      ピンクの土は、赤い土(赤土ではない)と白土を混ぜ合わせて作る事ができます。

      緑色の土は、、黄色と青の色土を混ぜ合わせる事で得られます。

      完全に混じる様に、菊練を繰り返し、時々糸で二等分してその切り口を見、均一に混ざって

      いる事を確認します。

以下次回に続きます。

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化粧土と色土35 色土を作る1

2013-11-13 21:17:07 | 陶芸入門(初級、中級編)

1) 天然の色付き粘土。

  磁土を除く土には色が付いた物の方が多く、白い土はむしろ少ないです。

  志野土や古信楽など限られた土は白いのですが、その他は有ったとしても少量です。

  多いのは鉄分を含む赤土類で、焼き上がると褐色から黒色になります。

  その他に黄色い土や黒色、グレー色の土などがあります。注意する事は、生の状態と焼き上

  がった色が異なる事です。黄色は少ない鉄分を含む為、赤褐色になり、黒色やグレーでは白っぽく

  焼きがる事が多いです。(試し焼きで確かめる事です。)

 ① 色の付いた粘土を単味で使う場合には、焼成温度さえ把握していれば、ほとんど問題なく、

   作品を作る事が可能です。

 ② 他の色の土と併用する場合は、均一に混ぜ合わせて使う分には問題なく使えます。

    問題に成るのは、練り込みの様に完全に混ぜ合わせずに使う場合です。

    土の種類によって、収縮率が異なる為に、接合部分に「ひびや割れ」を起こし易いです。

2) 市販されている色土。

   カラー粘土、彩粘土などの名前で市販されています。普通の粘土と同等に作陶できます。

    ・ 注意: カラー粘土と呼ばれる物には、樹脂粘土や紙粘土などがあり、一般に陶芸用と

          呼ばれる粘土と異なる物もありますので、必ず陶芸用を購入して下さい。

   ① 色の種類も多い。

      白、黒、グレー、黄(山吹色)、緑、コバルト青、トルコ青、茶、こげ茶、灰色、桃色(ピンク)、

      紫、朱泥(赤褐色)などが、1kg単位で市販されています。

   ② 色粘土同士を併用して使えます。同じ銘柄(メーカー)ならば、混ぜ合わせて使う事も可能で

     色粘土の上に、色の滲み(にじみ)の無い下絵付けする事もできます。

     基本的には、透明釉を掛けて酸化焼成します。

3) 色土を自作する。      

   化粧土と色土は両方とも、土に顔料や着色剤を用いて、色を付けたものですが、その用途も

   異なります。化粧土は表面に塗って使います。その為、水を含んだ泥状態(泥漿)にして使います

   一方色土は土そのものに色を付けますので、表面だけでなく、内部まで着色され、普通の土と

   同様の硬さで、他の色の異なる土と一緒に使います。当然、取り扱う技法も異なります。

 ① 市販の練り込み用の着色剤。

   自前の粘土に着色剤を混入させ色粘土を作ります。鮮明な色を出すには、白っぽく明るい土に

   混ぜ込みます。100g、500g、1kg単位の粉末で購入できます。

  ) 色の種類。

     黒、チタン黄、コバルト青、トルコ青、クローム緑、陶試紅(とうしこう=ピンク)、チョコレート、

     グレー、ねずみ色、オレンジ、紫、瑠璃色、空色(水色)、こげ茶、赤茶、セピア色、緑

     (薄緑、渋緑、常緑)など豊富にあります。

  ) 着色剤の配合。

     一般的な信楽の水簸(すいひ)粘土に、外割りで5~20%の着色剤を加えます。

     加える量によって色が濃くなりますが、より鮮明な色にするには、黒やピンクで10~20%

     程度が必要です。黄色や青(トルコ、コバルト)、緑色では5~10%程度です。

     信楽の水簸粘土より、半磁器土や志野などの白い土では、上記より少ない量で十分です。

  ) 釉を掛けずに焼成する事も出来ますが、一般には透明釉や透明マット釉等の透明系の釉を

     掛けます。釉を薄く掛けると透明釉に近い釉も有りますので、その様な釉を掛ける事もでき

     ます。尚、焼成温度は1200~1250℃で発色します。素焼き程度の温度では、ほとんど発色

     しません。即ち練り込み作品なども素焼きでは、はっきりした模様を確認する事が困難です。

 ② 金属材料等を着色剤として使用する。

以下次回に続きます。

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化粧土と色土34 化粧土を用いた技法6 布目、彩延、その他

2013-11-12 21:15:53 | 陶芸入門(初級、中級編)

化粧土特に白化粧土は色の付いた素地の表面を覆う事で、見栄えを良くする目的で行われる様に

成りました。その他、素地を白くする事で、絵を施すと絵の具の色がより明るく鮮明になりますので、

絵を描く際に積極的に行われています。下絵又は上絵であっても状況は一緒です。

その際、塗った痕が残らない粉引きの技法が理想的なのですが、作品を壊す恐れがあります。

そこで白土を刷毛で塗るとより安全なのですが、刷毛目が出てしまう欠点があります。

(素焼き後に粉引き行う方法もありますが、素地との一体感に欠け、出来上がりを好まない人も多い

様です。)

1) 布目(蚊帳目)の技法。

   刷毛目を消す方法と共に、素地の表面に布目を付ける事で変化が出、その上に描く絵も落ち

   着いた感じになります。

   その方法については、当ブログ(2012-03-11)の現代陶芸69伊藤東彦(いとう

   もとひこ)氏:1939年(昭和14) ~で取り上げていますので参考にして下さい。

  ・ 要約すると、素焼きした素地に強く絞った濡らした蚊帳を張り、その上から白化粧土を塗り、

   乾燥後に蚊帳を外します。白地に蚊帳目の痕が残ります。この状態で更に素焼き後に絵付け

   する方法です。透明釉を掛けて焼成します。(酸化焼成が良い)

2) 型紙の模様を写す方法。(吹き墨の技法と同様の方法です。)

   素地の上に型紙を置き、その上から化粧土を刷毛塗りする方法です。この方法は、型紙部分に

   化粧土を塗る方法と、化粧土を塗らない方法があります。

  ① 化粧土を塗らない方法は、型紙をそのまま置いて上から化粧土を塗れば、型紙部分が塗れ

    ません。 型紙内に切り抜き部分があれば、その部分には化粧土が残ります。

  ② 化粧土を塗る方法は、紙面の中に模様をくり貫く方法で、くり貫いた部分に化粧土が残ります

     模様内に細かい模様を付け加えるには、細かい型紙を置くよりも筆で描いた方が確実です。

3) 彩延(さいえん)技法について。 尚、彩延とは色を付けた土を言います。

    (実際の漢字は「土偏に延の字」で、良く練った土を表します。)

   楠部彌弌(くすべやいち)氏 1897‐1984(明治30‐昭和59)が開発した独自の技法です。

   磁器土の素地に、色磁土を泥漿(でいしょう)した化粧土で、草花や果実等の文様を描く方法です

   薄く色を付けた磁土を、漆塗りの如く何度も塗っては乾かし、塗っては乾かしを繰り返し、文様を

   盛り上げて仕上げる技法です。尚、楠部彌弌氏は1978年文化勲章を受章しています。

最後に、化粧土を使う方法では、色々問題が起こり易いです。しかし、化粧土を使う事で新たな表現の

仕方が出来る可能性を秘めています。問題を克服して新たな装飾方法を見つけて下さい。

以上で化粧土の話を終わります。次回より色土に付いてお話します。

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化粧土と色土33 化粧土を用いた技法5 三島3

2013-11-11 22:04:52 | 陶芸入門(初級、中級編)

 三島に使う印(判子)は、基本的には印面が凸状の物を使います。凹状の場合には、印の外側の

痕が付いてしまいます。即ち丸い印なら丸い凹みの中に、模様が浮き上がる事になります。

この状態で化粧土を掛けると、模様の周囲には化粧土が厚く掛、模様部分には、化粧土が薄く掛り

ますので、模様の印象が変化します。 前回の話を続けます。

 ③ 連珠文の場合、連珠文とは、ドーナツ状の小さな丸が数個連続した模様です。

   やや太めの丸い紐を作り、5~6cm程度の長さに切ります。

   先端部分を指で平たく潰し、更に端面をカットして綺麗な面に仕上げます。1~2分乾燥後に

   ドリルの刃や竹串を使い、必要な数の丸い穴を、一直線状に彫ります。穴の深さは3mm程度で

   十分です。 穴の周りの土を厚みを揃えて残し、他は取り除きます。

 ④ ロール印を作る。

   陶土製や木製の円の外側に模様を彫り込み、回転させながら連続模様を捺印する道具です。

   ロールの中央に孔を開け、「L字型」の太い針金や棒を作り、短い方を孔の芯に差し込んで

   ロールを回転させると使い易いです。長い方は手で握る部分で、ロールを下に押す様にして

   回転(ころがす)させます。   

   ロール印の特徴は以下の如くです。

   ) 一度に広い面積に捺印できる事です。円の外形を大きくすれば、それだけ多くの文様

      (長い文様)が彫れますし、円柱の長さを長く取る事で更に文様の幅を広げる事が出来ます

       特に平たい面の多い陶板等の模様付けに向いています。

   ) 回転体の為に模様が循環して繰り返します。判子の様な個々に切れ目が付きません。

   ) ロール印に広い範囲の模様を彫り込む事は、意外と手間隙が掛ます。そこで小さな部品

      (パーツ)を貼りあわせる事で大きな文様を作る事が出来ます。

    ) 欠点として、広い面積を押しますので、力が分散して綺麗な印とならない事です。

       更に、幅の広い回転体を均一の力で、押す事は意外と難しい作業になります。

       それ故、比較的柔らか作品に捺印する事ですが、作品の形が崩れ無い程度の乾燥は

       必要です。

   ・ 陶製のロール印は、素焼き後に使用します。作品には片栗粉を塗り、型離れを良くします。

 ⑤ 特別な物でなく、日常的に使っている物も印として使う事が出来ます。

   例えば、釘の頭は小さな丸い凹みを付ける事が出来ます。ネジの頭は丸に十の模様になり、

   六角ナットも正六角の中央に凸の文様に成ります。又割り箸の先を三角形に削れば鱗紋にする

   事も出来ます。細いプラスチックなどのパイプ(管)で、連珠紋に捺す事もできます。

   持てる程厚みの無い物でも、棒の先に接着すれば、棒を持って印を押す事も可能です。

   この様な文様は従来ある文様とは異なりますので、斬新な文様を作り出す事が出来る

   かも知れません。身近な物で役立つ物は結構多いはずです。

 ⑥ 化粧掛けした後の処理。

   捺印した後、化粧土を塗り込めますが、この化粧土の処理の仕方によって三島模様の効果が

   変化します。

   ) 化粧掛けしたあと、一般には化粧土をスポンジ等で拭き取ります。凹みのある部分には、

      化粧土が残り、それ以外では拭き取る事になります。完全に拭き取る事は難しく、若干

      残ってしまいます。注意点は、凹みが浅い場合には、凹みの部分の化粧土を拭き取って

      しまいますので、スポンジを強く押し付けない事です。

   ) 凹み以外に化粧土を付けたくない場合には、マスキングを施して、凹み周辺のみに化粧土

      を塗るか、掻き落としの技法で削り取ります。

   ) 化粧土を施した後、捺印する方法もあります。

      水分を吸収する印(素焼き印など)であれば、化粧土を剥ぎ取る事に成ります。

      即ち、従来の三島のネガタイプ(捺印部が素地)と成ります。

   ) 三島では、捺印と線彫りを併用する方法も多いです。口縁近辺を線彫りし、中央部分に

      捺印するタイプが多い様です。

以上で三島に付いての話を終わります。 

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化粧土と色土32 化粧土を用いた技法5 三島2

2013-11-10 22:09:29 | 陶芸入門(初級、中級編)

粉青沙器(ふんせいさき)は、我が国の三島に相当する朝鮮の呼び名で、15~16世紀に朝鮮半島

南部の窯で焼成された焼き物です。(正式名は粉粧灰青沙器と言います。沙器とは陶磁器の事です)

灰色又は灰黒色の胎土に、肌理細かい白化粧を施し、 透明釉を掛けて焼た物です。

その技法は、捺印、彫り、象嵌、掻き出し、彫花などがあります。

菊紋や丸紋の細かい印花を捺す技法が特に著名で、16~17世紀に我が国より朝鮮に抹茶々碗

などの制作を依頼しています。その後その技法が我が国に伝わったのが三島手です。

三島とは主に捺印(印花)による白化粧掛けの象嵌模様を指します。

本日の本題に入ります。(前回の続き)

  ④ 印花の作業を行った直後に、化粧掛けを行います。時間を置くと化粧土の乗りが悪くなります

   ) 化粧土の濃度はやや濃い目の物を使います。

     濃度が薄いと、水分で印花の輪郭が崩れ易くなりますし、印花の模様も入り込む化粧土も

     濃くならず「はっきり」模様にはなりません。

   ) 化粧土は刷毛で軽く叩く様にして、印花の凹み部分にたっぷり入る様にします。

     こうする事により、印花の模様もくっきり出ます。

4) 印花を作る。

   市販されている既製の陶印もあります。種類も多いようですので、市販品を使うのも一つの

   手です。印には判子型の物と、ロール印の物があります。

     注:ロール印は、円盤状の周囲に模様を彫り込んだもので、円盤を回転させる事で、

       連続模様を作る事ができます。ロール印については後で述べます。

  ① 印花の模様。

    草花紋、菊花紋、連花紋、波紋、魚紋、渦巻き紋、連珠文、その他幾何学文様や抽象的な文様

    など色々あります。

 ② 丸印を作る。印材には木製、石膏製、粘土製などが一般的な物です。ここでは、作る事が容易な

    陶土を使う方法を述べます。

  ) 粘土を転がして丸い紐状にし、5~6cm程度の長さに切ます。

      大きな印花の場合には、紐の太さを太くし、細かい模様の場合には、細い紐にします。

  ) 両端に模様を彫る場合と片面のみの場合があります。いずれも端面を下にして、テーブル

    等に打ち付け、平らにします。平面でない印の場合には、凹又は凸面にします。

    凹面の印は。凸状の丸みのある面に捺し、凸面の印は、凹状の面に捺します。

   ・ 1~2分ドライヤーで乾燥させてから、剣先や彫刻刀などで模様を彫り込みます。

     印に彫り込んだ部分は、印を捺すと凸状に出っ張ります。

     若干乾燥させ試し捺ししながら、微調整を施します。但し素焼き前ですので、強く捺すと印面が

     「ダレ」ますので、相手は軟らかい土を使います。

   ・ 印の角を軽く削り取り(面取り)、角の破損を防ぎます。

   ・ 印に方向性がある場合には、上に成る部分に何らかの印を付けておきます。

     印は掴み易く、捺し易い形状にする必要があります。

 ② 角印の場合。上記丸い紐を横にして、テーブルに軽く叩き落とし、平面を作ります。90度回転

    させ同様に平面を作ります。更に90度回転させながら四面を平らにし、四角柱を作ります。

    正方形又は長方形にする事も出来ます。長手方向を下にして、テーブルに落とし、端面

    (印面)を平坦にします。 後は①と同様に模様を彫り込みます。

 ③ 連珠文の場合。

以下次回に続きます。

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化粧土と色土31 化粧土を用いた技法5 三島1

2013-11-09 17:18:33 | 陶芸入門(初級、中級編)

三島(みしま)は高麗青磁の流れを汲む技法で、一般には作品の表面に、印花文を施し、化粧土で

象嵌をする方法を言います。その他に、箆(へら)で文様を彫り込む彫三島や、釘(又は釘状の物)を

用いて模様を彫り込む、釘彫(くぎぼり)三島の技法もあります。

1) 三島の技法

  ① 三島を施す作品は皿類、壷類、茶碗類(抹茶々碗やご飯茶碗)、市販の土鍋など多彩です。

    特に、大皿など面積の大きな作品に向いています。

  ② 赤土交じりの土に印花を捺し、白化粧を施すと印花と地の色の対比が綺麗に見えます。

     即ち、印花部分は凹みで、地よりも白化粧が厚く掛り濃く発色し、浮き出てきます。

  ③ 作品はやや肉厚に作ります。

     細かい印花を連続r的に多数押し当て、凹みを作りますので、肉厚の方が印も深くはっきり

     捺す事が出来、器の変形も少なくなります。

2) 作業手順

  ① 一般に、轆轤挽きした作品を使います。勿論、手捻りでも可能ですが、表面が綺麗な面

    (平面、曲面)に成るのは、轆轤挽きが優れています。

  ② 印を捺すタイミングは粘土がやや乾燥し、素地の形が崩れない状態の時行います。

  ③ 印花文の輪郭がはっきり出す様に捺す。

     作業に取り掛かる前に、構想を練って置く必要があります。赤インクで当たりをつけます。

     印を捺す範囲、印の種類、印を捺す間隔、印以外の装飾を加えるか等を決めておきます。  

   ) 印の捺(お)し方。

      印を捺す前に、捺したい位置に片栗粉を刷毛で塗って、土離れを良くします。

      場合によっては、印面に片栗粉を付ける場合もあります。

     a) 平面の器等には、印面が平らの物を使います。壷の側面の様に、弱い凸状態の器には

       凹みのある印を使い、逆に凹みのある面(茶碗などの内側など)に捺印する為には、弱い

       凸状の印を使います。勿論、印の捺し方により、平面の印で代用する事も可能です。

     b) 印を器面に直角に押し当て、少し凹ませてから印の角が一周する様にやや力を入れて

       捺します。更に、中央に力を入れ直角に捺印します。 裏から手指で支える事で、力を

      入れる事ができます。印の深さが斜めの場合にも、綺麗な模様に成りません。

     c) 印面に方向性(上下関係など)が有る場合には、捺す方向を間違わない事です。

   ) 印花模様の見所は、印花の輪郭がはっきり出ている事と、印花の配置です。

      輪郭がはっきりしない原因は、印花の凹みが少ない事と、印花の角が崩れる事です。

     a) 凹みが少ない場合は、土が乾燥し過ぎた為か、捺す力の不足です。

        やや固くなった場合には、印は深く入りません。その場合、スポンジ等に水を含ませ

        器を濡らし、しばらく時間を置いてから行います。

        更に、印の捺し方が悪い時にも、深みが出ません。印の角をしっかり出す様にします。

     b) 印花の配置は好みにもよりますが、印花の端が重なり合う様に密に印花する方法と、

       適度に散りばめる方法があります。細かい模様の印花では重なり合うのも良いのですが、

       大きめの印花では、重なり合うと「うるさい」感じになり、模様も崩れますので、なるたけ

       重なりを避けた方が良いかもしれません。

   ④ 印花の作業を行った直後に、化粧掛けを行います。

 以下次回に続きます。

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化粧土と色土30 化粧土を用いた技法4 スリップウエア

2013-11-07 21:54:08 | 陶芸入門(初級、中級編)

1) スリップウエアとは。

  スリップは泥漿(でいしょう)化された化粧土の事で、「エンゴーベ」とも呼ばれています。

  スリップウエアは、紀元前から中国や中東で考案され、その後朝鮮半島やイスラム陶器に取り入れ

  られます。17~18世紀には、英国で制作されていますが、産業革命の大量生産の陶器に押され

  技術は衰退していきます。20世紀に入り濱田庄司氏らによって再発見され、民芸陶器に取り入れ

  られる様になり、現在に至っています。

2) スリップウエアのやり方。

   単に化粧土の上に別の色化粧土を線状、又は細い面で網目文様や「ぐにゃぐなした」曲線に

   塗り重ねて文様を描く方法もありますが、一工夫して、趣ある作品を作りたいものです。

  ・ 伝統的なスリップウエアに付いて述べます。  

   白化粧土と色の異なる複数の色化粧土、鳥の羽の軸や細い竹串、釘などを用意します。

   いずれも、化粧土を引っ掻く用具です。

 ① 大皿など口径の広い作品や、平板な板状の作品に、白化粧土を流し掛け又は刷毛塗りします。

    大皿に仕上げてからスリップウエアを施すと、縁の立ち上がりが邪魔になりますので、丸い

    円盤を轆轤挽きし、スリップウエアを施し終了後に縁を持ち上げ、皿状にする方が模様が

    綺麗に出来ます。

 ② スポイトや絞り袋(料理で使う物)に、好みの色化粧土を詰め準備完了です。

  ・ 化粧土を途中で継ぎ足す必要が無い程度の、量が入る必要があります。

  ・ 当然、小さな力でもスポイト等から色化粧土が絞り出される程度に、軟らかく無ければなりま

    せんが、軟らか過ぎて自然に流れ出るようですと、作業が出来ません。

  ・ スポイト等で線を描く場合、轆轤を使って同心円状に描いたり、螺旋状に描く方法や直線で

    平行線を描く方法などがあります。

  ) スポイト等で同心円、又は渦巻き文を描く。

   a) 綺麗な同心円や渦巻き文を描くには、スポイト等は両手でしっかり保持し、手が「ぶれない」

     事が大事です。轆轤をゆっくり回転させながら、化粧土を絞り出します。

   b) 中心から外側に向かって描く方法と、外側から中心に向かう方法があります。

     中心部は必ずしも綺麗に中心点を塗る必要はありません。むしろわざと外し作品の堅苦しさ

     を除去します。(余りにも規則的過ぎると堅苦しくなります。)

   c) 複数の色土を使う場合、各化粧土は隙間を開ける必要があります。

      線同士は接触しない様にします。

  ) 羽根軸(鳥の羽の軸)や竹串を使い中心より、外側へ放射状に軽いタッチで引っ張ります。

     スポイト掛けした化粧土は伸びて、尖った凸状の模様になります。

     羽根軸などの移動方向によって文様も変化します。

  ) 平行線を多数スポイト掛けし、上記と同様に羽根軸などで、線に直角に軽く引っ張れば、

    上の色化粧土が移動して、尖った凸状の文様を多数持つ、直線の文様を得る事が出来ます。

 ・ 模様を施したら素焼き後、透明釉を掛けて焼成します。

  一般に酸化焼成の方が、色良く焼き上がります。

 尚、黒化粧土や茶色の化粧土を塗った後、白化粧土でスポイト掛けして、色違いの器を作る事が

 出来ます。

以下次回に続きます。

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化粧土と色土29 化粧土を用いた技法3 打ち刷毛

2013-11-06 22:36:09 | 陶芸入門(初級、中級編)

1) 打ち刷毛(うちばけ)。

  生(素焼き前)の作品の表面に化粧土の付いた刷毛を、細かく打ち付ける事で規則的な文様を

  出す法です。一般に大皿の様な平たい作品の内側、又は内外に施す場合が多い様です。

  手轆轤の上に作品を載せ、ゆっくり回転させながら刷毛を置いていくか、もしくはある程度の力で

  刷毛を打ち付けた、放射状の文様が良く見受けられます。

   ① 作業方法は以下の通りです。

   ) 皿などの内側と外側の両方に打ち刷毛を行う場合、外側から先に行うと、作品を壊す恐れが

      少なく成ります。ここでは内側のみに行う場合に付いて述べます。

   ) 手轆轤上で作業すると、放射状の文様を描く事ができますので、作品を轆轤の中心に

       置きます。

   ) 刷毛の幅と毛の量によって、文様の長さと幅が決りますので、模様の形や太さ、長さ

       などに応じて刷毛を用意します。

   ) 色化粧土(白色が多い)を皿の内側に刷毛で、中央から外側に向けて均一の厚みに塗り

      ます。 厚くしようとして、力を加えると、逆に土を剥ぎ取る事になります。数回に分けて塗る

      事です。 尚、濃度が流れ落ちる程、ゆるくてはいけません。

   ) 直ぐに選んだ刷毛に同じ化粧土を付け、轆轤を回転させながら、トントンと打ち付けながら

      放射状の線を間欠的に付けていきます。 刷毛を強く打ちつけた部分は、化粧土が周囲に

      逃げ化粧土が剥ぎ取られて肉薄になり、素地の一部が現われます。

   ) 化粧土を付けた刷毛を置いて行く様にすると、その刷毛の部分は、化粧土を盛る事に

      なります。即ち、強く叩くとその部分は凹んで薄くなり、弱く置いていくと化粧土を付け加え

      盛り上がる事になります。

  ② 打ち刷毛の注意点。

    ) 器全体に塗る化粧土は、やや緩めの方が土が移動(逃げる)し易いですので、塗った後

       手早く刷毛打ちをする必要があります。

    ) 逆に、化粧土を盛る場合には、最初の化粧土がある程度乾燥した後の方が効果がでます

    ) 内外に施す場合には、外側に打ち刷毛をした後、完全に乾燥させてから、内側の作業に

       取り掛かる必要があります。さもないと、作品が水分を吸い過ぎ作品が壊れる恐れが

       大きくなります。

    ) 生素地の時に行いますので、化粧土を打ち付ける際、力が強過ぎれば作品を壊す事に

        なります。又、刷毛の弾力性も影響します。硬めの刷毛は効果的ですが、作品に衝撃を

        与える事になりますので、ある程度腰の弱い刷毛を使います。

  ③ 打ち刷毛のバリエーション。

    ) 刷毛の一端を中心に向けて作業すると、放射状の線が現れます。そしてその線の外側は

       円形になります。刷毛の角度を変化させれば、文様も変化します。風車の様にねじれた

       線にする事も可能です。その他、ジグザク文様など好みの形を付ける事もできます。

    ) 今までは器全てに、化粧土を塗ってからの作業としましたが、打ち刷毛のみで化粧土を

       塗る方法もあります。即ち、一部重ね合わさる様にして打ち刷毛を行うと、その部分のみが

       肉厚になります。逆に塗り残しながら塗る事により、素地が現れます。

    ) 打つ刷毛と他の装飾との組み合わせ。

       竹箆(へら)等で、同心円状に数本の線を掻き落としたり、口縁周辺に櫛目などを入れ

       模様に変化を持たせる事も出来ます。

次回は「スリップウエアー」に付いてお話します。       

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化粧土と色土28 化粧土を用いた技法2 飛鉋4

2013-11-05 21:30:03 | 陶芸入門(初級、中級編)

飛鉋の技法は、轆轤の回転力を利用し、専用の鉋を使い斑点状の削り痕を残す方法です。

色化粧土の塗り具合、作品の乾燥度合い、轆轤の回転方向、轆轤の回転速度、鉋の弾力性と

刃の形状、鉋を押し当てる力の強弱、作品と刃の向き合う角度、鉋の持ち方と持つ手の移動方向と

移動速度などの要素が、作品の良し悪しに関係してきます。

飛鉋の実作業時間は、ほんの数秒で終わってしまいますので、取り掛かる際には事前に構想を

練っておく事が大切です。

4) 飛鉋(とびかんな)模様の付け方。(前回の続きです)

  ) く いちがい線文: 斜め文が「くの字」と「逆くの字」のジクザクに縦方向に連なる様に、

     付けられた鉋痕になります。 鉋の刃は四角い物を使います。

   a) 先ず、鉋を一定の高さを保持して、上が右側下が左側に成る様な斜めに削ります。

       完全に1週で終わらせる事は困難ですから、一部文様が重複します。

   b) 逆方向の斜めの削りを入れるスペースを残し、その下をa)と同様に削ります。

      同様に隙間を空けて、次々と斜めの線を入れ、最下段まで行きます。

   c) 上が左側下が右側に成るような斜めの線を、上記隙間に入れて行きます。

      鉋の刃の角度は、a)とは90度回転させた方向に成ります。

      全体の模様は「くの字」と「逆くの字」が、交互に連続した文様となります。

   d) バリエイションとして、「くの字」と「逆くの字」の間に、横線を入れ全体を引き締める方法も

      有ります。この場合の鉋は普通の鉋を使います。

  ) 三角点文: 点状の三角文様は、轆轤が左回転であれば、三角形を寝かせた形になります。

     即ち、三角の左側を頂点として略二等辺三角形で、右側が底辺となります。

     刃の角度を変化する事で、直角三角形の様な模様にする事も出来ます。

     刃の角度を一定に保つ方が、模様が整然として見栄えがします。

   a) 四角い刃の飛鉋を用い、刃の角のみが作品当たる様に、刃を傾けて使います。

   b) 刃の接触面積が小さいので、抵抗が少なくなります。それ故、鉋を長めに持ち弱い力が

      刃に掛かる様にします。強い力が掛かると、穴が深くなり、鉋が轆轤に持っていかれます。

   c) 刃を押し付ける力の強弱により、三角形の大きさと深さが変化します。

   d) 袋物なら肩から腰へと移動させ、皿類であれば中心より外側へと刃先を移動させます。

     この三角文を器全体又は、一部に施します。     

  ) 渡り鳥文: 交差線文の線を太くした文様で、鳥が群れて飛ぶ感じの文様です。

     この群れて飛ぶ状態を、渡り鳥が移動する文様に見立てた名称です。

    a) 丸い刃 のやや角部分を使い、作品に強 く押し付け、削り痕を幅広にします。

    b) 鉋の刃をやや斜めにして、上から下へ角度は保持したまま斜め文を入れます。

       次に、この斜め文と直角方向に、新たな鉋痕をつけ交差させます。

    c) 刃の角度と刃を押し当てる力により、細かい文様から太くて力強い文様にする事が

       出来ます。

以上にて、飛鉋の話を終わります。

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