スカパーの260チャンネル「シネフィル★イマジカ」で、オーソン・ウエルズ監督・脚本の'46年作品「ストレンジャー」を再見しました。
戦争犯罪委員会のウイルソン(エドワード・G・ロビンソン)は、ナチの元収容所所長のマイネッケを釈放して尾行し、行方不明になっている戦犯のフランツ・キントラーを探しに、コネチカット州ハーパーにやってきますが、体育館でマイネッケに襲われ、意識を失います。マイネッケはキンドラー改め教師のランキン宅を訪れますが、あいにく留守で、ランキンの婚約者メアリー(ロレッタ・ヤング)に聞き、帰宅途中のランキンに会いますが、後で教会に行くように言われます。ランキンは判事の娘メアリーと結婚して隠れ蓑にすることをマイネッケに告げますが、マイネッケの話を聞いてマイネッケの釈放が罠であることが分かり、自首を勧めるマイネッケを殺します。ランキンは、その晩のメアリーとの結婚式を抜け出して、殺人の偽装工作をし、一方、意識を取り戻したウイルソンは聞き込みを始めます。ランキンはマイネッケの死体を森の中に埋め、ハネムーンに出かけますが、その間にウイルソンは骨董を探すふりをして、判事の家に入り込みます。ハネムーンから帰って来たランキンは、ウイルソンの加わった家族の中での会話で、軍神を信じるドイツを批判する一方で、敵の殲滅によって勝利するナチスの姿勢を説明し、ウイルソンは一旦はその話で騙されそうになりますが、ランキンがマルクスのことをユダヤ人と呼んだことで、ランキンがキンドラーであることに気付きます。ウイルソンはメアリーの弟のノアに身分を明かし、ランキンからメアリーを守るために協力を取り付けることに成功します。マイネッケについての聞き込みをしていると、証言しようとするメアリーをランキンが制止したので、ウイルソンはノアに、メアリーが自分からランキンが怪しい男であることに気付かせようと話します。マイネッケを埋めた場所をノアの犬がほじくり返し始めると、ランキンは犬を毒殺します。町をあげてのマイネッケの死体探しが始まり、ランキンは1人で町を去ろうとし、引き止めるメアリーに作り話をして犬殺しを告白します。やがてマイネッケの死体が発見され、メアリーはウイルソンから、マイネッケがナチの元収容所所長でであることを知らされ、ユダヤ人虐殺のフィルムも見せられ、ユダヤ人虐殺の思想的支柱だったのがランキンことキンドラーだったことを告げられますが、メアリーは信じようとしません。ウイルソンは判事とノアと家政婦に、メアリーから目を離さないように言いますが、ランキンはメアリーを教会の時計台に誘い出し、自殺に見せかけて殺そうとします。ウイルソンはそれを阻止し、銃撃戦となり、撃たれたランキンは、からくり時計の剣に体を刺し貫かれ、時計台から落ちて死ぬのでした。
見事な構図とカメラワーク、闇から浮かび上がる顔と逆光で真っ黒な人のシルエット。素晴らしい映像感覚に裏打ちされた、見ごたえのある映画でした。「第三の男」で有名な、闇の中に現れるウエルズの顔は、既にこの映画の中で撮られていて、キャロル・リードは「第三の男」の多くをウエルズに負っていたことが分かりました。微妙に表情が変化するウエルズの演技も見事です。世間ではあまり評価されていない作品ですが、傑作だと思います。文句無しにオススメです。
戦争犯罪委員会のウイルソン(エドワード・G・ロビンソン)は、ナチの元収容所所長のマイネッケを釈放して尾行し、行方不明になっている戦犯のフランツ・キントラーを探しに、コネチカット州ハーパーにやってきますが、体育館でマイネッケに襲われ、意識を失います。マイネッケはキンドラー改め教師のランキン宅を訪れますが、あいにく留守で、ランキンの婚約者メアリー(ロレッタ・ヤング)に聞き、帰宅途中のランキンに会いますが、後で教会に行くように言われます。ランキンは判事の娘メアリーと結婚して隠れ蓑にすることをマイネッケに告げますが、マイネッケの話を聞いてマイネッケの釈放が罠であることが分かり、自首を勧めるマイネッケを殺します。ランキンは、その晩のメアリーとの結婚式を抜け出して、殺人の偽装工作をし、一方、意識を取り戻したウイルソンは聞き込みを始めます。ランキンはマイネッケの死体を森の中に埋め、ハネムーンに出かけますが、その間にウイルソンは骨董を探すふりをして、判事の家に入り込みます。ハネムーンから帰って来たランキンは、ウイルソンの加わった家族の中での会話で、軍神を信じるドイツを批判する一方で、敵の殲滅によって勝利するナチスの姿勢を説明し、ウイルソンは一旦はその話で騙されそうになりますが、ランキンがマルクスのことをユダヤ人と呼んだことで、ランキンがキンドラーであることに気付きます。ウイルソンはメアリーの弟のノアに身分を明かし、ランキンからメアリーを守るために協力を取り付けることに成功します。マイネッケについての聞き込みをしていると、証言しようとするメアリーをランキンが制止したので、ウイルソンはノアに、メアリーが自分からランキンが怪しい男であることに気付かせようと話します。マイネッケを埋めた場所をノアの犬がほじくり返し始めると、ランキンは犬を毒殺します。町をあげてのマイネッケの死体探しが始まり、ランキンは1人で町を去ろうとし、引き止めるメアリーに作り話をして犬殺しを告白します。やがてマイネッケの死体が発見され、メアリーはウイルソンから、マイネッケがナチの元収容所所長でであることを知らされ、ユダヤ人虐殺のフィルムも見せられ、ユダヤ人虐殺の思想的支柱だったのがランキンことキンドラーだったことを告げられますが、メアリーは信じようとしません。ウイルソンは判事とノアと家政婦に、メアリーから目を離さないように言いますが、ランキンはメアリーを教会の時計台に誘い出し、自殺に見せかけて殺そうとします。ウイルソンはそれを阻止し、銃撃戦となり、撃たれたランキンは、からくり時計の剣に体を刺し貫かれ、時計台から落ちて死ぬのでした。
見事な構図とカメラワーク、闇から浮かび上がる顔と逆光で真っ黒な人のシルエット。素晴らしい映像感覚に裏打ちされた、見ごたえのある映画でした。「第三の男」で有名な、闇の中に現れるウエルズの顔は、既にこの映画の中で撮られていて、キャロル・リードは「第三の男」の多くをウエルズに負っていたことが分かりました。微妙に表情が変化するウエルズの演技も見事です。世間ではあまり評価されていない作品ですが、傑作だと思います。文句無しにオススメです。