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石井輝男監督『爆発!暴走遊戯』

2012-10-05 06:52:00 | ノンジャンル
 石井輝男監督・共同脚本の'76年作品『爆発!暴走遊戯』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
 黒いレザースーツに黒ヘル、サングラス、黒いバイクでキメた、風間(岩城滉一)率いる“ブラックパンサー”はツーリング中に、赤いレーサースーツ、赤いバイクに白ヘルの山の手集団“レッドバロン”に抜かれそうになり、小競り合いが起きます。海外のレースを優勝した桑島は、凱旋レースとして臨んだ“鈴鹿JAFグランプリ”で“マーチ742BMW”に乗り、見事に優勝を飾りますが、仲間の桑島を応援しに来ていた“レッド”は、隣り合った席にいた“ブラック”たちを“ドブネズミ”呼ばわりし、“レッド”のリーダーの瀬高は今度改めて決着をつけようと風間に言います。お針子の仕事をする風間の妹ユキ(多岐川裕美)と風間の恋人明美(中島ゆたか)。ユキはうっかりして舞台衣装のウェディングドレスを破ってしまい、上司から買い取るように命じられます。
 風間が修理工として働くガレージに、スポーツカーに乗って恋人とともに現れた瀬高は、わざと風間を指名してタイヤ回りを調べさせ、「お前、油虫もしてたのか」と風間をあざ笑い、彼の腹を踏んで、車で去っていきます。指を鳴らして『ウエストサイド物語』風に踊る“ブラックバンサー”の面々。一方、上半身裸の女や服を着た女とゴーゴーを踊る“レッド”の面々はやがて乱交パーティへと突入し、それに馴染めない川島は2階に上がります。やがて桑島と出会い、彼と語り合うユキ。
 そしていよいよ両者の決闘の日がやって来ます。“ブラック”は他の2つの暴走族の応援を得て、決闘場所に向かいますが、そこにパトカーがやって来て、風間は騙されたことを知ると、応援に駆けつけてくれた暴走族らを逃がして、自分は逮捕されます。“ブラック”の真一は復讐するために、桑島の車にスプレーでペインティングしに行きますが、現場で“レッド”の連中に捕まり、瀬高から背中に「ドブネズミ」とナイフで傷をつけられます。しばらくして保釈される風間。夜、路上で指を鳴らしていた“ブラック”の前に、その2倍の速さで拍手して現れる“レッド”たち。
 風間は真一から妹のユキが桑島と会っていると聞き、、ユキと桑島の元を訪れると、二度と桑島と会うなとユキに平手打ちを喰らわせ、桑島も殴り、ユキを連れ去ろうとしますが、“レッド”たちに囲まれ、ケガを負います。「私と桑島さんのことを教えたでしょ?」とユキから責められる真一。真一は単身“レッド”の元へ乗り込み、瀬高をナイフで刺そうとしますが、逆に刺され、死んでしまいます。熊本から駆けつけ、泣き崩れる母。
 鴨川に向かったという“レッド”を追って、真一の復讐に燃える“ブラック”は出発します。両者の衝突を回避させようとするユキは、明美とともに桑島の車に乗ってそれを追います。“レッド”に追いついた“ブラック”。両者は乱闘を起こし、棒で相手に殴りかかったり、バイクで轢いて相手を殺したりします。。そこへやって来た桑島は、車で割って入って乱闘を止めますが、風間と瀬高はナイフで決闘し、瀬高は腹を刺されて坂を転げ落ちます。止めに入った桑島は、風間とナイフで戦うこととなり、両者はナイフで腹を刺し合います。明美の膝の上に仰向けに横たわる風間が見る前で、桑島は死んでしまい、上着を脱いでウェディングドレス姿となったユキは、「誰が悪いの!」と叫んで、映画は終わります。

 スクリーンプロセスが多用され、その場で疾走感は全く感じられませんでした。桑島役の実際のプロレーサーの台詞の棒読み加減は、岩城滉一のそれを忘れさせるほどのひどさで、これはシリーズ前作の『爆発!暴走族』における岩城滉一といい勝負だったと思います。ユキが出てくるシーンはメロドラマとなり、その点も前作で千葉真一とその妹が出てくる場合と全く同じでした。印象に残ったのは、最初に桑島とユキが語らうシーン(イチョウの落ち葉が地面を黄色に染める中、桑島の黄色いスポーツカ-が左に斜めに止まっていて、右手で2人が語らうのを俯瞰で撮ったショット)と、真一役の役者の叫びの迫力ぐらいだったかと思います。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/