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増村保造監督『濡れた二人』その1

2013-08-23 15:01:00 | ノンジャンル
 増村保造監督、笹沢左保原作の'68年作品『濡れた二人』をスカパーの日本映画専門チャンネルで見ました。
 団地。テレビ番組制作の仕事でまた朝帰りした35歳の夫(高橋悦史)に、仕事を持ち子供のいない32歳の妻・マリコ(若尾文子)は、自分を相手にしてくれないことをなじり、今度の休暇では一人でも旅に出かけると言います。一人で列車に乗るマリコの姿にオープニング・タイトル。
 マリコは峠の停留所でバスを降りると、やがて海に突き出た岬と島が見えてきます。漁港の岸壁に着くと、漁船に乗った若者・シゲオ(北大路欣也)が黒鯛を片手に持ち、清江に投げて渡します。同僚のマサオに漁船のエンジンを見とけと言ったシゲオは、一目でマリコのことが気に入り、岸璧に停めてあったバイクに跨がると、マリコを後部座席に乗せて去ります。発進時に自分のバイクを倒され、怒るマサオ。夜。以前自分の家の女中をしていたカツエの家にお邪魔したマリコは、カツエに子供を作るよう勧められます。翌朝、夫と連絡を取るために、地元の水産会社の社長の部屋で電話を借りたマリコは、シゲオの婚約者で会社で事務の仕事をしている清江に再会します。「新しい番組を始めたので、明日行けない」と言う夫に「私はどうなってもいいの?」と詰め寄るマリコ。シゲオはその様子を聞いていて、電話の終わった後に「盗み聞きしていたの?」とマリコに問われ、「奥さんが綺麗だから見ていただけだ」と答えます。シゲオは自分がこの会社の社長の息子であることをマリコに教え、朝清江にやった黒鯛をあなたにあげることにしたので、後で刺身にして届けると言います。マリコが去った後、清江は「鯛は私にくれたんじゃないの?」と言いますが、シゲオは「お前は親父のただの事務員だ」と言い放ちます。
 夜、シゲオとマサオがマリコの所へ鯛の刺身と酒を届けると、カツエはマリコが退屈しているので、是非話し相手になってやってくれと言います。マリコのことを27、8歳に見えるとシゲオが言うと、マリコは「お化粧のせいね。子供もいないし、勤めてもいるから」と答えます。シゲオは「東京は嫌だ。女にひどい目に会った」と言いますが、その口で「明日は漁が休みだから、一緒に舟で海に出よう」とマリコを誘います。そこへマリコの夫から「明日3時に着く」という電報が届くと、マリコは飲めないと言っていた酒を「頂こうかしら」と言い出します。「ご主人を愛しているんですか?」と問うシゲオに「考えたことない。結婚してもう6年も経ったのに」と答えるマリコ。「ご主人は愛してるんですか?」「あの人にはあの人の世界があるの」「俺ならいつもそばにいて、宝物のように大事にする。それが愛するっていうこと。俺は奥さんと旦那さんがうまくいってない方がいい。奥さんはここに住みつくかもしれないないから。旦那さんよりも俺の方が奥さんを愛してる」「まだ子供ね」と言ってマリコは酒をあおります。
 翌朝清江に「今日はマサオのバイクに乗れ」と言うシゲオ。マリコのところへ3人が来ると、シゲオはマリコに「乗りなさい。駅まで送りますよ。怖いんですか?」と言い、清江が「相手は30女よ」とちゃちゃを入れると、シゲオは更に「俺、あんたを乗せたいんだ。(マリコが横座りしようとすると)跨がるんだ。俺をしっかり抱いてくれ」と言い、マリコを乗せ出発します。清江はマサオに「あんた、シゲオを抜いてよ!」と言います。バイクが停まり、ハーハーと息をするマリコは「随分乱暴な乗り方ね」と言うと、シゲオは「これでも随分遠慮したんだ」と答えます。遅れて着いたマサオを「だらしないわね!」と叱りつける清江は、「木にぶつけて紫色になったわ。どうしてくれるの?」と言い、スカートをまくってモモのアザを見せます。「来るもんか、旦那なんか!」と言う清江に「さっさと銀行へ行って来い!」と言うシゲオ。結局マリコの夫は来ず、清江が「ハハハ、やっぱり来なかったわね。お気の毒」と言うと、マリコはシゲオに「帰るわ、乗せて。飛ばしていいわよ、いくらでも」と言います。「今度こそ抜いて」と言う清江に「畜生、見てろ!」と言うマサオ。山道に入ると、マサオのバイクはエンストします。「大体シゲオのお古をもらうなんて意地汚い! 何よ、親無し!」と清江がマサオを罵倒すると、マサオは清江を襲います。「あたいはシゲオのもんだよ」「うるさい、俺がもらったんだ」。(明日へ続きます‥‥)

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