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石井輝男監督『黒線地帯』その1

2017-01-30 11:06:00 | ノンジャンル
 WOWOWオンデマンドで、石井輝男監督・共同脚本の’60年作品『黒線地帯』を見ました。
 夜の繁華街を逃げる若い女性。金管とドラムスのジャズ。タイトル。女は映画館に逃げ込み、追ってきた町田(天地茂)は周りを見渡す。占い師の女は彼に声をかけ、女難の相が出ていると言い、探している白いコートの女の特徴も言い当て、ポン引きのサブに案内させる。
 ホテルの部屋。女中が水を持ってきて、それを飲んだ町田は意識を失う。仰角で撮られる、タバコをくわえ不適な表情のサブ。
 鉄道の見える部屋で目を覚ました町田は、自分の手首に結ばれたネクタイが、隣の若い女性の死体の首まで伸びているのを見て驚く。「白いコートの女が殺されている。なぜ? そうだ。あの女中が持ってきた水に麻薬が入っていたのだ。部屋は完全に偽装されている。俺の指紋がついたコップは持ち去られている。とにかくここを脱出して対策を練なければ」のナレーション。カメラは部屋を出る町田から、床に落ちているブラジャーへ移り、そこから女の死体に移ると、そこでは現場検証が行われている。
 旅館には大勢の野次馬が駆けつけ、その中に町田もいる。「昨日の女中はポン引きと占い師の仲間。そして私が犯人にされる」。去っていく町田。「易者とポン引きを探さねば」。
 “裸体死美人はパリ座の踊り子”を報じる新聞売り場。「ホテルの女中に会いたいが、あそこに近づくのは危険だ」。車が歩いていた町田に横付けし、「ホテル川本に行くんだろ? 乗ってけよ」と鳥居が声をかけてくる。
 事件現場の部屋。マネージャーは新聞記者の仕事をねぎらう。「加害者のボタンが落ちていたらしいが、ありふれた品物なので手がかりにはならないだろうな」と鳥居が言うと、思わずコートで上着を隠す町田。そこへ女中が警察から戻ってきて、町田を見てハッとするが、彼が犯人だとは言わない。
 夜。女中を尾行する町田。女中は尾行に気づき、走って逃げようとするが、結局町田に捕まってしまう。「君はなぜ僕を逃がした?」「あんたなんか見たことない」「あの晩に運んできた水で意識を失った。本当のことを言え」「許して。あなたのことは黙っていたでしょ。これからも黙っている」「僕は無実だ。罠にかかった。本当のことを言わないと、このまま警察に突き出す。(女中が持っていた麻薬を奪い)麻薬取締違反だ。レイコが麻薬で体を縛られた黒線地帯の女だと知って、僕は彼女を追った。そして秘密がばれるのを恐れた組織によって消された。その組織の一員がお前だろう?」「違う。私はただ……」。女中はまた逃げ出すが、車にひき逃げされる。「あの晩の男、サブ……」と言って息絶える女中。
 町田はひき逃げを警察に通報する。その電話の録音テープを聞く刑事ら。ひき逃げの通報を告げる、若い女性による通報も再生される。「女の方は信用できない。あの暗さの中で犯人の人相を見ることができるはずがない」「しかし、女性の言っている犯人の特徴と、女中の話の犯人の特徴は一致している」「とりあえずブン屋関係で洗い直そう」。
 ナイトクラブのショー。控室にいたエニーは面会に呼ばれる。
 屋上で花束を持って待っていた町田はエニーのファンを装い、レイコと親友だった彼女からレイコの情報を得て、レイコが洗濯屋を親戚にしているということを聞きだす。
 洗濯屋を訪れた町田は、「うちはパンツとブラジャー専門の洗濯屋なんかじゃない。舞台衣装のデザイナーだ」という店主にレイコのことを尋ねるが、彼女とは親しくしていたが、血縁はないと言う。
 テープを再生する刑事に「今度のは高校生殺人事件よりやっかいだぞ」と声をかける同僚。
 町田は街頭で商売しているポン引きに男を紹介してもらい、女性の写真を見ながら「サブのところはもっといいのが揃ってるぞ」とブラッフをかける。男は「女を得るルートが違う。今度はサブに負けない上玉を用意する」と言う。
 若い女性と部屋に案内される町田。女の控室では、麻薬を打ち過ぎて、ふとももの裏にまで打つ女がいる。若い女性が部屋を離れた隙に、彼女の「すみれドレスメーカー学院」の学生証を隠れ見る町田。若い女性は生活費のためにこの仕事をしていると言うと、町田は「君、大分打ってるね。足にも。取引しよう。サブのドヤを教えてくれ。この金があればいい衣装が買える」と言う。清純そうだった若い女性は、にんまりと笑う。
 通りを見渡せる2階の部屋からサブを発見する町田。町田はサブを追うが、やがて見失う。屋上からそれを見てにやにや笑うサブ。
 夜のドレスメーカー学院。町田はいきなり「誰だ?」と大声で問われ、乱闘になり、やがて町田以外の男たちは去る。床に倒れている女性(三原葉子)。周りに散乱する花札。
 女「せっかくついてたのに」町田「まさかあそこが賭場とは。お詫びに御馳走しよう」女「やったー!」。(明日へ続きます……)