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クリスティアン・ロー監督『ロス・バンド』

2022-05-01 06:44:00 | ノンジャンル
 先日の午前から午後にかけて、「あつぎのえいがかんkiki」にて、クリスティアン・ロー監督の2018年のノルウェー映画「ロス・バンド」を観てきました。
 パンフレットの「Story」を一部加筆修正させていただくと、「ロック大好きドラム少年のグリムは、親友でギター兼ボーカルのアクセルとともに、小さいころからの夢だったノルウェーのロック大会出場を目指して練習に励む毎日。ギターの腕は超一流のアクセルだったが、歌はとんでもない音痴で、困ったことに本人にはまるで自覚がない。グリムがこっそり音程補正ソフトで修正して、デモ音源をロック大会に送ったら、念願の決勝大会出場のチケットが。
 夢がかなったと有頂天のアクセルだが、開催地は遥か北の果での町・トロムソだし、何よりもバンドメンバーは2人しかいない。急遽ベースのオーディションを開いたものの、やってきたのは9歳のチェロ少女、ティルダだけだった。
 「本物のバンドは車だぜ」とのアクセルの主張で、近所に住む自動車工場の後づぎ、マッティンをドライバーに誘い、4人でノルウェー縦断のドライブに出かける。
 持ち金がなくなった4人。賞金稼ぎのためにアクセルはカラオケ大会に出場するが、自分が音痴であることに気づかされ、落ち込む。彼に代わり、歌うマッティンは満場の喝采を得る。新たにマっティンにボーカルを譲るアクセル。
 しかし今度はティルダの両親がティルダを家出少女として警察に通報し、彼女の写真は全国に出回る。それともしらずアイスクリームを買いに行き、簡単に警察に保護されるティルダ。アクセルは彼女に「トイレに行け」と知らせ、彼女がトイレに入ると、彼女をベースのケースの中に隠して、彼女を警察から救い出すのに成功する。しかししばらくするとパトカーが一台追って来る。助手席に乗ったティルダは運転するマッティンに進むべき道を指示し、壊れた橋を飛び越し、パトカーの追跡から逃れる。
 そしてようやく大会会場にぎりぎりで間に合う4人組。しかしそこにはマッティンの父が待ち伏せしていて、ステージに出ようとするマッティンを妨害する。しかし「僕はもともと音楽をしたかったんだ。ドライバーへの道を言い出したのは父さんで、僕じゃない」と言い、強引にステージに立って、彼が歌い出すと、観衆は彼らの演奏に熱狂する。
そして大会が終わり、無人となった舞台に腰かけるティルダは「また元の世界に戻るのかなあ?」と言うが、グリムは「いいや、今後は仲間がいるなかいか」と言って彼女に希望を抱かせ、映画は終わる。」

 車で川を飛び越えるシーンは007シリーズへのオマージュ、家出人として4人組に加わったベーシストの少女が警察のトイレから脱出するシーンはヒッチコックへのオマージュだったりするのですが、幸福なラストシーンを持つこの映画は、孤独から自分を取り戻すストーリーでもあって、特に少女を演じたティリル・マリエ・ホイスタ・バルゲルが素晴らしい存在感を見せていました。またグリムの赤いジャンパー、黄色い車、ヴォーカルを諦めた後のアクセルの青いシャツなど、原色あふれる映画でもありました。