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大島渚監督『悦楽』

2022-05-08 07:55:00 | ノンジャンル
 大島渚監督・脚本の1965年作品『悦楽』をDVDで観ました。
 サイト「映画ウォッチ」の「ネタバレあらすじ」に加筆修正させていただくと、
「家庭教師をやっている大学生の脇坂篤(中村賀津雄)は生徒である稲葉匠子(加賀まりこ)に片思いしていました。ある日、その両親から相談事を持ちかけられます。実は匠子は小学生の時にレイプされたことがあり、その犯人が改めてその事実を公にすると脅迫してきたというのです。
 相談というのは口止め料を男に手渡しに行ってくれないか、というものでした。脇坂は承諾して列車内でレイプ犯と会いましたが、怒りに駆られてつい男を殺してしまいます。
 その後、ある男が突然脇坂の安アパートの部屋を訪ねてきました。彼は中央官庁の事務官で、名前は速水利彦(小沢昭一)。偶然脇坂の殺人の様子を目撃していました。
 警察に突き出されると思った脇坂は恐慌をきたしますが、速水が訪ねてきたのはそんな理由ではありません。驚いたことに彼は3千万円の札束が詰まったトランクを脇坂に預けます。それは横領した公金でした。
 速水は逮捕された時のことを考え、その金を隠す計画を立てていたのですが、犯行を目撃した事で脇坂を利用しようと思ったのです。つまり彼の殺人を黙っている代わりに、金庫番を勤めさせようというのでした。脇坂としては否応もありません。そして速水の予想通りに彼は逮捕されて刑務所に入りました。
 それから4年が経ち、後1年で速水が出所するという時になって匠子が結婚します。自分が彼女と結ばれると思ってはいなかったものの、脇坂にとってはショックでした。
 それが絶望感に変わり、彼は預かったカネを全部使い尽くそうという気持になります。使い道は”女”でした。彼はバーなどに足を運び、匠子に似た女を見つけてはカネをチラつかせ、同棲を持ちかけます。
 最初の女(野川由美子)は派手な性格で一緒にいても楽しい存在でしたが、結局は亭主がいて、しかもヤクザの愛人でした。
 2番目の女(八木昌子)は対照的に従順なタイプ。しかし彼女にも借金苦にあえぐ亭主がいて、また別れる羽目になります。
 次の同棲相手(樋口年子)は打って変わって女医で、処女。そして彼女とは次の相手と関係が出来たために、せっかく籍まで入れたのに別れることになりました。その相手はマリ(清水宏子)という知恵遅れの女性で売春婦でした。
 彼女には地回りの男がついていましたが、カネで話をつけて一緒に暮らします。ところが驚いたことにその男は刑務所で速水と知合いになり、3千万円の話を聞いていました。しかも速水は肺炎で死んだというのです。
 脇坂が事情を打ち明け、もうカネは使い切ったというと、男は腹を立てて拳銃を向けてきますが、マリによって助けられます。そして脇坂が久しぶりに1年前の安アパートに戻ると匠子が訪ねてきました。話によると夫の会社が倒産しそうで、カネを貸してほしいというのでした。脇坂の羽振りの良さを噂で聞いてのことでした。しかしこれまでの事情をすべて話すと、彼女は無言で去っていきます。
 翌朝、脇坂がぼんやりしながら高架下を歩いていると、刑事が逮捕のためにやってきました。罪名は殺人罪です。刑事の話で自分を告発したのが匠子だと知り、脇坂は絶望するのでした。

 この映画でも多くのワンシーンワンカットが見られました。