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三島由紀夫『午後の曳航』

2006-11-28 16:20:21 | ノンジャンル
 山田詠美さんの推薦する三島由紀夫氏の「午後の曳航」を読みました。
 自分たちが天才であると自負する6人の少年たちが、そのうちの1人の未亡人の母と結婚しようとする船乗りの男を、世の中で最も軽蔑すべき父になろうとするという理由で、殺してしまう、という話です。
 話自体がめちゃくちゃで、少年たちの論理についていけない上に、難解な文章が多く散らばっています。
 曰く「二十歳の彼は熱烈に思ったものだ。「光栄を!光栄を!光栄を!僕はそいつにだけふさわしく生まれついている」(中略)「考えれば考えるほど、彼が光栄を獲るためには、世界のひっくりかえることが、必要だった。世界の顛倒か、光栄か、二つに一つなのだ。彼は嵐をのぞんだ。しかるに船の生活は、整然たる自然の法則と、ゆれうごく世界の復原力とを教えてくれたにすぎなかった。」
 曰く「何故って、男なら、いつか暁闇をついて孤独な澄んだ喇叭が鳴りひびき、光りを孕んだ分厚い雲が低く垂れ、栄光の遠い鋭い声が私の名を呼び求めているときには、寝床を蹴って、一人で出て行かなければならないのです。」
 曰く「本当の危険とは、生きているというそのことの他にはありゃしない。生きているということは存在の単なる混乱なんだけど、存在を一瞬毎にもともとの無秩序にまで解体し、その不安を餌にして、一瞬毎に存在を造り変えようという本当にイカれた仕事なんだからな。」
 理解できますか? 特に三つ目の文章は中一の少年が述べる台詞です。こんなこと言う中一、いないでしょう。小説というのはフィクションだっていうことはもちろん分かっていますが、それでもねえ。
 ということで、私は三島由紀夫氏とは相性が悪い、ということが分かりました。三島ファンの方々、数々の御無礼、何とぞご容赦ください。

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