アキ・カウリスマキ監督・製作・脚本の'88年作品『真夜中の虹』をDVDで見ました。
雪景色の中、閉山になった鉱山を去るカスリネンは、友人から車をもらいますが、その友人は直後に拳銃自殺してしまいます。銀行から預金全額をおろし、屋根の閉まらないオープンカーで南下するカスリネン。ひたすら走り夜に町に着きますが、男2人組に頭を殴られ、金を奪われます。
翌日から港の労務者として働くカスリネン。拾ったオーバーの持ち主は昨日車に轢かれていました。自分のラジオを聞いていた労務者らに教会宿泊所を紹介されるカスリネン。駐禁の取締をしていた女性・イルメリは彼を見ると勤務中にもかかわらず帽子を捨てて、彼と食事に出かけます。遅くなったので自宅でコーヒーだけを誘う彼女は、離婚して子持ちで、もう失望したくないと言いますが、カスリネンは初めて自信が出てきたと言って、彼女を受け入れます。お互いの近況をベッドの上で話し合う2人。
翌朝、イルメリの息子の拳銃で起こされたカスリネンは、息子に朝食の用意をしてもらい、母から預かったという電話番号を渡され、仕事に出ないのかと言われます。職安に行き、行く先々で断られるカスリネンは、夜、男たちとボガードのギャング映画をテレビで見ます。昼の仕事が終わり彼と会ったイルメリは、家のローン返済のため2年は夜勤も続けるつもりだと教えます。車で出かけ、波打ち際でくつろぐ3人。カスリネンは4泊分貸しがあると言われて教会宿泊所を追い出され、2万で売ろうとした車を6500に買い叩かれます。喫茶店にいると目の前に自分から金を盗んだ男が現れ、ゲートに追い詰めると、男はナイフを取り出し、カスリネンは男を倒しますが、監視カメラでそれを見ていた警官に逮捕されます。
強盗殺人未遂などの罪で1年11ヶ月の懲役刑を受けるカスリネンと、傍聴席で悲し気に彼を見るイルメリ。2人部屋の牢屋に入れられた彼は、先の住人・ミッコネンからタバコとマッチを投げられます。ずっとムショ暮らしだと言うミッコネンは鎮静剤を看守から受け取り、やがてその理由が分かるとカスリネンに教えます。肉の解体作業をするイルメリ。旋盤を動かすカスリネンは出来た金属物を口に入れ、そのまま面会に向かいます。やっと仕事を得たと語るカスリネンは、イルメリに出所後の結婚を申し込み、同意した彼女の手に指輪をはめます。早く出所したいと言うカスリネンに、脱走は危険な賭けだと言うミッコネン。脱走のマンガをイルメリに見せる息子。からかった看守を殴り独居房に入れられたカスリネンに、誕生日だからとイルメリはケーキと本を差し入れます。2人部屋に戻されたカスリネンは自分の誕生日はまだだと言うと、本からはヤスリが出てきました。ベッドを切り、シーツで縄を作り、誘い込んだ看守を殴って脱走した2人はショーウインドウを壊して服を手に入れます。
自分の車を取り戻したカスリネンは、ミッコネンの立ち合いの元、イルメリと結婚式を挙げた後、息子を部屋から締め出しますが、息子が警官がやって来たことを告げると、カスリネンは窓から逃げ出します。ミッコネンと合流して、偽造パスポートの作成を男に頼むと、男は稼ぎの半分をもらうことを条件に、彼らに拳銃と車を貸します。拳銃から弾を抜き、銀行強盗に成功する2人。男に騙された時のことを考え、1人で金を男のところへ持っていったミッコネンは、男から全額渡すことを要求され、拒否すると男の仲間に刺されます。ミッコネンが戻ってこないのを見て、カスリネンは男たちのところへ乗り込み、ミッコネンが倒れているのを見て男たちを射殺します。自分をゴミ捨て場に埋めて、今夜に出る船に乗り込めと言って死ぬミッコネン。イルメリと息子と合流したカスリネンは、ミッコネンを埋めた後、桟橋で黒人に金を渡し、ボートでメキシコ行きの客船に向います。近づく客船と遠ざかる街の灯りに“虹の彼方へ”の歌が重なり、映画は終わります。
フェイドアウトが多様され、台詞は極端に少なく、ブレッソンを思わせもする映画でしたが、不幸のどん底からの絵に描いたようなハッピーエンドが印象的な映画でもありました。
→Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
雪景色の中、閉山になった鉱山を去るカスリネンは、友人から車をもらいますが、その友人は直後に拳銃自殺してしまいます。銀行から預金全額をおろし、屋根の閉まらないオープンカーで南下するカスリネン。ひたすら走り夜に町に着きますが、男2人組に頭を殴られ、金を奪われます。
翌日から港の労務者として働くカスリネン。拾ったオーバーの持ち主は昨日車に轢かれていました。自分のラジオを聞いていた労務者らに教会宿泊所を紹介されるカスリネン。駐禁の取締をしていた女性・イルメリは彼を見ると勤務中にもかかわらず帽子を捨てて、彼と食事に出かけます。遅くなったので自宅でコーヒーだけを誘う彼女は、離婚して子持ちで、もう失望したくないと言いますが、カスリネンは初めて自信が出てきたと言って、彼女を受け入れます。お互いの近況をベッドの上で話し合う2人。
翌朝、イルメリの息子の拳銃で起こされたカスリネンは、息子に朝食の用意をしてもらい、母から預かったという電話番号を渡され、仕事に出ないのかと言われます。職安に行き、行く先々で断られるカスリネンは、夜、男たちとボガードのギャング映画をテレビで見ます。昼の仕事が終わり彼と会ったイルメリは、家のローン返済のため2年は夜勤も続けるつもりだと教えます。車で出かけ、波打ち際でくつろぐ3人。カスリネンは4泊分貸しがあると言われて教会宿泊所を追い出され、2万で売ろうとした車を6500に買い叩かれます。喫茶店にいると目の前に自分から金を盗んだ男が現れ、ゲートに追い詰めると、男はナイフを取り出し、カスリネンは男を倒しますが、監視カメラでそれを見ていた警官に逮捕されます。
強盗殺人未遂などの罪で1年11ヶ月の懲役刑を受けるカスリネンと、傍聴席で悲し気に彼を見るイルメリ。2人部屋の牢屋に入れられた彼は、先の住人・ミッコネンからタバコとマッチを投げられます。ずっとムショ暮らしだと言うミッコネンは鎮静剤を看守から受け取り、やがてその理由が分かるとカスリネンに教えます。肉の解体作業をするイルメリ。旋盤を動かすカスリネンは出来た金属物を口に入れ、そのまま面会に向かいます。やっと仕事を得たと語るカスリネンは、イルメリに出所後の結婚を申し込み、同意した彼女の手に指輪をはめます。早く出所したいと言うカスリネンに、脱走は危険な賭けだと言うミッコネン。脱走のマンガをイルメリに見せる息子。からかった看守を殴り独居房に入れられたカスリネンに、誕生日だからとイルメリはケーキと本を差し入れます。2人部屋に戻されたカスリネンは自分の誕生日はまだだと言うと、本からはヤスリが出てきました。ベッドを切り、シーツで縄を作り、誘い込んだ看守を殴って脱走した2人はショーウインドウを壊して服を手に入れます。
自分の車を取り戻したカスリネンは、ミッコネンの立ち合いの元、イルメリと結婚式を挙げた後、息子を部屋から締め出しますが、息子が警官がやって来たことを告げると、カスリネンは窓から逃げ出します。ミッコネンと合流して、偽造パスポートの作成を男に頼むと、男は稼ぎの半分をもらうことを条件に、彼らに拳銃と車を貸します。拳銃から弾を抜き、銀行強盗に成功する2人。男に騙された時のことを考え、1人で金を男のところへ持っていったミッコネンは、男から全額渡すことを要求され、拒否すると男の仲間に刺されます。ミッコネンが戻ってこないのを見て、カスリネンは男たちのところへ乗り込み、ミッコネンが倒れているのを見て男たちを射殺します。自分をゴミ捨て場に埋めて、今夜に出る船に乗り込めと言って死ぬミッコネン。イルメリと息子と合流したカスリネンは、ミッコネンを埋めた後、桟橋で黒人に金を渡し、ボートでメキシコ行きの客船に向います。近づく客船と遠ざかる街の灯りに“虹の彼方へ”の歌が重なり、映画は終わります。
フェイドアウトが多様され、台詞は極端に少なく、ブレッソンを思わせもする映画でしたが、不幸のどん底からの絵に描いたようなハッピーエンドが印象的な映画でもありました。
→Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
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