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山田詠美編『幸せな哀しみの話』

2009-10-28 16:07:00 | ノンジャンル
 先日、三浦半島の岩礁の道というのに行ってきましたが、聞きしに勝る危険な道で、ぬるぬるの岩を踏み外せば骨折もやむなしといった所や、ジャンプしないと対岸に届かないところなど多数で、干潮の時間を狙っていったにもかかわらず派手に波をかぶりビショビショになりました。これから行く方はかなりの覚悟が必要だと思います。

 さて、山田詠美さん編の'09年作品「幸せな哀しみの話 心に残る物語―日本文学秀作選」を読みました。詠美さんが選んだ短編集です。
 中上健次「化粧」は、別居している妻子と法事で久しぶりに会い、飼っていた鳥の話をする物語。
 半村良「愚者の街」は、夜の新宿で20年ぶりに会った同級生から、高校を卒業した後バーテンを経て小説家になった話をされる物語。
 赤江瀑「ニジンスキーの手」は、ニジンスキーの再来と言われた日本人の舞踏家をめぐる話。
 草間弥生「クリストファー男娼窟」は、ニューヨークの男娼が客の男根を切り落とす話。
 河野多恵子「骨の肉」は、別れた男の残していった荷物を燃やすまでの話。
 遠藤周作「霧の中の声」は、退屈な夫との毎日を過ごしている妻が予知夢を見るようになり、夫の胃ガンの手術の後、夢の通りに夫によって車の前へ突き飛ばされて殺されてしまう話。
 庄野潤三「愛撫」は、主人公の女性が今までに受けてきた愛撫の話。
 八木義徳「異物」は、足首のひび割れ、妻の足首の脂肪の塊、自分にとっての斜視の女、同僚にとっての蛇の刺青を入れている女という異物についての話です。
 最後まで読むことができたのは「愚者の街」「霧の中の声」「異物」だけでした。ここでもやはり詠美さんの好きな小説というのは「文学」している小説だと思いました。これと言った共通点はなく、詠美さんが好きな短編を単に集めたといった印象を受けましたが、私が一番好きだったのはやはり遠藤周作さんの短編でした。「文学」が好きな方にはオススメかも。

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