おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

スキヤキ

2007年10月10日 | 日記・エッセイ・コラム
ご馳走って言えば何が脳裏を過ぎるだろうか?
 
やっぱり肉だ。そうだ、肉なのである。
小さい頃、弟とお金持ちになったら何を食べたいって言い合った頃、
決まって二人が口にした台詞は
 
“ビフテキ”
 
見た事もないビフテキ。肉だという情報以外はまったく知らなかったが、
その響きはとてもとても美味しそうな肉料理だと思っていた。
ご馳走と言わなくても、BBQとか焼肉とか、仲間内でやるのには盛り上がるし、
美味しいし、デリシャスって事でも肉は人気メニューだろう。
 
ご他聞にもれず、我が家も食卓に肉料理が並ぶと
めでたい事でもあったのかと詮索するほど、心ウキウキする瞬間だ。
 
今月は祭り。
祭りの日の昼食はスキヤキと決まっている。
オヤジたちが小さい頃は、一年に何度かの肉料理だったらしいが、
その時のスキヤキが牛肉だったのかは不明。
 
どの家からもスキヤキのにおいが漂っていたのは昔の話。
事実、スキヤキのにおいがすると、真冬でも祭りを思い出したほど。
 
が、しかし、今年のスキヤキは少し違った。
 
 
少し横道にそれるが、僕はカレーに入っている肉が苦手だ。
どうしてかと言われても、苦手なものは苦手なのだ。
だから家で食べる時は、肉はさけて盛り付ける。 
 
ある日、最初から肉を入れなければええじゃないと、
ニュートン並みの発見をした僕は早速試してみたが、
何か違う。と言うより、まったくカレーの味もしないほど不味いモノに仕上がった。
 
こんな横道の昔話を入れてきた流れで、勘のいいヘビー読者のみなさんは
お気付きだと思いますが、今回のこのスキヤキ、何かが違ったんです。
 
美味しい。美味しいんだけど、何かが違う。
 
においはオッケー!
肉は入っているか!肉、ハッケーン!安堵いたしました。
ネギは?ラジャー。確認しました。
豆腐は?
いつもは高野豆腐ですが、焼き豆腐。
“ふ”も入っている。 
 
一見いつもと一緒なのに、何かが違う。
 
「あぁ、今日のは糸コン入ってないから」
 
 
恐るべし、糸こんにゃく。
味もないのに、いい味だしてたんだと、
居ない時に気が付いた。
 
ごめんよ、糸こんにゃっく。 
 
でもね、糸コン。
君がいないと、何かが違うけど、
味は、味はね、一緒だったよ。美味しかったよ、スキヤキ。
 
やっぱり君は、脇役なんだよ。 
 
 
誰かこの渾身の詩にメロディーをお願いします。
 
 


コメント
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