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クールダウン

2012年05月25日 | 日記・エッセイ・コラム
今日は雨模様だったから、仕事場へは
自動車を使うことにした
 
車で出勤した日は、少し遠回りをして
帰宅することになっている
 
今日も例外に漏れることなく、家路とは反対方向に
ハンドルを切った
 
何日ぶりだろうか?
 
仕事をおく時間はさほど変わってないはずだが、
車を走らせる街並みは、まだまだ明るい
もう少し暗かった記憶があるから
前走ったのは、何日前ではなくて、
何ヶ月か前なのかも知れない
 
ほとんどの場合、この道のりは当ての無い
 
“プチ放浪”
 
となることが多い
 
先に予定が入っているからではなくて、
空模様が怪しくての自動車なのだから、
急遽買い物がしたくなったから!と言う理由も
特にないのだ
 
ただ、まぁ闇雲に走り回っても仕方がないので、
お気に入りのアルバムが終わるぐらいの
ミチクサをして帰れるだけの距離を流す
 
街は微妙な時間帯だ
 
僕のように帰宅している車もあれば、
まだまだ仕事中の車もある
 
部活帰りの学生も舗道を占拠し、
車道でも自転車が二列渋滞の車列を作っている
 
夕食前の、いや、夕食後かも知れないが
ご老人が散歩をされている
一時期流行った“ウォーキング”は影を潜めたのか、
それとも、時間帯が違うのか、
とにかく、この時間だと街を歩く女性は少なく
ご老人、はやく言えば、おじいちゃんが
歩いている時間だ
 
車を走らせながら、前方を見る
 
舗道を歩くおじいちゃん
 
大柄だ
背筋が伸びている
昔はモテただろう
なぜ遠めに“おじいちゃん”と見えたのか
近づいてから疑問に思ったほど
服装もおしゃれだ
 
しかし、どこか歩き方が“おじいちゃん”だったのだろう
 
おじいちゃんがこっちを振り返る
穏やかな気持ちで、こっちの心の声でも聞こえたか?と
トワイライトな干渉に浸っていると、
なんの躊躇いもなく、車道を横切り始めたおじいさん
 
もちろん、急ブレーキ
 
しかし、タイヤが鳴くほどのモノでもない
何故かわからないが、その歩き方を見ていて、
いやな予感でもしていたんだろう
それより前に減速を始めていたから、
 
(やっぱり!)
 
余裕を持ってブレーキを踏み込んだ
 
ミラー越しに見ながら、
一言だけ添えて、アクセルに足を乗せた
 
「気をつけろよ、じじい!」