5月というのに、暑い日が続く。畑の野菜たちは、日照り続きで、水遣りを欠かせないがそれでも成長が心配される。近所を散策すると、薔薇の花も美しく咲く時期が過ぎたよう感じがする。きれいな花を探して写真を撮るのに苦労する。薔薇には多くの種類があり、四季咲きのもの、初夏のもの、秋に咲くものなど多種だが、季語が夏になっているのは、これから咲くものが一番多いということであろうか。
薔薇剪って短き詩をぞ作りける 高浜 虚子
家をすっぽりと薔薇で囲んだお宅がある。この家に住む人はよほど薔薇がすきなのだろう。以前会社に勤めていたころ、得意先の社長婦人へ、薔薇の花束を贈る同僚がいた。女性に薔薇を贈るということに抵抗を感じた。その行為が愛の告白のような気がしたからだ。そんなきざに見える振る舞いがその婦人をいたく喜ばせたらしい。薔薇の花言葉は愛、美。この年になっても、まだ人に薔薇を贈った経験はない。