晴の日が少ない。昨夜は大雪注意報が出ていたが、屋根にうすっらと雪があるのみ。駐車場も雪の心配はない。室内に取り入れたハーブの鉢が芽を伸ばし始めた。オレガノの鉢は下の方にびっしりと新芽が出た。ラベンダーは枯れた葉のつけねに小さな芽を一斉につけた。寒い冬にハーブたちはこんな贅沢をしていいのか。外で寒さに耐えるタイムも大寒に備えようとしている。
1950年の山形の冬。『山びこ学校』に「寒い冬」と題した門間きみ江さんの詩が載っている。
思わず
「うう寒い」と言ったら
「山にいったおっつぁのこと考えてみろ」
と、おっかにどなられた
そうだ。
ビュービュー風あたりのつよい山で
おっつぁと
あんつぁが
木を切っているのだ
そうだ
寒いなんて言っていられない。
昨日、夕食後に見た映画。デンマーク映画「ギルティ」をアメリカでリメイクされた作品。緊急通報センターに勤務している警察官ベイラー。彼は犯罪現場で容疑者を射殺してしまう。明日がその審判が下る日の夜。コールセンターに掛かってきた女性からの電話。声の向こうで何が起きているか、聞こえてくる声と音だけで状況を判断していく。緊迫したやりとりで、ベイラーは女性が誘拐されていると判断。家に残っている子どもたちを心配する通報者。電話の扱いがテキパキとして小気味いい。ベイラーはコールオペレイターの権限を越え、警官の仕事に入りこんでいく。元の相棒に電話をかけ、通報者の家に行ってもらう。そこで見た現実。残った二人の子のうち一人が死んでいた。通報者を助けようとしたことが思いがけない展開になる。その複雑な出来事が、電話と音だけで伝わってくる。橋の上に佇み、川に飛び込もうとしている通報者。その女性を助けようとしてベイラーが放った言葉。「あなたと同じで、自分も人を殺した。あなたにはあなたを愛する夫と娘がいる。思いとどまってくれ」必死の呼びかけに、無情に切れる電話とその時聞いた音。彼の電話にには、指令室からの電話。「通報者保護」ベイラーが目を戸外に転じるとすでに夜は明けていた。