元旦が雑煮で、二日は麦とろが我が家の定番である。家の伝統などというものはないが、二日の日にとろろ掛けご飯を食べるのは、子どもの頃からの慣わしだ。長芋は長生きにつながるという胡散臭い縁起を長くかついできただけで、ことさら自慢するようなことでもない。しかし、そのおかげかなのか、朝飯が済んでから窓の外にすばらしい景観があった。新年の冷たい雪を被った千歳山がその存在感を主張している。こんな景観は長生きをしていなければ、なかなか見られないだろう。
ひっそりと村の二日のつねのごと 長谷川素逝
雪道を外に出てみる。昔の正月は、2日が買い初めであった。貰ったわずかなお年玉を握りしめて、雪道を3㌔もある町まで歩いた。その頃を思い出しながら、ケーズデンキまで歩いたが、雪の足をとられて歩きづらい。静かだった元日に引きかえ、車が車道で渋滞している。車列を横目にして、店に入ると、すかさず検温、手指消毒。それにしても、店のなかはびっくりするよう大勢の人が来店して、ざわついている。こんな売り場を見るのは久しぶりだ。初売りの風景はそこにあるが、子どもの頃の買い初めの高揚はすでにない。雪道にとられた足の疲れがばかりが気になる。
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