常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

紅葉の科学

2019年11月03日 | 日記
11月3日、晴れ。気温16℃、瀧山では10℃ほどが最高気温と推定される。但し、陽がさして体感は、小春日和の感じである。牧場周辺では高度700m、紅葉はきれいであったが、800m付近までは紅葉が見られるものの、その上は葉が落ちて、山は冬の準備に入っている。紅葉が始まるのは、一日の平均気温で15℃くらい、明け方の気温が6℃くらいになった時で、それから20日ぐらい後が紅葉の最盛期である。葉が落ち始めるのは、一日の平均気温が10℃以下になったときだ。

この季節に山に行って感動するのは、やはり全山みごとな紅葉を見たときだ。外国から来た人たちも同じく感動するわけだが、日本の紅葉は世界でもなかなか例がないほど美しいらしい。日本では季節の移り変わりがはっきりしている上、寒暖の差が大きいことが、この美しい紅葉つくる原因になっている。夏に好天が続くことも大切である。好天のもとで樹木は、盛んに光合成を行い、せっせと澱粉を製造する。秋のなって気温が下がると、水分の補給が減ってくると、葉から茎への養分の移行が止まってしまう。そうすると、葉にデンプンが貯まって分解さる。一方葉緑素の方は老化してアミノ酸に分解される。その結果、糖とアミノ酸を原料にして、アントシアンという色素が合成されて、葉が赤く色づく。

黄色はイチョウやカラマツの場合、葉緑素が破壊されて、カルチノイドという色素が表面化することによる。このように、夏から秋への明瞭な変化、一日のうちの寒暖の差が大きいことが、山の木々の色付けを決めていく。ナナカマドの燃えるような赤、青空を背景に、峰カエデやダケカンバの目の覚めるような黄色。それらが、大小のまだら模様を作りながら、それらを混合した大斜面の光景。多湿温暖という気象の特性も、日本の景観を作り出すもう一つの条件である。



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