雲のない快晴が続く。この晴天も今日まで、陽に照らされた菊が可憐だ。寒さが加わるごとに、菊の輝きが増してくるような気がする。それほど、寒さに強い花だ。中唐の詩人、白居易に菊の花を愛でる詩がある。
一夜新霜瓦に着いて軽し
芭蕉は新たに折れ敗荷は傾く
寒に耐うるは東籬の菊のみ有りて
金粟の花は開いて暁更に清し
霜が降り、芭蕉は蓮の葉は傾いてしまう。植物には厳しい寒さだ。それに耐えているのは、垣根の菊のみで、この花のおかげで、朝のすがすがしさが増す、というのが詩の意味である。菊が健康によいというのは、この寒さに強いことから来ているのだろう。酒に浮かべた菊の花びらを飲むのは、中国の節句の習わしであった。
白菊を明かりに例える詩もある。白菊が咲いてあたりがパッと明くるなるので、もはや蛍の光も窓の雪も必要としない。菊の花の近くの本を持っていって、一夜読書をしたい、と詩に詠んだ詩人もいた。
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