如月、旧暦の2月の異称である。極寒のこの季節をすぎると、雪深い山中の庵にも時として春を感じさせる光がさす。前書きに「きさらぎの末つ方雪の降りければ」とある長歌がある。
風まぜに 雪は降りきぬ 雪まぜに 風は吹ききぬ 埋み火に 脚さし伸べて
つれづれと 草の庵に 閉じこもり うちかぞふれば 如月も 夢のごとくに
過ぎにけらしも
良寛の最晩年である。時おり訪れて身の回りの世話をしていた貞心尼も、この深い雪のなかを訪れることはできなかった。指折り数えたのは、2月の日数bかりではない。雪がとけ、道ができて訪れる貞心尼に会える日はあと幾日か、そんな日数も数えたに違いない。
あづさゆみ春になりなば草の庵を
とく訪ひてませあひたきものを 良寛
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます