常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

東黒森山

2020年12月12日 | 登山
今年最後となる山の会の山行は、山辺町東黒森山。明日から入って来る寒気のため、曇り空で霧の山道であった。辛うじて雨にも打たれず、無風でさほどの寒さもない12月としては穏やかな日和であった。最後の山を楽しもうという仲間たちの願いが通じた。初冬の風景は、落葉を踏む、秋の名残りが身に沁みる。葉を落とした木々の佇まいも、冬がゆっくりと近づきつつある懐かしい風情だ。白鷹線はかつては、山形と白鷹町を結ぶバス路線であった。畑谷大沼の前にバス停があり、名物のコンニャクや心太を売る売店が繁盛していた。山形へ初めてこのバスに乗ったのは、昭和35年の頃のように思う。新聞社の世論調査のアルバイトで、鮎貝の街の民家に聞き取り調査に出かけたことであった。5月ころのことで、バスの窓から美しい新緑に感動した記憶がある。

大沼には懐かしい思い出ばかりが詰まっている。結婚して娘が生まれたころ、市営住宅の近所の人と友達になり、沼にボートを浮かべて釣りを楽しんだこと、学校の後輩たちに誘われて沼のまわりのヤブでワラビを収穫したり、折にふれて沼の周りに出かけていた。若い時代は結構と自然と親しんでいたことが思い出される。
今年最後の山行に最年長のSさんが参加した。少し歩くと呼吸が苦しくなるが、山の楽しみが忘れられず、ゆっくりと休みながらの歩きである。皆が高齢で弱ったSさんの心肺機能を励ますように、「もう少しだよう。頑張れ!」と声が出ている。一方で一年の楽しい山行をふり返りながらの話が弾む。スマホのGPSが普及して、登山アプリ「ヤマップ」の扱い方を教え合う光景もほほ笑ましい。来る年は、コロナが治まり、また新しい山登りの楽しみが広がっていくことが確信できる。



よく整備された道に積もる落葉を踏みしめること1時間。頂上が見えてくる。三角点の石標に、可愛く装飾した石を置くのが流行っているらしい。ここでも小石が三つ、だるまにそえた福の字が好ましい。お茶をしながら、小憩の後、反対方向の道を下山にとる。しばらく行くと大きな肩に担ぐカメラを持つ5人ほどの撮影隊に行き会う。聞けば、いまNHK「やままる」で放映中の「山形百名山」の撮影であった。今月の22日、夕方6時10分からの放映するとのこと。今日の山の様子は、NHKのカメラに収められて全県へ放送される。

下山して、広場のウッドデッキに陣取って昼食。帰路、2座目の富神山に登ることを考えたが、気温が下がり雨が落ち来たので、断念して百目鬼温泉であたたまる。一年最後の温泉はしっかりしてあたたまりの湯。
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