常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

紅葉の峠道

2024年11月17日 | 登山
小国の黒沢峠の峠道を歩いてきた。最後の紅葉を見るためであったが幸運にも天候に恵まれた。例年であればもう紅葉は終わっている時期だが、今年は暑い秋で時期がずれたことも幸いした。落ち葉をが積もる石畳は歴史の道だ。散り積もった落ち葉の上を歩くのは山歩きならでは醍醐味だ。ふわふわとした落ち葉の上は安心で、山道特有の怖さはない。

十三峠は越後街道の別称である。越後の下関から川西町の小松まで、伊達植宗が開いた街道だ。越後からは生魚、塩が入り置賜からは青苧、たばこ、絹織物、米などが移出された。山間部に十三の峠を越えて荷物を移送、人の通行があった。かっての黒沢峠は積雪が多く雪崩が頻発した。そのため荒川の支流横川沿いに市野々に通じる現在の道に改修された。手の子の問屋横山五郎右衛門によって改修が行われ、切り石2,200枚を敷き詰めて通りやすい道になった。市野々には高井家という問屋があり、9軒もの宿屋がある街道の宿場町であったが、小国新道の開通でこの集落の役割を終え現在はその面影もない。

落ち葉の上をゆっくりと歩くと当時の人々の行き交う姿が脳裏に浮かぶ。人力から馬車へ、交通手段も明治になって変わっている。地形を細かく見ながら歩きやすい工夫が随所に見られる。古屋敷は墨書した大きな柱だけが立っているがここは、歩き疲れた人々が休んで一服する茶屋の跡である。この日、黒沢峠を歩いた仲間は10名、内男性3名であった。山の会の今年の計画も12月の2回を残すのみ。今日は比較的気温が高く秋の日よりだが、明日から大陸から寒気が入ってくる。秋の山歩きも今年の最後となった。帰路、叶水のほたるで新そばを味わった。
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