尾花沢の親戚に大きなイチョウの木がある。晩秋に黄色に色づくのは見事であるが、それにもましての楽しみは実の収穫である。大木になるほど、たくさんの銀杏をつける。熟すると自然に落ちてくるのもあるが、枝にロープを括り付けて枝を揺さぶって実を落す。それを拾い集めるのだが、果肉が異臭を放つのはよく知られている。水や小川の流れで果肉を除去するが、市販されている銀杏にするまでには手数がかかる。この時期になると、乾燥した鬼皮つきの銀杏を貰う。毎朝数粒づつ味噌汁に入れて、妻と食べる。銀杏は強精食品として珍重されてきたが、このおかげで一日元気で過ごせるような気がする。
今年は新米のつや姫ももらうことができたのので、念願の銀杏ご飯を食べることができた。米はシイタケのダシ汁につけておき、昆布1枚、酒大さじ2、塩小さじ1を加えて炊く。別に鬼皮をとった銀杏20粒を湯にいれて煮たてながら薄皮を剥いて、吹いてきた羽釜に入れて炊きあげる。火を止めて数分蒸らしてから、底からご飯を起こすようにして銀杏と混ぜ合わせる。新米と取れたての銀杏が調和して、おいしい銀杏ご飯の完成である。親戚の従兄たちに感謝しながら舌鼓。コロナで心配な年の瀬であるが、これで元気に年を越すことができそうだ。
銀杏を焼きてもてなすまだぬくし 星野 立子
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