朝焼けが残るなか、自宅の近くの散歩コースを歩いた。電線にスズメが列をつくって止まっていた。林のなかで、チュンチュンと鳴く声が懐かしい。あまり見かけなくなったスズメの群れが、朝の光のなかで飛び回る。朝、陽を浴びたのには訳がある。国会で自民党の裏金をめぐる集中審議が中継される。しっかりと目覚めて、その様子を確認したいためだ。
政治評論家の大森実が『自民党の終焉』を書いたのは、2007年。2009年の衆議院選挙では自民党が大敗し、民主党が政権の座に就いた。だがその3年後、民主党は選挙に敗れ、自民党が復権した。東日本大震災が起き、民主党のかじ取りに国民が不安を感じたことが要因のひとつでもあったような気がする。この国の民主主義はどこまで健全か。今日の集中審議で明らかになる。何故、裏金が必要だったか。何に使われたのか、そこをしっかりと確認したい。
スズメの鳴き声を聞きながら歩いていると、グウルモンの詩が思い浮かぶ。「雪」はシモオンの連作だ。
雪はさびしげに松の木の枝の上、
お前の前額はさびしげに黒髪のかげ。
シモオン お前の妹 雪は庭に眠っている。
シモオン お前は私の雪 そうして私の恋人。