ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京の名品、包丁・料理道具の老舗「有次(ありつぐ)」。海外の料理人たちも憧れる、一生ものの品々。

2014-02-06 | 老舗

京の台所の錦市場。ミモロは、まだ人出も少ない午前10時頃に出掛けました。目指すは、包丁や料理道具の老舗「有次」(ありつぐ)です。
 
前から、一度ゆっくりとお店にお邪魔したかったミモロ。2月の午前中なら…とお店へ。
「ミモロちゃん、ようこそ…」武田店長さんやスタッフの方に、まずご挨拶…。「ゆっくりいろいろ拝見しまーす」と、ミモロは、さっそく店内を歩き回ります。
 お店の壁面のガラスケースには、包丁がズラリ。その数は、500本ほどに及ぶとか。

「わーいろんな種類の包丁があるー。なにを選んだらいいか、わかんない~」と、ただ茫然。

さて、錦市場で有名なお店と言えば、ここ「有次」の名が上がります。そもそも永禄3年(1560)に京都堺町松原の鍛冶屋町で鍛冶職を始めた藤原有次を初代に、現在店主は、なんと18代目。かつて京都御所の御用鍛冶として、禁裏に出入りを許されていた老舗です。 明治時代になり、帯刀が禁じられると、その刀鍛冶としての、優れた技は、包丁へと、その活路を見出します。明治40年ごろからは、打ち出しの技による鍋や料理道具の製作も開始。でも錦市場に店を出したのは、昭和56年と、意外と最近のことです。創業した堺町松原には、現在、本社が置かれています。

「えーもっとずーっと昔から、ここにお店あると思ってたー」とミモロ。

刀鍛冶の技術を受け継ぐ「有次」の包丁。その切れ味は、いうまでもなく、多くの料理人の憧れの包丁。日本を訪れる海外の料理人たちも、京都に来たら、ここを訪れるのを楽しみにするほど、すでにその知名度は、世界レベル。

この日も、ミモロ以外に日本人(ネコ)は、店内にいない時間も多いほど、次々にいろいろ国の人たちで店内は、にぎわっていました。

ここで、包丁を購入すると、お客様に渡す前に、仕上げの研ぎが行われます。また希望により、名前も彫ってもらえます。(ただし、品によって、名入れができないものもあります)
  

オーストラリアから、初来日した大学生さん。憧れの日本で、お母様のお土産に包丁を求めました。
  
そして購入した人は、お店のカウンターで、包丁のお手入れの仕方を教わります。この場合は、英語で…。
「クレンザーをスポンジに付けて、包丁の刃を、内から外へ、動かします。両面やって、水で洗い、よく水気を切って下さいね・・」と。切れ味を保つには、毎日、使い終わったら、お手入れすることが大切。

「これがなかなかできないんだよねー」とミモロ。「馴れれば、大丈夫…」と武田店長。

「ここでご購入された品は、切れ味が悪くなったら、どうぞ、またお持ちください。お研ぎします。長年使用して柄の部分が傷んだ場合、修理できます。数十年、お使いくださっている方も多数おいでになります」と。まさに一生もの…。

プロの料理人が使う包丁から、使いやすい家庭向きのもので、あるゆるニーズに応えた品が揃うお店です。
包丁は、用途別、大きさ、左利き、右利きなど、実に種類がさまざま。使う食材が多い日本料理らしく、包丁の種類も外国に比べ、ダントツに多い日本です。「世界文化遺産」になった日本料理、それを支えるのが、多彩な包丁や料理道具。これも、日本文化の象徴です。

オーストラリアから来た彼は、お母様へのプレゼントというので、丁寧に包丁を包んでもらいます。するとお店の人が、箱の中に、赤いものを入れました。「それ、なあに?」と、目ざといミモロ。
 
「これは、御守の碁石です」とお店の方。「なんで入れるの?」とミモロは、首を傾げます。
「刃物は、昔、縁を切るとか言われてこともあり、それを打ち消すために、刃物で切れない碁石をお入れして、ご縁が切れないようという思いをお伝えするんですよ」と。「へーそうなんだー。こんな心遣いがあれば、安心して刃物を贈り物にできるね。頂いた方もうれしいよねー」と、ミモロ。お友達の結婚や新築のお祝いに、包丁は、便利で、喜ばれる贈り物。

さて、店内には、包丁以外の料理道具もいろいろ。これらもプロの料理人も愛用する品々です。
「プロの人が使うものって、機能的で、使いやすくて、カッコイイよねー」と、これにも憧れのまなざしを。

どの道具も、機能美を湛えた無駄のない、洗練された姿です。


「栓抜きも一生ものだねー」。もちろん栓は、100円ショップの栓抜きでも抜けますが、こういうこだわりの品を使うことで、同じことも、より心豊かに感じられるのでは・・・・。プロ仕様の品々は、サイズも豊富。積んである姿も、美しく。

 「このお鍋で料理したら、絶対美味しいよねー」すでに,ミモロの頭の中には、親子丼とうどんすきのイメージが浮かんでいるよう。

一生ものと呼ばれる上質の品は、値段も高く、なかなか手が出ないもの。しかも、手入れは、包丁に限らず、怠ることができません。「手間をかけて暮らす…」。簡単便利を目指す現代社会とは、逆行する暮らし方かもしれませんが、手間を掛け、丁寧に暮らすことで、心は、落ち着き、豊かになるのかもしれません。

「値段が高いから、買ったら使わないともったいないよねー。だから、ずっと使えるように、お手入れするのー」とミモロ。結構しまり屋のミモロ。どんな動機でも、物を大切に使うのは、いいこと…。

「有次」は、上質のものを、長く使うという京の暮らしを物語る品が並びます。

*「有次」京都市中京区錦小路通御幸町西入ル 075-221-1091 9:00~17:30
 


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7 コメント

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Unknown (けいゆう)
2014-02-06 18:04:48
良い物を持つ事は、やる気もでるよね~。家族に美味しい物を食べてもらいたいって。
沢山は買えないけど、気に入った物を見つける事ができるお買い物したいなっ!
今日はミモロちゃんが紹介してくれた、がま口のまつひろさんと、大黒屋鎌餅さんに行ってきたよ☆ まつひろさんには、今度は、両親へのプレゼントを見に また行きま~す。
鎌餅は、食べてビックリ!美味し過ぎます!
素敵なお店、紹介してくれて ありがと~U+2661
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プレゼント (がちゃぴー)
2014-02-06 18:54:00
私の友達も ここの包丁をお友達のプレゼントにしていたよ。名前を入れてもらったって言ってたー
包丁のプレゼント?と思ったけど ご縁が切れないように碁石を入れてくださるから 安心だね。
プレゼントしてもらったら すごく嬉しいよね~
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料理の味も包丁次第・・・ (mimoro)
2014-02-06 21:32:08
料理の美味しさって、包丁の切れ味に関係してるんだって。切れない包丁だと、美味しくないらしい・・・。
いい包丁を使っていると、料理にも気合がはいるかも。
ミモロもがんばって、包丁研ごうー。
「ミモロ、鬼のお面かぶって包丁研いじゃダメー」って、
怒られました。
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Unknown (Unknown)
2014-04-07 15:22:10
販売している調理用品に持ち込んだヌイグルミを触れさす感覚がわかりません。
下手したら営業妨害ですよ。
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もちろん許可いただいてます。 (mimoro)
2014-04-07 16:27:44
ミモロの撮影は、もちろんお店の方に許可を頂いて撮影させていただいております。お店の方から、どうぞ来てくださいとのご連絡を頂いたものです。ご安心くださいませ。お気遣いありがとうございます。
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Unknown (Unknown)
2015-02-20 00:01:23
私もこの包丁持ってますくきれ切れて毎日料理が楽しいです。
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切れ味スパー (mimoro)
2015-02-20 11:27:27
切れ味のいい包丁だと、料理の味が数段美味しくなるそうです。ミモロも、切れ味のいい包丁でお料理するので、ますます食欲が…。
春までに、少し細くならなくちゃ~。
お気に入りのキッチン用具は、料理を楽しくしてくれますね。
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