「優柔不断さや曖昧さがいけない」と指摘される。そのとおりだと思う。私は妙にドライであったり、合理的であったりするくせに、ヘンに義理人情のところがある。その矛盾は自分でもダメだなとは思っているのだが、なかなか割り切れずにきた。今日も、先の選挙の話から「どうして応援したのですか?」と問われ、全く不合理なことを口走ってしまった。
「私を、初めての選挙の時から応援してくれた90歳近いご婦人から『応援してあげて!』と頼まれて、断りきれなかった」と言ってしまった。事実としてはそうなのだけれど、そんなことは恥ずかしくって言えることではないのに、それを自己弁護に使ってしまった。「だって、候補者はあなたを裏切って自民党に入り、しかも次には民主党から立候補した変節漢なんでしょう。そんな人を応援する気になること自体が間違っているのではないですか?」。
そう指摘されると反論の仕様がない。実際、政治的な信念もなくよくまあコロコロと変われるものだと思っていたのに、そんな人を応援することは納得できないのは当然のことだ。にもかかわらず、結果的には私は応援者だった。しかも最も中心となって応援してきた。候補者が私のところに来た時、まず自民党へそして民主党へ変わったことについて釈明するのかと思ったが、いきなり「政策について考えてくれればいいですから」と言った。
この人は事態の重さについては余り深く考えない人なのだと思った。だから、首長としての器にはふさわしくないと感じた。それなのに、先に挙げた90歳近いご婦人からしつこく頼まれるとダメと言えなかった。本当はダメだとハッキリそのご婦人には伝えたのだが、彼女の方は私を口説き落とせると思っていた。それは私も感じていたので、なぜ応援できないかを説明したのだが、彼女にとっては相手候補は私を2度までも蹴落とした宿敵であり、今度は絶対に落としたい相手である。むしろ私になぜ倒したい気持ちがないのかと憤っていた。私には個人的な恨みはない。負けたのは私の力量不足であり、戦術の弱さだったとハッキリしている。
選挙を戦う土台ができたころ、プロの選挙屋というグループがやってきて、かき回していった。その時点で私も90歳近いご婦人も手を引くことで一致した。にもかかわらず、私が事務所を休んでいるとご婦人から「すぐに来て!」と電話が入った。どうしてそこまで肩入れするのかと思いながら、彼女のために私も復帰してしまった。
私は選挙を応援すると決めた時、私に求められた範囲を、手抜きせずにやろうと決めた。私が考える政策を彼が掲げて戦うのだから、応援することに矛盾はないと言い聞かせた。首長選挙で戦うには余りにも兵隊不足だったけれど、それでもできる戦術は駆使してやった。結果は敗北であったけれど、それでよかったと思った。プロの選挙屋というグループの選挙の仕方は昔のやり方で、何一つ参考になるものはなかった。むしろ、彼らが乗り込んでこなければ、スタッフの皆さんはもっと気持ちが昂ぶって、もっと良い選挙ができたのかもしれない。
そういう意味でもカミさんが言う、「あなたの優柔不断さと曖昧さがいけない」という指摘は当たっている。
「私を、初めての選挙の時から応援してくれた90歳近いご婦人から『応援してあげて!』と頼まれて、断りきれなかった」と言ってしまった。事実としてはそうなのだけれど、そんなことは恥ずかしくって言えることではないのに、それを自己弁護に使ってしまった。「だって、候補者はあなたを裏切って自民党に入り、しかも次には民主党から立候補した変節漢なんでしょう。そんな人を応援する気になること自体が間違っているのではないですか?」。
そう指摘されると反論の仕様がない。実際、政治的な信念もなくよくまあコロコロと変われるものだと思っていたのに、そんな人を応援することは納得できないのは当然のことだ。にもかかわらず、結果的には私は応援者だった。しかも最も中心となって応援してきた。候補者が私のところに来た時、まず自民党へそして民主党へ変わったことについて釈明するのかと思ったが、いきなり「政策について考えてくれればいいですから」と言った。
この人は事態の重さについては余り深く考えない人なのだと思った。だから、首長としての器にはふさわしくないと感じた。それなのに、先に挙げた90歳近いご婦人からしつこく頼まれるとダメと言えなかった。本当はダメだとハッキリそのご婦人には伝えたのだが、彼女の方は私を口説き落とせると思っていた。それは私も感じていたので、なぜ応援できないかを説明したのだが、彼女にとっては相手候補は私を2度までも蹴落とした宿敵であり、今度は絶対に落としたい相手である。むしろ私になぜ倒したい気持ちがないのかと憤っていた。私には個人的な恨みはない。負けたのは私の力量不足であり、戦術の弱さだったとハッキリしている。
選挙を戦う土台ができたころ、プロの選挙屋というグループがやってきて、かき回していった。その時点で私も90歳近いご婦人も手を引くことで一致した。にもかかわらず、私が事務所を休んでいるとご婦人から「すぐに来て!」と電話が入った。どうしてそこまで肩入れするのかと思いながら、彼女のために私も復帰してしまった。
私は選挙を応援すると決めた時、私に求められた範囲を、手抜きせずにやろうと決めた。私が考える政策を彼が掲げて戦うのだから、応援することに矛盾はないと言い聞かせた。首長選挙で戦うには余りにも兵隊不足だったけれど、それでもできる戦術は駆使してやった。結果は敗北であったけれど、それでよかったと思った。プロの選挙屋というグループの選挙の仕方は昔のやり方で、何一つ参考になるものはなかった。むしろ、彼らが乗り込んでこなければ、スタッフの皆さんはもっと気持ちが昂ぶって、もっと良い選挙ができたのかもしれない。
そういう意味でもカミさんが言う、「あなたの優柔不断さと曖昧さがいけない」という指摘は当たっている。