友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

中学生の自殺とボート転覆事故

2012年07月06日 21時27分35秒 | Weblog

 責任を取ろうとしない大人が多いことが気になっている。滋賀県大津市の中学2年生が昨年10月に飛び降り自殺した。事件後に学校は全校生徒を対象にアンケートを実施した。今日の朝日新聞によれば、15人が「(いじめの事実を)先生は知っていた」と回答していた。「先生も見て見ぬふりをしていた」「一度、先生は注意したけど、その後は一緒に笑っていた」と書いている。

 アンケートには自殺した生徒について、「かつあげされていた」「口座から奪われていた」などと13人が回答し、3人が「財布を盗まれていた」と応えているし、「万引きをさせられていた」という回答も15人あり、うち2人は実名で、直接目撃したと答えている。しかし、市教委は「直接見聞きした生徒はいなかった」と述べている。市教委は「担任は、生徒が同級生と殴り合ったり、廊下に寝転んでプロレス技をかけられているのを目撃していたが、いじめの認識はなかった」と説明し、「『お金をとられた』という情報もあったが、生徒への聞き取りの結果、事実は確認できなかった」と述べている。

 自殺した生徒の家族によると、生徒は昨年夏ごろ、自分の貯金から数万円単位で複数回、現金を下ろしている。不審に思った父親が昨年9月に2回、担任に相談した。さらに、自殺する1週間ほど前に生徒が父親に「万引きした」ことを打ち明けたが、同級生に強制されたことは否定した。そこで父親は学校にこのことを報告した。これを受けた学校側、とりわけ担任の対応は余りにも配慮のないものだったと私は思う。

 担任は同級生の親らに事実かどうかを確かめた(朝日新聞)。どんな風に確かめたのか分からないけれど、いじめたとされている親が、「そんなことはない。でっち上げだ」と言っている。自殺した生徒が最後まで隠していたことが明るみに出て、彼は「報復された」(父親談)のだろう。そのため彼は自殺してしまったに違いない。いじめた同級生の名前を、あるいは見て見ぬふりをした担任に対する気持ちを、文書で書いておけば刑事事件になった可能性はある。

 自殺した生徒の父親は警察に、いじめた同級生を罰して欲しいと訴えたが、警察は「犯罪事実の認定は困難」と説明している(中日新聞)。「父親からの被害届の受理を拒否する意図はなく、証拠が出てくれば立件に向けて動く」とも話している(朝日新聞)。しかし、警察が捜査してくれないこのようなケース、つまり具体的な証拠がないのであれば民事事件で争い真相を明らかにする以外ない。

 昨年、静岡県浜名湖で起きたボート転覆事件で、亡くなった子どもの両親は民事訴訟を起こしている。これをパソコンで検索すると、「金の亡者」というタイトルが付けられていた。民事訴訟は具体的な不利益がなければ事件にならない。だから賠償金がいくらという訴訟になるのだが、それを知らない人は何でも金に結びつけるとか、金欲しさで裁判をやっているなどと言う。情けない話だ。それに、訓練を請け負った「青年の家」の所長は「私の判断が至らなかった」と訓練の事故を陳謝したが、豊橋市教委は「全面的に争う」と言う。

 悪天候の中でなぜ訓練を行わなければならなかったか。現場にいた教師が「中止しましょう」と言えば助かったはずなのに、判断が出来る立場ではないような言い方は私は納得できない。福島原発の事故の時も、東電の幹部は予測できない津波が起きたからと自らの責任に触れなかった。政府も同じ姿勢だった。教委もまた同じ姿勢のようだ。

コメント (2)
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