イヤに眠い。朝も食事が終わってしばらくして、布団に入って新聞を読んでいるうちに眠ってしまった。それなのに夕方、本を読んでいたら猛烈に睡魔に襲われた。カミさんは新聞の数独に夢中になっている。昨夜は全英オープンゴルフが午後11時10分から放映されるというので、私はその前に寝たが、カミさんは1時間ほど見てから寝たと言っていたので、睡眠不足なのは彼女の方なのに、相変わらず飽きもせず、数独に挑戦している。
カミさんが熱中する数独もゴルフも、どうも私は熱中できない。何が面白いのだろうと思ってしまう。ゴルフは芝の芽を読み、自分との戦いなのだと友だちも言うが、その絶妙さがきっと面白いのだろうけれど、なぜか興味が湧いてこない。カミさんは、スポーツはやることも観ることも好きだけれど、私は観る方は好きでも自分からやってみようという気になれない。運動神経が鈍く、他人と競い合って負けるのがイヤなのかも知れない。
そう言えば子どもの頃から、競い合うことがどうも苦手だ。勝てば嬉しいのだが、負けるのは悔しいので、それなら競い合わずにおこうという逃げなのだろう。団塊世代は小さい時から絶えず競い合ってきたけれど、振り返ってみれば私は敗者だなと思う。全英オープンで、アメリカのタイガー・ウッズが復活してきている。タイガーの話題が出た時、高校3年の孫娘は「この人って、女たらしなんでしょう」と言った。ビックリした。タイガーが何人かの女性を愛した(?)ことを伝え聞いて、孫娘はそんな風に思ったのだろうが、どう言えばいいのか私は言葉が見つからなかった。
タイガーの父親はアフリカ系アメリカ人で陸軍特殊部隊の将校である。母親はタイ人だけれど、両親にはいろんな人種の血が流れているので、タイガーは自分自身を「コーカネイジアン」とNHKの『クローズアップ現代』の中で答えているそうだ。アメリカは移民の国だけれども、人種差別は存在する。タイガーのもとにもヘイトレター(嫌がらせの手紙)が届く。「黒人の若僧が生意気に金持ちの白人の真似をするな」「何が英才教育だ。ハングリー精神でゴルフの世界を荒らすな」「殺すぞ」といったヘイトレターをタイガーは壁に貼って、ことあるごとに読み返し、「こんなことに負けてたまるか」と、ゴルフのエネルギーに転化していると言う。
人はどうして弱い者をいじめるのだろう。金がない、背が低い、醜い、小さい、弱い、おとなしい、勉強が出来ない、運動が出来ない、人とうまく話せない、そんな弱さを持っている者を必ず集団でいじめる。1対1では出来ないことを数を頼んでやってしまう。それも、子どもの頃のいじめは、いじめた方に強い意識がなく、いじめられた方に深い傷をつける。だから、いじめた子を処罰することよりもいじめを防げなかった大人の責任を追及すべきだろう。いろんな人がいて、いろんな価値があって、それぞれみんな輝いていると認める社会にすることが大人の責任だろう。