友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

好きになった方がいい

2013年02月25日 18時54分41秒 | Weblog

 先日、誕生日会に持って行く料理を作るためにスーパーへ買い物に行ったら、選挙の時に応援してくれた不動産屋の社長に会った。市民のための勉強会である市民講座に近頃は来ていない。そのことを話すと、「中国の話は聞きたくない。中国も韓国も大嫌いだ」と言う。社長くらいの年代の人、つまり終戦時が小学1年生以上の人は、「チャンコロとかチョウセン」と呼んで、中国人や韓国人をバカにしているところがある。子どもの頃に、そんな風に教えられたのか、そんな風潮の中で育ってきたからだ。

 誕生日会のメンバーの先輩たちも全く同じだ。みんなで韓国へ旅行に行こうという話が出た時も、「絶対に行きたくない。街はニンニク臭いし、朝鮮人は汚い。教養もなく街中がゴミだらけだ」と嫌がった。とにかく出かけようというので、無理やり一緒に行った。幸いにも、空港は新しくなっていて、ニンニクの匂いなどどこにもない。空港からソウルへの高速道路は日本と変わらない。ところがソウルについてビックリした。名古屋市よりもはるかに大きく、清潔で、ゴミは溢れていない。

 私の14歳年上の姉も同じだ。言葉の端々に、中国人や朝鮮人を馬鹿にしたところがある。中国の重慶から日本に留学していた中国人学生の話を思い出す。彼女が日本の大学へ留学したいと言った時、両親は「日本人は怖い。何をするか分からない。殺されるかも知れないから絶対にダメだ」と止めたそうだ。重慶は日本軍が無差別爆撃を行なった都市だ。その時の恐怖を引きずっているのだろう。無差別に人を殺す残虐非道の国という印象を持っているのだ。相手を知らないというのは本当に恐ろしい。

 私が社長に、「ソウルはとても大きくきれいな街でしたよ」と話すと、「そうかね。一度連れて行ってくれないか」と言う。自分の目で確かめてみることは大事だと思う。日本に留学に来た中国人の彼女も、「初めはとても心配だった」と言う。「日本人は礼儀正しいし、皆優しい」と付け加える。多分、中国の両親にも日本人のことを話しているだろう。竹島や尖閣諸島の問題で、「韓国や中国は信用できない」と社長は言うけれど、韓国や中国の人々もそう思っている。「領土は守らなくてはならない」と、どこの国民も思っている。

 いがみ合うよりは仲良くできる道を探らなくてはいけないだろう。私たちのような年寄りはどんな事態が生まれてもそんなに大差はないけれど、これから何十年と生きていく若い人たちのためになる、そんな国になるような生き方をしなくてはならない。中国へ行けば中国人の、韓国へ行けば韓国人の、友だちが出来れば憎しみよりも親しみが増すはずだから。

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