昨日からカミさんは、パソコンの前に陣取っている。この春に高校を卒業する孫娘とふたりで行く、沖縄ツアーの予約に四苦八苦しているのだ。1月の下旬に思いついた時は、まだ予約に充分な余裕があった。それが昨夜になって予約状況を見ると、キャンセル待ちしかなくて慌てているのだ。そこで新聞広告に載っていた別のプランの予約状況を調べたり、別の旅行会社のプランを見たり、予約をしてみたり解約してみたりと大奮闘している。
ところが高3の孫娘は先日、学校を2日間もサボった。担任がインフルエンザかと心配して母親に電話してきて、バレてしまったのだ。友だち3人でマクドナルドやスーパーマーケットで過ごしていたらしい。学校へ行く時間に普段どおり出かけて行ったから、母親としては裏切られた気がしたのだろう。小心者でどちらか言えば真面目で堅物な孫娘である。ひとりなら決してこんな大胆なことは出来ないだろう。私は、孫娘もようやく普通の高校生になったと思うほどだ。
孫娘は自己主張が出来なくて、他人に引きずられてしまう弱さがある。一緒にサボったふたりの話はよく聞いていた。私が中学生の頃に先生から言われていた、「朱に交われば赤くなる」を思い出す。友だち選びは大事なことだからと孫娘の母親に、私たちが彼女の友だちのことを言うと、「私の友だちの悪口は言わないで!」と凄い剣幕で怒ったことがあった。なるほど親が口にすることではないと私は納得した。
「類は友を呼ぶ」とも言われる。自分が人として品格や教養を磨くことが一番肝心なことだ。すると自然に自分が欲しい友だちが出来る。自分よりも志の高い友だちが周りに増えていくものだ。優しさばかりが目につく孫娘なので、家庭に問題を抱えている子が癒しを求めて彼女の周りに集まってくる。小・中・高校と相変わらずだけれど、やはりここで一歩飛躍して欲しい。
母親と同じ看護の道に進むと決めた孫娘は、「ママ、看護学会で会いましょう」などと言っているけれど、母親がどれほど大変な努力を払っているか、現場に出るようになれば分かるだろう。大学生になっても、看護の勉強は相当に厳しいと聞く。遊び呆けていられるのも今のうちだ。おばあちゃんとの沖縄旅行もよい記念になるだろう。茨城に住む母親の妹のところへひとりで出かけるのもよい経験だ。能天気な孫娘も少しずつ大人になっていく。頑張れよ。