友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

アニメ映画作り

2013年09月07日 18時21分07秒 | Weblog

 アニメ映画監督の宮崎駿さんが、公開中の『風立ちぬ』を最後に引退すると発表した。『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』を見た。昨夜は引退に合わせてなのか、『紅の豚』がテレビで放映されたので見た。『魔女の宅急便』までは子どものためのアニメという感じだったけれど、『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』、昨夜の『紅の豚』などは大人のためのアニメだと思う。

 宮崎さんのアニメの特徴は絵がとても美しいことだ。空や雲、森や水がよく出てくるけれど、光と風の表現が抜群にうまい。そしてテーマは、宮崎さん自身が言うように、「子どもたちに『この世は生きるに値するんだ』と伝えることが仕事の根幹になければいけない」ことにある。人間と自然との共生、人の優しさと力強さ、未来に向けた真摯な心、これらはどの作品にも共通する。子ども向けの作品も大人向けの作品も、世代を超えて見入ってしまうものがあるのはこのせいだ。

 私は高校の教員になった最初のボーナスで、映画を作るために8ミリ撮影機を買った。実際に映画を1本作った。それから美術クラブの生徒にアニメを作らせた。「ハチのむさしは死んだのさ」という歌が流行っていたので、これをアニメにしようということになった。ただし、アニメを作るには1秒に5枚の絵が必要で、真面目に取り組む生徒もいたが、遊び半分の生徒もいたから、なかなか原画が進まなかった。あの時は何枚描いたのだろう。8ミリフィルムは残っているので今度のクラス会で上映してみよう。

 宮崎作品のような手の込んだものを仕上げるには相当な時間と集中力が要る。今ならパソコンがあるし、いろんな機材と技術でかなりカバーできると思うけれど、それでも宮崎さんは「限界だ」と言うのだから、やはりアニメでは手作業のウエイトは大きいのだろう。生徒たちが『ハチのむさし』を製作した時は、今から45年ほど前で、画用紙に1枚1枚絵を描き、それを8ミリ撮影機で撮り、映写する誠に原始的なアニメ作りだった。絵だけでは足りなくて、生徒のひとりが「むさし」に扮して演じていたが、これも映写すれば生徒たちの良い記念になるだろう。クラス会は10月5日(土)に開かれる。

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