友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

賄賂

2013年09月13日 18時36分27秒 | Weblog

 岡崎市にあるトヨタ系企業の幹部が、中国の公務員に賄賂を渡していたことが大きく新聞で報道されている。私の友だちや知り合いの中にも中国へ進出している企業で働いている人がいる。彼らから聞いていた話は、「中国では役人と親しくならないとやっていけない」ことばかりだった。中国は共産党の一党支配の国だから、日本のように面倒なことがない。役人が「わかった」と言えばそれで出来るが、役人が「ダメだ」と言えばそれで終りだと言う。他に頼むことも訴えることも出来ない。権限を持つ役人にひたすらお願いしなければ何も出来ないと。

 まるで、古代中国のままではないかと思った。役人が商人や農民から賄賂を受け取る。上の役人が下の役人から賄賂を受け取る。そのため国は腐敗し、不満を抱く農民大衆が蜂起し、新しい国が出来る。中国の歴史はその繰り返しだったように思う。血族支配を止めるために科挙という誰でもが受けることの出来る公務員採用試験を実施し、有能な人物を役人に取り立ててきたが、それでも役人天国が続いた。共産党が実権を握り、役人天国から脱皮できると国民は期待したかも知れないが、一党支配はもっと強力な役人天国を作った。

 私が「香港・深圳・マカオの旅」に出かけた時、ガイドが「中国経済の基本は賄賂だ」と言ったことを思い出す。香港から中国領の深圳へ行く時、帰る時、「必ず「賄賂要るネ。賄賂渡せば目つぶってくれるネ」と面白おかしく話してくれた。このバスに中国の警察の人がいれば間違いなく国家反逆罪で捕まるだろうというくらい、賄賂がどのように徴収されるのかを話した。下の役人が賄賂を受け取る。すると上の役人がまた下の役人から賄賂を受け取る。そうしてピラミッドの上の者は、何もしなくてもお金が集まるのだと。

 多額の賄賂は中国国内では使えない。私腹を肥やすことは共産党社会ではありえないからだ。そこでお金を貯めた役人は、マカオでギャンブルに使ってドルに変換するのだと言う。外国の銀行にお金を預け、子弟を外国の大学へいかせる。万が一、賄賂がバレた時、外国に脱出する道筋を作っているのだと、本当の話のようにガイドは話したが、そうした例は幾つも出てきた。「賄賂は社会的な礼儀・風習」と、トヨタ系企業の幹部も私の知り合いたちも思っていた。中国は日本のような先進国ではないのだから、仕方がないと。中国の共産党も危機感を抱き、役人の不正撲滅を掲げているようだが、4千年の歴史があるがあるだけに、即とはいかないだろう。

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