友々素敵

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いつか来た道では説得力に欠ける

2013年09月22日 19時31分38秒 | Weblog

 明日はもう秋分の日、日の出は遅くなり、日の入りは早くなった。それでも今日はまだ暑さが残っている。「暑さ寒さも彼岸まで」と昔の人はよく言っていたが、いつもならそのとおりだと実感するところなのに、今年は暑さが続いている。9月26日は伊勢湾台風に襲われた日、翌日、学校へ行くと体育館の屋根が吹き飛んでいた。その日は全校生徒が台風の後片付けで一日過ごしたような気がする。今年も26日あたりに台風が上陸すると予報されている。

 最近、新聞やテレビで、集団自衛権のことや国家機密漏洩防止に関わる法案について、よく取り上げられている。有識者が「いつか来た道」と警告したりしているが、それでは説得力がないと思う。伊勢湾台風だって知っている人は少ない。今度来る台風が伊勢湾台風並みであったとしても、同じような規模であっても、全く同じではない。歴史に学ぶことは大切だが、「いつか来た道」と警告・批判しても、感覚的な受け止めになってしまう。

 今朝の読売新聞に、安倍首相の肝いりで集団的自衛権の論議の場となった懇談会の座長を務める国際大学の北岡伸一学長が、「戦前と現代、同一視は不毛」と題する論文を書き、昭和初期に日本を戦争へ向かわせた5点を検証している。1つは、地理的膨張が国家の安全と栄光を保障すると言う観念だが、今はそんな声を聞いたことがないし、軍事的膨張を国家の栄光と考える人もいない。2つ目は、相手は弱いという認識で、現在の日本で相手である中国を弱いと考える人はいない。3つ目は、国際社会は無力で制裁する力はないとする判断だが、高度に発達した国家の方が制裁のダメージは大きい。4つ目は、政治の軍に対する統制の弱さだが、現在の日本は自衛隊に対する統制は十二分に効いている。5つ目は、言論の自由の欠如で、日本では言論の自由がしっかり確保されている。ところがこの5点は現在の中国にピタリ当てはまるから、集団的自衛権は必要なのだという主張である。

 北岡さんのプロフィールを見ると、1948年生まれとある。団塊の世代で、全共闘運動が最も盛な時代を生きてきた。日本が戦争を仕掛ける要件はないが、中国からの脅威には対抗しなければならないと考える。どうして戦争放棄の憲法を活かし、永世中立国への道を彼は選ばなかったのかと思う。憲法9条を生かす国づくり提案こそが21世紀の思想ではないだろうか。

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