友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

鉄道事故と伝承されるもの

2013年09月27日 18時07分05秒 | Weblog

 JR北海道で相次いで事故が起きたと思ったら、今度はレールの異常がビックリするほど多く見つかった。異常が見つかっていても放置されてきたためだという。ズサンと言うには余りにもひどい。何を思って働いているのだろう。JRにしても、トヨタにしても、これまで大きな事故がなかったのは、生真面目に自己点検を行なってきたからと言われている。受け持った仕事をこなすだけでなく、さらに工夫と技術を重ねて、後輩へと伝えていく使命感があったという。

 先日も退職した70代の男性が、以前の会社を訪れた場面に遭遇した。若い後輩にあれこれと質問し、「まだ、やっとらんのか」と叱り飛ばしていた。会社への思い入れが今も強くあるのは分かるけれど、後輩の事情も聞いてあげればと、他人事ながら思ってしまった。70代の男性は苦労して仕事を取ってきた。そのおかげで会社は大きくなった。自分が売り込む製品について、先輩は説明書にあることも教えてくれなかった。そこで取引先や他業者まで訪ねて勉強を重ね、製品のプロになった。

 ところが大学を出た後輩は、製品の知識はあっても相手についての知識がない。製図は描けても分解して組み立てることが出来ない。分からないことは聞きに来いと言うのに聞きに来ない。あいつは使い物にならないと断言する。それで、人前も構わずに注意していたのかと分かった。でも、あなたも取引先や他業者から教えてもらったように、後輩も先輩には聞きにくいことも他の人から聞いているかも知れないし、あなたとは違うやり方で付き合いをしているかも知れない。後輩から相談されやすい先輩でないと伝承されていかない。

 話は変わるが、共済組合の積立金から2億円を使途不明だという事件があった。PTAとか町内会とかのお金を使い込んだ事件もあった。自分が苦労して得たお金は大切にするけれど、人のお金は扱いがいい加減になりやすい。使い込みではないけれど、税金の無駄使いはそのいい例だ。税金をチェックする立場の議員が政務調査費をごまかしている。市民も自分に関係なければ、何億円使われていても関心が薄い。公金の使い込みが多いのも、管理が甘いからだ。通帳も印鑑も同じ人物が保管しているという。

 会社も組織も、誰のものか、何のために働いているのか。伝承されるべきものは、ただ技術ばかりではない。ものの考え方や価値観や使命感など、大切なものは受け継ぐのではなく、切磋琢磨して伝えられていく。古い人と新しい人とがぶつかり合い緊張感を伴いながら伝承されていくのだ。

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