今年の夏は暑かった。私の知り合いにも亡くなられた人がいたし、どういう訳か踊り場で転んで大けがをした人もいる。「熱中症って言うけど、昔は夏バテって言ってたわね」と知り合いの女性が言う。夏バテと熱中症は違うと思うけど、いずれにしても高齢になると、体力が落ちるばかりかストレスを溜め込むようだ。
長女がメールで、小3の孫娘は「リレーの選手になれなかった」と知らせてきた。我が家はチビだけれど足が速いのが伝統だったが、小3の孫娘は背が高く身体も大きいのにと不思議な気がする。まあーそのうち、高学年になればきっと本領を発揮してくれるだろう。今はただ、見守ってやることだと思う。
その小3の理科のテストがSNS上で話題になっている。質問は「時間がたつとかげのむきがかわるのはなぜですか?」。「地球がまわるから」の答えたはバツで、「太陽が動くから」が正解とある。かつて小学校の先生だったカミさんに聞くと、「小学校では自然を観察することが大事なので、太陽が動くは正解。太陽の光で影の向きが変わるから。地球が回転しているは正しいけど、地球が回るので太陽が動いているように見えると説明があるといいわね」と言う。
小3ですでに地球が自転していることを知っている子がいて、地球儀の上に小さな棒を立てて影の向きが変わることを実証したなら、先生はどう答えるのだろう。
高校1年の時、国語の授業は大学を出たばかりの新米の先生だった。いつも教科書以外にも辞書などを用意して教壇に立つ熱心な先生だった。どうしてそうなったのか覚えていないが、文章の解釈で質問した生徒がいた。先生の解釈では納得できない、こういう意味があるのではないか、そう彼は食い下がった。おかげで授業時間が短く感じた。
いくら新米の先生であっても、先生の権威にたてつくことは出来ない。それを解釈を巡って堂々とやってしまう根性に感心した。権威とか体制に反抗的な年頃とはいえ、面白い奴だと思い、新聞部に誘った。2年になると彼は生徒会長になった。出会ってからもう60年近い付き合いになる。