火事が多いこの時期、マンションの近所で黒煙が立ち上るのが見える。消防車やパトカーがけたたましくサイレンを鳴らして通り過ぎて行った。栃木県の山林火災や多摩川の河川敷の火災など、誰かのほんのちょっとの不注意が大火事になっているようだ。
今日は雛祭り。カミさんは「いつまで雛祭りはするものなの?」と聞く。「日本の年中行事なのだから、年齢には関係ないのでは」などと答える。長久手にある『名都美術館』と、豊田の『豊田市美術館』へ出かけた、その途中での会話である。
名都美術館では県芸大を今春、退官される日本画の北田克己さんの作品とそのデッサンが見られ、北田さんがどのように作品を描いたがよく分かった。日本画はどうしても装飾的になるが、それを超えた作品の意図が感じられた。
風景画よりも若い女性をモデルに描いた作品の方が、北田さんの力が発揮されていると思う。手先や足先に拘っていて、鉛筆のデッサンを見るとそれがよく分かる。とてもきれいな足や手を、その組み合わせでいっそう引き立てている。
続いて、豊田市美術館へ行く。北田さんと同じ東京芸大の先輩たち、そう言ってもかなり前の油絵科の先輩たちが結成した『上杜会』の作品展である。こちらは昭和初期の初々しい作品、従軍画家として戦地へ出かけた作品、戦後の自由な作品と、年代を追って展示されているので、その変遷がよく分かる。
美術館の中のレストランで昼食をとるつもりでいたが、行列が出来ていたので諦めた。池の周りの柳が芽吹いていてきれいだった。豊田インター近くのレストランへ向かったが、場所が思い出せずグルグル回っているうちに高速に乗ってしまい、結局我が家での食事となってしまった。事前の学習が足りないことがよく分かった。